ディスプレイの解像度

最終更新日 2023年09月07日

ディスプレイの解像度とは

ディスプレイの画面にはドット(画素)と呼ぶ小さな点が集まっており、それぞれの点が色を表示し画面に映像表示します。解像度とは、縦横のドット数です。例えば、解像度が1,920×1,080の場合、横のドット数は1,920個、縦のドット数は1,080個です。

ディスプレイの解像度とドットピッチ

精細

ディスプレイの解像度は、画面に表示される映像の細かさ、滑らかさの目安になり、解像度が高いほど高精細で綺麗に表示できますが、パネルサイズによっても左右されますので、精細さは解像度ではなくドットピッチに注目します。パネルサイズの割りに解像度が高いとドットピッチが小さくなり、ドットピッチが小さいほど高精細です。動画、画像、文字等を緻密でなめらかに表示でき、表示サイズを小さくしても複雑な文字がつぶれずにくっきりと表示でき見やすいです。パネルサイズの割りに解像度が低いとドットピッチが大きくなり、ドットピッチが大きいほど表示が粗くドットが目立つようになります。解像度とパネルサイズがわかるとドットピッチを計算できますが、ディスプレイの仕様等に記載されている場合があります。

人間の目の限界点

人間の目には、それ以上小さくなっても小さくなったとわからない限界点があります。ドットでも同様なので、それ以上ドットピッチが小さくなっても高精細で綺麗になったと感じない限界点があります。限界点まで行かなくても、ドットの粗さを感じない程度のドットピッチがあれば十分高精細で綺麗に見えます。

文字等の表示サイズ

解像度は、画面表示の文字、アイコン、ボタン等の表示サイズの目安になりますが、パネルサイズによっても左右されます。文字等の表示サイズを考慮する場合、解像度ではなくドットピッチに注目します。ドットピッチが小さいほど文字等の表示サイズが小さくなります。文字を表示する場合、ドットピッチが小さいほど文字の密度が高まります。画面全体に表示できる文字数が4倍になると、表示サイズが1/4になります。

昔と違って今ではOSやソフトウェアは文字等の表示サイズを調整できますが、表示サイズを大きくすると実質ドットピッチが大きくなり、画面内に表示できる情報量が多くなるというメリットがなくなります。調整できないOSやソフトウェアを利用し、かつ文字等の表示サイズが大きめがよい場合、ドットピッチが大きいとよいです。

ディスプレイの解像度と画面の広さ

ディスプレイの解像度が高いほど、一度に画面表示できる範囲が広くなり、画面を広く利用できます。複数のソフトウェア画面を並べて表示したり、ワードやエクセル等の縦や横に長い資料を表示したりして作業したい場合、解像度が高いと便利です。

大雑把なイメージですが、1文字の幅が10ドットの場合、幅が800ドットだと80文字表示でき、幅が1,600ドットだと160文字表示できます。1つのサムネイル画像の表示に100×100ドットを利用する場合、解像度が1,000×1,000ドットなら横に10枚、縦に10枚表示できます。解像度が2,000×2,000ドットなら横に20枚、縦に20枚表示できます。このように解像度が高いと一度に表示できる情報量が多くなるため、例えばエクセルファイルで横に長い表を表示したい場合、1画面に表示できる情報量を増やせます。

複数のソフトウェアの画面を並べても見やすくなり、例えば幅800ドット使って表示すると見やすいウェブサイト画面を、解像度の幅が1,600ドットあると、残った幅800ドットに別のソフトウェア画面を表示できます。別のウェブサイト画面を表示させて見比べたり、文書編集ファイル画面を表示させて隣のウェブサイト画面を見ながら文書を編集したりでき、一度に複数の画面を見ることで作業効率が大幅にアップします。

解像度が高くてもパネルサイズが小さいとドットピッチが小さくなりますので、文字、アイコン、ボタン等の表示サイズが小さくなり見づらくなることに注意が必要です。文字等の表示サイズを大きくすればよいですが、一度に画面表示できる範囲が狭くなります。

