RAID 5で重要なデータを守るのは危険で安心できない?

最終更新日 2023年09月07日

RAID 5 で重要なデータを守るのは危険で安心できないのか

ASCII.jp:安くなったRAID 6でTB級のデータを安全に保護する技 (1/3)|柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2010年11月16日)
 とはいえ、実のところRAID 5はさして安全とは言い難いのだ。まずRAID 5を構成するHDDのうち1台が故障すると、冗長性がまったくない状態になる。パリティがあるので、1台が故障した状態でもデータの読み書きは行なえる。故障に気づかなかったり、手元に交換用の新しいHDDがなかったりした場合、そのまま続けて利用したりすることもある。だが、これは危険きわまりない状況だ。

 RAID 5で故障したHDDを新しいHDDに交換すると、データの再構築が始まる。しかし、再構築が終わる前に障害が起きると、全データを失うことになるためだ。しかも、再構築にかかる時間は非常に長い。1台500GBのHDDなら、再構築処理に軽く1晩はかかってしまう。しかもその間は、すべてのHDDがフル稼働するという高負荷状態が続くのだ。この再構築中に、もう1台のHDDが故障する可能性は意外と高い。

 故障と書いたが、1セクターでも壊れてリードエラーが起きるだけで、再構築ができなくなる。長期間使い込んだNASや大容量のHDDを利用しているなら、この危険性は無視できない。
「冗長性がまったくない状態」とは、RAID を構成しているストレージの中で1台が故障してしまうとデータを守れない状態のことです。RAID 5 だとストレージ1台が故障すると冗長性がなくなるので安全とは言い難いようです。

ストレージ1台が故障したら即交換してデータを再構築するとしても、その再構築にかかる時間は長く、再構築中はストレージに高い負荷がかかるようです。

新品のストレージを複数台用意して RAID 構築し使い続けていると、複数台のストレージが近いタイミングで同時故障してしまう可能性は無視できないほど小さくはありません。

同記事では RAID 6 をおすすめしていますが、重要なデータを守るなら RAID 5 ではなく RAID 6 を選ぶ方が良いようです。

複雑化するストレージ装置の故障、復旧サービスならRAID障害も救済可能に:復旧率95.1%を支える技術に迫る【前編】 - @IT には、日本データテクノロジーのデータ復旧事業部技術開発プロジェクトで責任者を務める西原世栄氏による話が掲載されています。(この記事の公開年月日は2013年7月25日)

RAID 5 について、西原世栄氏は以下のとおり述べています。
 さらにRAID特有の症状として、RAID5構成を採った場合は、どれか1台のHDDが壊れてもその時点では気づかず、2台目が壊れて初めて故障したことに気づくという例があります。RAID5構成を採ると、どれか1台のHDDが壊れただけならばそれまでと変わらずにデータを読み書きできるので、故障に気づかないユーザーが案外多いようです。

 また、RAID構成を採る場合は、通常同じロットのHDDが使われます。そのためどれか1台が故障したときは、ほかのHDDも故障しやすい状態になっている恐れがあります。そのようなときに、RAIDの再構築処理を実施してHDDに高い負荷をかけてしまうと、1台目の故障の復旧が完了する前に2台目が壊れて、復旧不能に陥ってしまいます。RAID5の再構築処理の際には、全ての領域のデータを読み出す必要があるので、各HDDには長い時間、高い負荷がかかります。
RAID 5 では RAID 構成に使われているストレージの1台が故障してもデータの読み書きを行い続けられる便利さがありますが、その便利さが仇となってしまうかのようにストレージの故障に気づかず、さらにもう1台のストレージが故障してしまいデータ復旧できなくなってしまうことがあるようです。

すぐにストレージの故障に気づきストレージを交換できたとしても、RAID の再構築中に他のストレージが故障してしまう可能性があり、データ復旧できなくなってしまうことがあるようです。

RAID 5 で RAID 構築したとしても、データを保全できると安心するのは良くないようです。


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