ノートパソコンレビュー「HP Pavilion 10-e000 TouchSmart」

最終更新日 2014年12月01日

シンプルな格安モバイルノートパソコン

画面サイズが11インチ型以下となるモバイルノートパソコンは価格が高いモデルばかりです。そのような中、HP(Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード))では、3万円台から買えるモバイルノートパソコン HP Pavilion 10-e000 TouchSmart を販売しています。

今回は、この HP Pavilion 10-e000 TouchSmart を実際に使用してみた個人的な感想等を以下に記載しています。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart の主な仕様
OS Windows 8.1 64ビット
画面サイズ 10.1インチ型(1366×768)
CPU AMD A4-1200 APU
メインメモリー 2GB シングルチャネル
ストレージ HDD 320GB
光学ドライブ なし
グラフィックス AMD Radeon HD 8180 グラフィックス
バッテリー駆動時間 約6時間30分
価格 3万3200円(税抜)(2014年6月9日時点)
※仕様、価格は2014年6月9日時点のものです。

今回使用した HP Pavilion 10-e000 TouchSmart ですが、2014年6月9日時点で販売終了となりました。

2014年6月30日時点では、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart の後継と言える HP Pavilion 10-f000 が販売されています。

HP Pavilion 10-f000 の主な仕様
OS Windows 8.1 64ビット
画面サイズ 10.1インチ型(1366×768)
CPU AMD A4-1200 APU
メインメモリー 2GB シングルチャネル
ストレージ HDD 320GB
光学ドライブ なし
グラフィックス AMD Radeon HD 8180 グラフィックス
バッテリー駆動時間 約4時間
価格 3万3800円(税抜)(2014年6月30日時点)
※仕様、価格は2014年6月30日時点のものです。
※仕様、価格は変更される場合があります。

仕様は似ていますが、主な違いは液晶ディスプレイにあり、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart では光沢液晶でタッチパネルでしたが、HP Pavilion 10-f000 では非光沢液晶に変わり、タッチパネルではありません。

他に外部インターフェース等に違いが見られますが、以降のレビューで両者の違いに関係するところで詳しく見ていきます。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 外観

上面

上面は、プラスチックの質感ですが、安っぽさは感じません。しっとりした滑りくい感触があり、美しい艶があります。中央には HP のロゴ、周囲は細かい水玉模様になっており、これらの上に透明な樹脂が薄く覆われているような感じです。

底面等の他の面は安っぽさを感じるプラスチックの質感ですが、価格を考えれば上面だけでもしっかりとした塗装で仕上げているのは評価できます。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 上面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
上面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart ロゴ
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
ロゴ

正面

正面の手前側は、閉じた状態では中央付近に溝ができており、指を引っかけて開けやすくなっています。

背面

背面のヒンジ部分は、太さがあり丈夫な印象で、机上に設置して液晶ディスプレイを大きく開いても倒れそうな気配は無く、安定感があります。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 正面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
正面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 背面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
背面

左側面

左側面の外部インターフェースには、HDMI 出力端子、USB3.0、メモリーカードスロットがあります。

右側面

右側面の外部インターフェースには、AC アダプタと接続するための DC コネクタ、LAN、USB2.0×2、マイク入力/ヘッドフォン出力共用端子があります。

左側面と合わせてみると、USB が3つ、他に HDMI 出力端子や LAN 等があり、サイズや価格を考慮すると充実した外部インターフェースです。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 左側面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
左側面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 右側面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
右側面

HP Pavilion 10-f000 では、USB2.0 が1つ減り、全ての外部インターフェースが左側面へ移されています。USB2.0 が1つ減ったのは特に気になりません。サイズを考慮すれば2つもあれば十分です。

しかし、外部インターフェースが全て左側面に移行したのは評価が分かれそうです。恐らく、右利きの人がマウスを使用する際に、接続ケーブルが邪魔にならないよう左側面に移行したと思われますが、右利きで各外部インターフェースで頻繁に抜き差しする人は不便に感じそうです。

私は右利きですが、個人的には慣れれば左側面での抜き差しはあまり不便に感じませんし、右側が広く空いていた方が良いので、HP Pavilion 10-f000 で改良されたと思います。少なくとも LAN を右側面から左側面に移行したのは正解で、LAN が右側面にあると特に硬い LAN ケーブルを接続する場合は邪魔に感じます。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart サイズと重量

サイズを幅、奥行き、高さの順に言うと、272mm、193mm、22〜25mm(ゴム足含む最厚部)です。画面サイズが小さいノートパソコンなだけあって実にコンパクトです。

他のノートパソコンと比べると薄さに優れているとは言えませんが、薄型化に不利になってくる有線 LAN が付いており、キーボードのキーストロークが十分深い事を考慮すると、受け入れられる厚さです。

重量は約 1.28kg あり、特別軽い訳ではありませんが、モバイルノートパソコンとして重いという事はなく、持ち運びしやすい重量です。

以下のように約 200 ページの単行本を並べてみましたが、それよりもやや厚いくらいで、バッグに入りやすい薄さです。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 右側面
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
右側面