ディスプレイの解像度の種類

種類の一覧

ディスプレイの解像度には様々な種類があり、名称で呼ぶことが多いです。以下の表は、主な解像度の種類です。

名称 解像度
WXGA 1280×800
HD(FWXGA) 1366×768
WXGA+ 1440×900
SXGA 1280×1024
WXGA++ 1600×900
SXGA+ 1400×1050
WSXGA+ 1680×1050
UXGA 1600×1200
FHD 1920×1080
WUXGA 1920×1200
QXGA 2048×1536
WQHD 2560×1440
WQXGA 2560×1600
3K 2880×1620
QSXGA 2560×2048
QHD+ 3200×1800
QUXGA 3200×2400
4K(QFHD) 3840×2160

SVGA

SVGAは800×600を示す場合が多いです。SVGAがビデオ規格という意味であれば、800×600を示しません。

特定の画面解像度を示すためにSVGAを使用するなら800×600です。ビデオ規格としてのSVGAが登場した当初、主な画面解像度が800×600であったためです。800×600であってもビデオ規格がSVGAとは限りません。

ビデオ規格を示すためにSVGAを使用するなら、SVGAは特定の画面解像度を示しません。例えば、ビデオ規格がSVGA、画面解像度が1024×768等を仕様に記載します。ビデオ規格がSVGAでも800×600を含むとは限りません。

1080i、1080p

1920×1080は1080iや1080pと表記される場合があります。前者はインターレース、後者はプログレッシブです。画面に1080本分の横線を描画します。インターレースでは1画面目に奇数行を描画、次の画面で偶数行を描画、さらに次の画面で奇数行の描画・・・と繰り返し描画します。プログレッシブでは各画面で全ての線を描画します。

インターレースでは1画面で本来の半分を描画するので、全てを描画するプログレッシブの方が画質に優れています。インターレースではプログレッシブと比べると描画データ量が半分で済み、描画データ転送量、描画処理の負荷、ストレージの使用量、以上を抑えられるメリットがあります。アナログテレビの開発当時ではプログレッシブの実現が技術的に難しく、インターレースが実現されました。プログレッシブ実現後もインターレースにメリットがあるので利用され続けています。

テレビ放送の解像度

以下は、テレビ放送の解像度等を規定する規格です。

SDTV(Standard Definition Television)

720×480を指す場合が多いです。この解像度を指すとは限りません。

HDTV(High Definition Television)

1920×1080を指す場合が多いです。この解像度を指すとは限りません。

UHDTV(Ultra High Definition Television)

3840×2160か7680×4320を指します。前者を4K UHDTV、後者を8K UHDTVと表記する場合があります。

ディスプレイの解像度の種類とパネルサイズ

同じパネルサイズでも解像度が違う場合がありますが、ほとんど同じ傾向が見られます。

パネルサイズの割りに解像度が高すぎたり低すぎたりすると、ドットピッチが小さすぎたり大きすぎたりしますが、ドットピッチが極端に小さい、または極端に大きいのはよくありませんので、解像度の高さはパネルサイズの大きさに比例している傾向があります。

OSやソフトウェアはドットピッチが0.265mm(96dpi)くらいのディスプレイを使用することを想定して文字等の表示サイズが決められてきた歴史があり、そのドットピッチから大きくずれると、文字等の表示サイズが小さすぎたり大きすぎたりして見づらくなります。

今のOSは使用するディスプレイのドットピッチに合わせて文字等の表示サイズを調整でき、同様に調整できるソフトウェアが増えてきていますので、ドットピッチが小さくなっていく、すなわちパネルサイズに関係なく最大解像度が高くなっていく傾向が見られます。

まだ文字等の表示サイズを調整できないOSやソフトウェアを利用するユーザーがいるでしょうから、解像度の高さがパネルサイズの大きさに比例している傾向が当分続くと思われます。

ディスプレイの縦の解像度

横の解像度が高くなっても縦の解像度が低くなると、画面が狭くなったと感じやすいです。

ユーザーによって感じ方が違いますが、横の解像度よりも縦の解像度が狭くなる方が、画面が狭くなったと感じやすいです。

もしディスプレイを買い替えるときは、買い替え前の縦の解像度に注意が必要です。

特にスクエア画面タイプからワイド画面タイプに買い替えるときは、縦の解像度に注意が必要です。

パネルサイズがある程度大きくなるように選ばないと、縦の解像度が低くなる可能性が高いです。

例えば、スクエア画面タイプの17インチ型のディスプレイの解像度はSXGA(1,280×1,024)が多く、ワイド画面タイプの19インチ型は解像度がWXGA+(1,440×900)が多いですが、縦の解像度が124低くなるだけでも画面が狭くなったと結構感じます。

