Ryzen Threadripper、Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3の違い

最終更新日 2023年09月07日

Ryzen シリーズには性能で差別化された Ryzen Threadripper、Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3 がある

AMD 社の CPU には、サーバー向け CPU、デスクトップパソコン向け CPU、モバイルパソコン向け CPU があり幅広く展開されています。

グラフィックスチップのコアが CPU に統合された製品を展開しており、AMD 社では APU と呼んでいます。それぞれの用途に最適化されて開発が進められてきており、現在でも製造プロセスの微細化や新しいアーキテクチャーの導入等によって進化を続けています。

AMD 社は、従来のシリーズから刷新して新しいシリーズの CPU を展開することがありますが、AMD 社の最新鋭の CPU が Ryzen シリーズです。(2018年2月16日時点)

Ryzen シリーズは登場した当初から APU ではなく CPU、すなわち従来の製品と違って CPU 部分だけで構成されており、APU のように GPU がありませんでした。そのため、システムを構築するには別途グラフィックスボードが必要でした。

その後、Ryzen シリーズでも CPU に GPU が統合された製品が登場しました。今後は Ryzen シリーズでは CPU と APU 両者を展開し続けていくと思われます。

以下では、CPU と呼ぶことに統一しますが、Ryzen シリーズには APU と呼べる製品があります。

Ryzen Threadripper、Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3 は同じアーキテクチャーですが、コア数や2次キャッシュの容量等で性能が差別化されています。以下では、それぞれの主な特徴について見ていきます。

インテル社を焦らせた Ryzen Threadripper は Ryzen シリーズの中で最高性能を持つ

Ryzen Threadripper は、Ryzen シリーズの中で最高性能を持ちます。Ryzen Threadripper はデスクトップパソコン向け製品のみであり、モバイルパソコン向け製品はありません。Ryzen Threadripper には最大16コア32スレッドの製品があり、ハイエンドユーザー向けです。

Ryzen Threadripper が登場する前は、個人向け CPU に限るとインテル社の CPU の中で最大コア数は10、最大スレッド数は20でした。

Ryzen Threadripper で16コア32スレッドの製品が登場したことはユーザーに限らずインテル社にとっても衝撃的だったようで、その後インテル社は最大コア数18、最大スレッド数36の製品がある Core i9 を、まるで尻を叩かれたかのように発売したほどです。

Ryzen Threadripper はコア数とスレッド数が多く、これらをフル活用出来るシステム環境であれば、4KやフルHDなどの高解像度動画の作成や編集、カメラマン等のグラフィックス関連の専門家が行うプロユースでの使い方において快適に作業ができます。

ゲーム用途では、8コア16スレッド以上の処理を効率的に行えるソフトウェアが現在存在していないため、16コア32スレッドの Ryzen Threadripper だと処理能力を最大限に活かすことができませんが、ゲームのプレイシーンを録画したり、ゲームプレイをリアルタイムに動画配信するといった用途であれば、Ryzen Threadripper の16コア32スレッドを活かせるシーンは多々あります。

Ryzen Threadripper は、他の Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3 とは違って、Socket TR4 と呼ばれるソケット、X399 と呼ばれるチップセットを持つマザーボードでしか動作しません。自作したり CPU の交換等をする時は注意が必要です。

高性能 CPU が欲しいなら Ryzen 7 が選択の目安

Ryzen 7 は、Ryzen Threadripperとは違って汎用的なコンピューティングが出来るように作られた CPU です。Ryzen 7 には、デスクトップパソコン向け製品とモバイルパソコン向け製品があります。

デスクトップパソコン向け製品には8コア16スレッドの製品があります。この製品の処理能力は、同価格帯のインテル社の CPU よりも優れている面があります。シェアで不利な状況にある AMD 社はコストでも勝負しないとシェアを伸ばすことはできないと考えていると思われ、性能の割に価格が安めでありコストパフォーマンスの高さから人気があります。

