消費電力 - ビデオカードの選び方

最終更新日 2016年08月28日

消費電力の選び方

ビデオカードは、電力を消費して動作します。性能が高いほど消費電力が高いです。ここで記載する消費電力は、最大消費電力を意味するとします。

性能の高さよりは省エネにして電気代を抑える事を優先したいのであれば、消費電力が低いビデオカードを選ぶ方が良いですが、発生する電気代に大した差は出ませんし、電気代を気にするくらいなら、どうしてもビデオカードが必要な場合を除き、CPU 統合ビデオチップを利用するようにした方が良いです。

省エネに関して気にしなければ、消費電力も気にしなくて良いかというと、そうではありません。ビデオカードには、電源ユニットが電力を供給しますが、ビデオカードと他の PC パーツの消費電力が、電源ユニットの供給可能な最大電力を超えてしまわないようにする必要があります。

必要に応じて電源ユニットを交換するなら話は別ですが、ビデオカード搭載予定のパソコンの電源ユニットを確認し、消費電力が大きすぎて問題にならないようにビデオカードを選ぶ必要があります。

消費電力の確認方法

ビデオカードが消費する電力は、ほぼビデオチップが消費する電力ですので、ビデオチップの消費電力がビデオカードの消費電力と判断します。

ビデオチップのメーカーには、nVIDIA 社と AMD 社があります。nVIDIA 社ではウェブサイトにて消費電力を公開していますので、該当するビデオチップの仕様を見て、消費電力を確認します。

一方、AMD 社ではウェブサイトにて公開していませんが、製品発表会等で消費電力を公開しており、その情報を様々なウェブサイトが掲載していますので、検索エンジンでビデオチップの製品名と消費電力をキーワードにして検索すれば、消費電力を確認できます。

ただし、極一部のビデオチップでは、消費電力が全く公開されていませんので、その場合は、同等の性能を持つビデオチップの消費電力を参考にして推測ます。

nVIDIA 社が公開する最小限必要な電力とは

nVIDIA 社のウェブサイトでは、消費電力だけでなく最小限必要な電力も公開しています。例えば、GeForce GTX 780 の仕様を見ると、消費電力が 250W、最小限必要な電力 600W と記載されています。つまり、GeForce GTX 780 を使用するには、電源容量 600W が必要としています。

どのように最小限必要な電力を決めているかは不明ですが、ビデオチップの消費電力を見れば、ギリギリではなく余裕を持たせてありますので、他の PC パーツの消費電力や電源ユニットの劣化による電源容量低下等を考慮して決めていると思われます。

電源容量を考慮した消費電力の選び方

消費電力の見積もり方

選んだビデオカード、すなわちビデオチップの消費電力で問題ないか判断するためには、まずは選んだビデオカードを搭載した場合のパソコン全体の消費電力を、大まかで良いので見積もる必要があります。

以下は、消費電力の見積もり方です。

CPU TDP の1.5倍
ハイスペック CPU の中で上位の性能を持つ CPU は、TDP の2倍
メインメモリー 5W×搭載数
マザーボード 50W
ストレージ 25W×搭載数(HDD)
15W×搭載数(SSD)
光学ドライブ 25W×搭載数
ビデオカード 仕様に記載されている、もしくは公称されている最大消費電力×搭載数

単体で消費電力が大きいのは CPU とビデオカードくらいのため、標準的な搭載数(メインメモリー数 2〜4、マザーボード数 1、ストレージ数 1〜2、光学ドライブ数 1)であれば、他の PC パーツの消費電力は、まとめて 100W と見積もっても問題ありません。

見積もったパソコン全体の消費電力が電源容量を超えなければ良いのではありません。詳細は、電源容量の目安の計算方法にて記載していますが、消費電力が電源容量の 70% 程度になるよう選ぶのが最適な選択肢の一つですので、70% を超えるようなら、ビデオカードを選びなおすか、電源ユニットの交換を考える必要があります。

70% を下回っても問題ありませんが、消費電力に対して電源容量が大きすぎると、負荷率が下がり変換効率が低下します。たいていの電源ユニットは、負荷率が半分付近で変換効率が最も高くなり、その結果として無駄に発生する消費電力と発熱量を抑えられます。

消費電力に対して電源容量がギリギリよりは良いですが、消費電力が電源容量の 50% 以下になるようであれば、ビデオカードを選びなおすか、電源ユニットの交換を検討した方が良いです。ただし、電源容量が足りなくなるといった深刻な問題ではありませんので、無理に検討する必要はありません。

以下は、TDP が 100W の CPU と、各PC パーツ(メインメモリー数 2〜4、マザーボード数 1、ストレージ数 1〜2、光学ドライブ数 1)が標準的な数搭載されているパソコンに、各消費電力のビデオカード1枚を搭載した場合の電力容量の目安です。

CPU の消費電力は 150W(100W×1.5)、各 PC パーツの消費電力をまとめて 100W とし、消費電力が電源容量の 70% 程度になるとしています。

ビデオカードの
消費電力
パソコン全体の
消費電力
電源容量の目安
50W 300W 400W〜450W
100W 350W 500W〜550W
150W 400W 550W〜600W
200W 450W 600W〜650W
250W 500W 700W〜750W
300W 550W 750W〜800W
350W 600W 850W〜900W
400W 650W 900W〜950W
450W 700W 1000W〜1050W
500W 750W 1050W〜1100W