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 液晶ディスプレイ

価格相応の液晶ディスプレイ

価格帯を絞らずに様々なノートパソコンを見ると、視野角が広い IPS 方式を採用し、高解像度の液晶ディスプレイ搭載モデルが増えてきていますが、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart の液晶ディスプレイは、これらと比べると見劣りします。

視野角が狭いため、TN 方式か VA 方式かと思われますが、少なくとも IPS 方式ではない事は間違いなさそうです。解像度は 1366×768 ですが、表示領域の広さに関しては画面サイズを考慮すれば十分です。これ以上解像度が高くなると、文字等の表示サイズを調節して使う方が見やすくて使いやすくなります。

表示サイズの調整が必要になるほど高解像度でも、画面がくっきりと綺麗に見えるメリットがありますが、格安ノートパソコンにそこまで求めるのは酷ですので、価格を考慮すれば 1366×768 で十分と言えます。

映りこみが気になる光沢液晶

液晶ディスプレイは光沢(グレア)液晶であり、画面が綺麗に見えますが、やはり映りこみが気になります。HP Pavilion 10-f000 では非光沢(ノングレア)液晶になりましたが、これは改良だと思います。

なぜなら、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart のような気軽に持ち運べるモバイルノートパソコンは、周囲が明るい環境でも映りこみを気にせずに使いたいものだからです。

タッチパネルで直感的に操作

液晶ディスプレイはタッチパネルに対応しており、タッチ操作で直感的に操作できて便利ですが、HP Pavilion 10-f000 ではタッチパネル非対応になり、タッチ操作はできなくなりました。

タッチ操作を必須とする方にとっては改悪でしょうが、そうでなければ特に問題はないと思います。タッチ操作もしやすいよう作られたソフトウェアが増えてきましたが、まだまだキーボードやタッチパッド、マウス操作の方がしやすいソフトウェアが主流ですし、タッチ操作すると画面が汚れ、ノートパソコンはタブレット PC やスマートフォンと違って手元でタッチ操作はできず、腕を上げてのタッチ操作となり腕が疲れやすいので、ノートパソコンではタッチ操作ができても良い事ばかりではありません。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart キーボード

キーボードのキーピッチは、約 17mm、キーストロークは約 1.5mm あります。サイズを考慮すれば仕方ありませんが、キーピッチは狭いため、窮屈さを感じます。

ただ、本体があまり薄くなっていないせいか、キーストロークは結構余裕があるため、キーが適度な深さまで沈むため入力しやすいです。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart キーボード1
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
キーボード1
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart キーボード2
HP Pavilion 10-e000 TouchSmart
キーボード2

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart 主要 PC パーツ構成

CPU

CPU は、AMD 社の A4-1200 が搭載されています。A4-1200 は APU と呼ばれており、AMD 社では CPU と GPU が統合した製品を APU と呼んでいますが、ここでは CPU と呼ぶ事にします。

A4-1200 の主な仕様は、コア数2、動作周波数 1.0GHz となります。A4-1200 は性能が低いですが、低消費電力、低発熱に優れており、タブレットや 2-IN-1 ノートパソコン向けの CPU です。

低発熱のおかげで本体には CPU 用の冷却ファンが無く、とても静かです。

メインメモリー

容量 2GB のメインメモリーが搭載されています。小さい容量ですが、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart は容量を大きく使うような使い方に向いたノートパソコンではありませんので、十分な容量です。

ストレージ

ストレージには HDD 320GB が搭載されています。容量は十分ですが、できれば小容量でも SSD の方が良いというのが個人的な意見ですが、SSD だと価格が結構上がると思われますので、安く買える事を考えれば HDD で妥協すべきかと思います。

グラフィックス

搭載されている GPU は、CPU に統合されている AMD Radeon HD 8180 グラフィックスです。PC ゲームを快適にプレイできるほどのグラフィックス性能はありませんが、日常利用やビジネス用途であれば、十分なグラフィックス性能があります。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart バッテリー駆動時間

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart のバッテリー駆動時間は、仕様上では約6時間30分です。どのような測定方法を採用したか仕様を見てみると、以下のような HP 独自の測定方法のようです。上記数値とはバッテリー駆動時間を指します。
上記数値は、弊社環境下で以下のアプリケーションに対して一連のスクリプトを実施しバッテリを使いきった場合の、バッテリ駆動時間の数値です:Adobe AcrobatReader 7.0, Adobe Illustrator CS2, Adobe Photoshop CS2, Apple Quicktime 7.1, Intervideo WinDVD 8, Macromedia Flash 8, Microsoft Office 2003 Pro, Microsoft Project 2003, and Winzip 10.0. (*これらのアプリケーションは、工場出荷時に製品本体に含まれているわけではございません)。 また、バッテリを完全に充電した状態で、輝度設定60nit、バッテリ駆動時の自動輝度調整機能オフ設定、ワイヤレスLANオフ設定、スリープモードおよび休止状態モードをオフ設定、およびコンピューター動作とバッテリ駆動時間テストに必要のないその他の全てのプログラム、ユーティリティ、サービスをオフにした設定の環境下での数値となります。
実用上のバッテリー駆動時間に近くなるよう工夫しているようですが、動画配信サイト YouTube にて動画コンテンツの視聴を行ってバッテリー駆動時間を測定してみると、約3時間25分となりました。価格を考えれば十分長い時間です。