Ryzen 7 は、動画編集や3Dモデリング、大規模なソフトウェアのビルド等において、その高い処理能力は多くのユーザーのニーズに応えてくれます。

GPU が統合されていない Ryzen 7 だとグラフィックスボードが必要になりますが、AMD 社の Radeon でも NVIDIA 社の GeForce でもユーザーの好みのグラフィックスボードを選べますので、ユーザーの用途に合ったグラフィックスボードを選んでシステムに導入できます。

8コア16スレッドの Ryzen 7 であれば、ハイエンドグラフィックスボードを搭載しても十分にその能力を発揮させられます。ゲームマシン用としても活用することにもおすすめで、3万円強から4万円強で購入することができ、非常にコストパフォーマンスが高い製品に仕上がっているのが特徴です。

モバイルパソコン向け製品は4コア8スレッドですが、TDP が 15W の製品であることを考慮すると優秀な性能です。コア数を増やすと増やした分だけ発熱量が増え、発熱量を示す TDP も増えます。TDP を 15W に抑えながら4コア8スレッドにしてきたことはインテル社を刺激したようで、インテル社でも TDP が 15W であり4コア8スレッドの製品を発売しました。

できるだけ予算を抑えて高性能パソコンを入手したい人に向いている Ryzen 5

Ryzen 5 は、Ryzen シリーズの中で標準的な性能を持ちます。Ryzen 5 には、デスクトップパソコン向け製品とモバイルパソコン向け製品があります。

デスクトップパソコン向けには、6コア12スレッドの製品と4コア8スレッドの製品が展開されています。モバイルパソコン向けは、4コア8スレッドの製品のみです。

デスクトップパソコン向けとなる4コア8スレッドの製品は、ライバルとなるインテル社の CPU とほぼ同じ性能を持っており、1万円半ばから2万円弱で購入できるのが魅力です。

より性能が欲しいというユーザー向けに6コア12スレッドの製品が用意されており、この製品であればゲーム中継の配信用途でも十分に対応することが可能です。ただし、ゲームの負荷の高さや配信する時の画質の高さによっては性能不足となります。

Ryzen Threadripper や Ryzen 7 ほどの処理能力が不要であり、できるだけコストを抑えながら高性能なマシンを作りたいなら Ryzen 5 が最適です。

GPU が統合されていない製品であれば、グラフィックスボードがないと映像を出力することができませんので注意しなければいけませんが、Ryzen 5 でもハイエンドモデルのグラフィックスボードの処理能力を最大限に引き出せます。

価格が安くても優秀な性能を持つ Ryzen 3

Ryzen 3 は、Ryzen シリーズの中で最も性能が低く安価です。Ryzen 3 には、デスクトップパソコン向け製品とモバイルパソコン向け製品があります。

デスクトップパソコン向けには、4コア4スレッドの製品のみ展開されています。モバイルパソコン向けは、4コア4スレッドの製品と2コア4スレッドの製品が展開されています。

デスクトップパソコン向けとなる4コア4スレッドの製品は、その処理能力はインテル社の4コア4スレッドの製品に匹敵するぐらい高いものです。

インターネットやメールの利用、オフィスアプリケーションを利用しての事務処理、簡易な動画編集、写真編集、音楽編集等の使い方であれば十分な性能です。

価格は1万2千円強から1万5千円弱となっていますので、Ryzen 3 はシステムを最安で作りたいとユーザーにとってはコスト面で優れた選択肢です。

Ryzen Threadripper、Ryzen 7、Ryzen 5、Ryzen 3のコア数とスレッド数に関する違い

デスクトップパソコン向け

マイクロ
アーキテクチャ
コア数/スレッド数
Ryzen TR Ryzen 7 Ryzen 5 Ryzen 3
Zen 8/16
12/24
16/32
8/16 4/8
6/12
4/4

モバイルパソコン向け

マイクロ
アーキテクチャ
コア数/スレッド数
Ryzen TR Ryzen 7 Ryzen 5 Ryzen 3
Zen - 4/8 4/8 2/4
4/4


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