選んだビデオカードの消費電力が適切かの判断例

以下のようなパソコンに、ビデオチップ nVIDIA GeForce GTX 780Ti(250W)のビデオカードを1枚選んで搭載した場合を考えてみます。

CPU インテル社 Core i7-4930K(TDP 130W)
メインメモリー 搭載数2
マザーボード 搭載数1
ストレージ SSD 搭載数1、HDD 搭載数1
光学ドライブ 搭載数1
ビデオカード 搭載数1
nVIDIA GeForce GTX 780Ti(250W)
パソコン全体の最大消費電力
(130W×1.5)+5W×2+50W+15W×1+25W×1+25W×1+250W×1=570W
最適な電源容量
570÷0.7≒814W
電源容量 800W であれば最適に近く、最適な電源容量より約 50W 小さいですが、電源容量 750W でも消費電力は電源容量の 76% になりますので、悪くはありません。

仮に電源容量が 600W でも、ギリギリに近いですが、消費電力は余裕を持って見積もっており、各 PC パーツは負荷に応じて消費電力が変わり、全ての PC パーツに高負荷がかかり、見積もった消費電力で動作する事はまずありませんので、正常に動作する可能性が高いですが、推奨はできません。

+12V 系統の最大出力電力を考慮した消費電力の選び方

電源ユニットは、複数の系統に分かれており、各系統ごとに最大出力電力が決まっています。ビデオカード等の主要 PC パーツに対し、+12V の系統が電力を供給しており、正確には +12V 系統の供給可能な最大電力を、消費電力が超えないようにする必要があります。

基本的に、消費電力が電源容量の 70% 程度になるようなら、+12V 系統で容量不足になる可能性は低いですが、+12V 系統が複数に分かれている場合は、+12V 系統で容量不足になる可能性が高くなります。

+12V 系統が複数の系統に分かれている場合は、マルチレーンと呼びます。+12V 系統が1つの場合は、シングルレーンと呼びます。

電源容量が大きい電源ユニットは、消費電力が大きいビデオカードを搭載しても、+12V 系統で容量不足にならないようシングルレーンが多いですが、+12V が複数の系統に分かれているマルチレーンの電源ユニットもありますので、マルチレーンの電源ユニット搭載パソコンにて使用するビデオカードを選ぶ際は、+12V 系統で容量不足にならないか確認が必要です。

例えば、各系統の出力に関して、以下のような仕様の電源ユニットがあるとします。

  +3.3V +5V +12V1 +12V2 -12V -5V +5VSB
最大出力電流 25A 25A 25A 25A 1A 1A 2.5A
最大出力電力 140W 576W 12W 5W 12.5W
総出力 650W

マルチレーンの場合は、各 +12V 系統の最大出力電流、すなわち最大出力電力が分割され小さくなります。上記の仕様では、各 +12V 系統の最大出力電流は 25A、最大出力電力は 300W(12V×25A)です。

複数の系統を合わせた最大出力電力を、コンバイン出力と呼びますが、+12V1 と +12V2 を合わせたコンバイン出力は 576W であり、600W(300W×2)になってませんが、コンバイン出力は各系統の最大出力電力を足し合わせた値よりも小さいのが一般的です。

これは、1つの系統に多少消費電力が偏っても、できるだけ容量不足にならないようにしているためです。総出力、すなわち電源容量もコンバイン出力であり、たいていの電源ユニットは、各系統の最大出力電力を合わせた値は電源容量より大きいです。

上記の仕様だと、+12V 系統の最大出力電力は 576W ですので、パソコン全体の消費電力が 576W を超えなければ問題ありません。実際は、他の系統から出力される電力も消費しますが、パソコンで消費する電力は、ほぼ +12V 系統から出力される電力ですので、実質 +12V 系統の最大出力電力を、消費電力が超えないようにする必要があります。

さらに、+12V の1系統の最大出力電力は 300W ですので、少なくとも1つの PC パーツの消費電力が 300W を超えないようにする必要があります。つまり、消費電力が 300W を超えるビデオカードだと、確実に容量不足になってしまいます。

少なくともと書いたのは、+12V 系統が複数に分かれている場合、1つの +12V 系統はビデオカード専用とは限らないからです。1つの +12V 系統がビデオカード専用でなくても、他の +12V 系統をビデオカード以外の PC パーツにまわせれば、ビデオカード専用にできますが、例えば1つの +12V 系統にマザーボードとビデオカードが割り当てられていたら、ビデオカード専用にできません。そのため、他の PC パーツも考慮して、+12V の1系統で容量不足にならないか確認する必要があります。

確認のためには、電源ユニットの各コネクタは、どの +12V 系統なのか割り振りが分かれば良いのですが、仕様や説明書にも記載されていない場合があります。電源ユニットのメーカーに問い合わせる手がありますが、その手でも無理そうなら、実際に接続して使ってみないと容量不足になるかは分かりません。

もし、各 +12V 系統は、どのコネクタへ割り振りされているのか分からず、単一の +12V 系統の最大出力電力に近い消費電力のビデオカードを選んで使う場合は、容量不足になるリスクが高い事を認識しておく必要があります。


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