卒業文集を報道で公表する行為は著作権法違反?

最終更新日 2018年10月19日

マスコミ等が事件の被害者や加害者の卒業文集を報道で公表する行為は著作権法に違反するのか

マスコミ等は、事件の被害者や加害者の卒業文集を報道で公表することがあります。卒業文集は著作物であると考えられます。

報道の中には著作権者である被害者(加害者)から許諾を得てから公表している場合もあるのかもしれませんが、多くの場合は許諾を得ていないと思います。

少なくとも被害者の卒業文集に関しては、無断で公表することに対し疑問に思っている人は多いと思います。加害者の卒業文集と言えでも、無断で公表するのはどうかと思います。

ここでは倫理的な問題ではなく、著作権に関して問題はないのか考えてみます。

マスコミ等が犯罪者の卒業文集をテレビ等で公開する行為について - 弁護士ドットコム によると、第四十一条により報道の目的上正当な範囲であれば著作権の侵害にはならないと書かれています。

著作権法 | 国内法令 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC にて第四十一条を見てみます。
写真、映画、放送その他の方法によつて時事の事件を報道する場合には、当該事件を構成し、又は当該事件の過程において見られ、若しくは聞かれる著作物は、報道の目的上正当な範囲内において、複製し、及び当該事件の報道に伴つて利用することができる。
被害者(加害者)の卒業文集を公表しても著作権の侵害にはならない根拠にはなりそうですが、個人的には判例がないと報道の目的上正当な範囲内とは言い切れません。

卒業文集の内容が事件の動機等に関わってくるなら報道での利用が認められそうです。人物像を探るため等、事件とは関係あるとは思えないのに卒業文集が公表されることがありますが、このような場合は報道での利用は認められないと思います。

他にプライバシーの侵害に該当する可能性は高いと回答している弁護士もいます。プライバシー権の根拠は、日本国憲法の第13条です。 憲法条文・重要文書 | 日本国憲法の誕生 にて第13条を見てみます。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
著作権法第四十一条よりも曖昧であり、プライバシーの権利に関しても判例がないとプライバシーの侵害だと言い切れません。

事件の被害者や加害者の卒業文集を報道で公表することはプライバシー権または著作権の侵害になるのか、私が調べた限りでは判例はないようです。(2018年5月26日時点)


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