LED照明は従来の照明と比べてメラトニン分泌抑制効果は同じ?

最終更新日 2018年10月19日

LED 照明は従来の照明と比べてメラトニン分泌抑制効果は同じなのか

当ウェブサイトには書いていないはずですが、別のウェブサイトに白色 LED 照明は体内時計を狂わせるから就寝前は使わない方が良いという内容を書いたことがあります。また、知人等にも同様な内容を話したことがあります。

解釈の仕方では間違ってはいません。しかし、私は従来の照明と比べて白色 LED 照明は体内時計を狂わせやすいという意味で言ったのですが、間違っていたようです。

照明に限らず LED に関連する商品の情報等には、発光波長の分布図が掲載されていることがよくあります。その図を見てみると波長 450nm くらいのところにピーク波長があり、白色 LED 照明はブルーライトを多く含むことがわかります。

目から入るブルーライトの量が多くなるとメラトニンの分泌が抑制され覚醒し、目から入るブルーライトの量が少なくなるとメラトニンの分泌が活発化され眠くなります。

太陽光はブルーライトの量が多いので、朝は自然と覚醒し夜は眠くなりますが、夜に白色 LED 照明を使うと目から入るブルーライトの量が多くなり、メラトニンの分泌が抑制され覚醒したままとなり体内時計が狂ってしまいます。

ここまで聞くと、従来の照明と比べて白色 LED 照明は体内時計を狂わせやすいと考えられます。

LED照明とブルーライト - J-STAGE によれば、光放射によって引き起こされる各種生物化学反応量Φ_Bは、評価対象の作用スペクトルB(λ)と光源の分光分布Φ_e(λ)により、次式によって推定可能です。アンダーバーの次の文字は、下付き文字です。

Φ_B=K_B∫Φ_e(λ)B(λ)dλ

K_Bは、放射量を生物化学反応量に変換する定数であり通常は1.0です。評価対象の作用スペクトルB(λ)は、生体リズム障害では国家標準化、青色光網膜傷害では国際標準化されています。生体リズム障害とは、体内時計が狂ってしまうことです。

何やら難しい式が出てきましたが、同研究の結論を要約すると以下のとおりです。

(1)相関色温度は同じで明るさも同じになるような条件で蛍光ランプからLEDランプに更新した場合は、メラトニン分泌抑制作用量は変わらない

(2)昼白色蛍光ランプから昼光色LEDランプへの更新や、照明条件を明るめに変更した場合は、メラトニン分泌抑制作用量は多くなる可能性はある

(3)蛍光ランプと白色LEDランプのメラトニン分泌抑制作用量は同程度であり、解釈を変えると従来使ってきた蛍光ランプでも発生していた可能性がある

相関色温度は同じとは、簡単に言えば光の色が同じということです。(1)は、光の色と明るさが同じであれば、蛍光灯から LED 照明に変えてもメラトニン分泌の抑制効果が高まるわけではないことを意味します。

昼白色と昼光色を比べると光の色が同じように見えますが、昼光色の方が相関色温度が高く青っぽいです。また、相関色温度が高いほどメラトニン分泌の抑制効果が高いです。光が明るいほどでも同様です。

(2)は、蛍光灯から LED 照明に変える場合、昼白色から昼光色へ変わるなら相関色温度が高くなるので、メラトニン分泌の抑制効果が高まることを意味しています。明るさが大きくなる場合でも同様です。

(3)は、LED 照明は蛍光灯と比べてメラトニン分泌抑制効果が特別高いわけではなく、色温度や明るさの違いでメラトニン分泌抑制効果が変わってくるのであり、従来から使われてきた蛍光灯でもメラトニン分泌抑制により体内時計を狂わせていた可能性があることを意味します。

もし LED 照明にしてから体内時計が狂うようになったと感じたのであれば、色温度が高くなったか、または明るさが大きくなったことが原因と考えられます。

例えば、前は昼白色だったが LED 照明に変えるにあたり昼光色にしたなら、色温度が高くなったのでメラトニン分泌抑制効果が高まった可能性が考えられます。新たに導入した LED 照明の方が明るい場合でも同様です。

メラトニン分泌を抑制したくない場合は、電球色の LED 照明を使い、できるだけ明るさを小さくすることが有効とわかります。本を読みたい等、暗いと困る場合があると思いますが、その場合はブルーライトを含む光が目から入るのをできるだけ防ぐため、デスクライトを使うと良いと考えられます。

私は各種生物化学反応量の式について理解しておらず、従来の照明と LED 照明それぞれにおけるメラトニン分泌抑制効果が同じなのかどうか実験で確かめられていなければ完全には納得できないところです。他にも納得できかねる人がいるのかもしれません。難しい実験ではないはずですので実験結果が出ていると思いますが、私が探した限りでは見つかりませんでした。

LED 照明が登場する前から就寝前は色温度が低い、すなわち暖色系の光を使うとよく眠れるようになることは知られており、問題なのは LED 照明だけではなく従来の照明も明らかなので、納得の有無にかかわらず就寝前は暖色系かつ明るすぎない照明を使うと良いです。


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