21インチ型を超えてくれば解像度がFHD(1,920×1,080)等があります。

アスペクト比

アスペクト比とは

アスペクト比とは、横の解像度と縦の解像度との比です。アスペクト比は解像度からわかり、例えば解像度がFHD(1,920×1,080)ならアスペクト比は16:9です。解像度がWUXGA(1,920×1,200)ならアスペクト比は16:10です。

16:10から16:9が主流になった理由

今では16:9が主流であり、昔は16:10が主流でした。16:9の方がパネルの生産効率がよく、16:9のパネルは液晶テレビ等で普及しており、16:9で共通化するとパネルを相互に融通できますので、16:9が主流になりました。16:10のディスプレイがなくなったわけではありませんが、ラインナップが少なく価格はやや割高です。

PS3用ディスプレイにアスペクト比固定拡大表示機能が必要

PS3が出力する映像のアスペクト比は16:9です。ディスプレイの中にはアスペクト比が16:9の製品があり、これであればアスペクト比固定拡大表示機能がなくても問題ありません。アスペクト比が16:10の製品かつアスペクト比固定拡大表示機能がないと、16:9であるPS3出力映像が縦に引き伸ばされます。縦に引き伸ばされるのは少しだけなのであまり変わりませんが、違和感が出るのでアスペクト比固定拡大表示機能が必要です。

インターフェース

ディスプレイが解像度4K、リフレッシュレート60Hzに対応するには、インターフェースにHDMI 2.0以降かDisplayPort 1.2以降が必要です。

4K、60Hz対応ディスプレイに複数のHDMI端子がある場合、全てがHDMI 2.0以降に対応とは限りません。

性能

CPU、GPU

解像度が高いほど、CPUやGPU(ビデオチップ)が処理するデータ量が増え、負荷が大きくなります。同じ性能であれば解像度が高いほど処理にかかる時間が長くなり快適性が落ちます。特にゲームで注意が必要であり、解像度を高くし快適にプレイするには、CPUとGPUに高い性能が必要です。

バッテリー

解像度が高くCPUやGPUにかかる負荷が大きいと、消費電力が大きいです。バッテリー動作で使用する場合バッテリー駆動時間が短くなります。

超解像

超解像とは

超解像とは、解像度を向上させて高解像度にし高精細な画像に変換する技術です。基本的に1枚の画像から解像度を向上させますが、複数枚の画像からの場合もあります。大量の画像を連続して表示する動画でも利用可能な技術であり、超解像により動画の解像度が上がります。

カメラで撮影した画像は解像度が有限です。画像を変換する処理により、解像度が低下している場合があります。超解像により解像度を向上できます。単に解像度を上げるだけでは、まるでドット絵が拡大したように粗く見えてきますが、超解像では粗さが目立たないように向上させます。

ハイビジョン放送でも超解像

ハイビジョン放送なら解像度が1,920×1,080、ディスプレイの解像度も1,920×1,080なら、超解像を利用するメリットがなさそうです。しかし、ハイビジョン放送でも1,920×1,080に満たない場合があるのでメリットがあります。

動画コンテンツ向け

原則的には超解像は動画コンテンツ向けです。一般的なパソコン用途でも利用できますが、文字、アイコン、ボタン等に効果がないどころか逆効果になって見づらくなる場合があります。ディスプレイによっては超解像の効果を調節できる場合があります。調節によっては見やすくなる場合があります。

解像度と用途

ゲーミング

ゲームでは解像度が高いほどグラフィックスがきれいで表示情報を確認しやすいです。ドット感が解消され高精細な画質になります。WQHD(2,560×1,440)や4K(QFHD)(3,840×2,160)等の高解像度に対応するゲームに使用する場合、高解像度に対応するディスプレイがよいです。

解像度が高いほど必要な描画性能が高くなりフレームレートの低下が問題になります。フレームレートが高いのが望ましいFPS(First Person Shooter)、格闘等のゲームでは、例えばゲームとディスプレイが4K(QFHD)(3,840×2,160)対応でもFHD(1,920×1,080)に設定がよい場合があるほどです。フレームレート低下の問題が起きなければ解像度を落とさなくてもよいです。


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