ただ気になるのは、仕様上の約6時間30分と比べると約53%であり、実用上に近いとは言えません。日本国内メーカーでよく採用されている JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)でも実用上のバッテリー駆動時間は仕様上の約半分が目安になるので、HP 独自の測定方法だけが、かけ離れた結果になる訳ではありませんが、メーカー独自の測定方法だと他メーカーの仕様上のバッテリー駆動時間と比較しにくいので、他メーカーでも使われている共通の測定方法を採用して欲しいところです。

一方 HP Pavilion 10-f000 では、バッテリー駆動時間を測定できるベンチマークソフトウェア MobileMark 2012 を採用しており、仕様上は約4時間となっています。仮に HP Pavilion 10-f000 でも同様に YouTube の視聴で約3時間25分バッテリー動作したとすると、仕様上の85%となります。

MobileMark 2012 は海外メーカーでよく採用されており、実用上のバッテリー駆動時間は仕様上の約6〜7割が目安ですが、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart のような低消費電力ノートパソコンやタブレット PC では約8割前後になりますので、HP Pavilion 10-f000 の実用上のバッテリー駆動時間は、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart と同程度になると思われます。

HP Pavilion 10-f000 の仕様上のバッテリー駆動時間は約4時間と一見短いですが、MobileMark 2012 による測定で実用上に近いバッテリー駆動時間が出るためであり、特に JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)を採用している日本国内メーカーのモデルと比較する際は、注意しておきたいです。

補足ですが、日本国内メーカーで2014年4月以降に発売されたモデルから JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 2.0)によるバッテリー駆動時間も仕様に記載されるようになり、実用上のバッテリー駆動時間の目安は約6〜7割で、MobileMark 2012 と同じくらいですが、JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)によるバッテリー駆動時間の併記も続いており、モデル紹介内容等の目立つところには JEITA バッテリ動作時間測定法(Ver. 1.0)の方を記載しているところもありますので、バージョンに注意してバッテリー駆動時間を確認する必要があります。

総評

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart は格安価格のため、性能等が犠牲になっている面が見られますが、高い性能等を求めず安価なモバイルノートパソコンが欲しい方に、ぜひおすすめしたいモデルです。

例えば、プロジェクターと接続してスクリーンに映し、発表を行うためにモバイルノートパソコンが欲しいが、インターネットやメール、オフィスソフトウェアがそこそこ快適に使える性能があれば良いのであれば、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart は最適な選択肢の一つです。

他に、インターネットやメール等、普段スマートフォンやタブレット端末で行っている作業をノートパソコンで行いたい場合も、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart はおすすめです。

このような用途では、以前だと一時的に流行って今では廃れてしまったネットブック(格安ミニノートパソコン)が最適でしたが、HP Pavilion 10-e000 TouchSmart は正に現代のネットブックです。

当時のネットブックを知る方の中には、価格は安いけど性能に大きな不満を抱いた方もいるかと思いますが、あの時と比べたら技術進歩によって遥かに性能が向上しています。

パソコンの性能は全体で底上げされているため、高性能モバイルノートパソコンと比べたら劣りますが、3万円台から買える安さを考慮すれば、十分満足できる性能です。

HP Pavilion 10-e000 TouchSmart の後継 HP Pavilion 10-f000 販売店

今回レビューに使用した HP Pavilion 10-e000 TouchSmart は販売終了となりましたが、その後継にあたる HP Pavilion 10-f000 は、HP の直販ショップ HP Directplus で購入できます。

仕様はほとんど一緒であり、最大の違いは液晶ディスプレイが光沢液晶タッチパネルから、非光沢液晶非タッチパネルになった点です。特にタッチパネル対応ノートパソコンが欲しい方は、HP Pavilion 10-f000 を選ばないよう注意が必要です。
ヒューレット・パッカード icon
HP は、Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)の略で、米国にある海外パソコンメーカーです。海外パソコンメーカーと聞くと、人件費が安い海外で生産されて日本国内に送られてくるというイメージを持つ方がいると思いますが、HP では日本国内生産に強いこだわりを見せており、日本国内パソコンメーカーらしい特長があります。

全ての製品が日本国内生産ではなく、海外生産の製品もありますが、日本国内生産の製品は増え続け、日本国内生産だと人件費等のコストが上がり、価格が高くなってしまうのではと懸念されましたが、日本国内生産というメリットを活かした徹底的なコスト削減により、非常に高い価格競争力を維持しています。


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