なぜ電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍が良い?

最終更新日 2023年09月07日

電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍が良い理由とは何か

どれくらいの容量の電源を購入したらいいのかわかりません。|オウルテック には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は不明)
構成パーツの最大消費電力の合計が電源の50%〜60%くらいにくる容量をお勧めします。
電源ユニットの容量は消費電力の1.7〜2倍をおすすめしています。なぜ1.7〜2倍という数値なのか明確な理由は書かれておらず、消費電力に対し電源ユニットの容量に余裕がないと、部品の寿命低下、発熱、騒音の増加を招く可能性があると書かれています。

あなたの足元大丈夫? BTOパソコンでも忘れちゃいけない、高性能電源で安定稼働!! (4) ベンチマークで一目瞭然! 電源ユニットの品質がPCの安定度を左右する | マイナビニュース には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2012年4月20日)
一般的にはその他のHDDや拡張カードなどが消費する電力をすべてプラスして、それに対して1.5〜2倍の容量を持つ電源ユニットを選ぶとよいといわれている。これは、電源ユニットの「○○○W」という表記が、あくまでもピーク時に供給できる最大ワット数を表記することが多いことに起因している。さらにいうと、電源ユニットが供給する3.3V、5V、12Vなどの各アウトプットごとに出力できる電力の限界値があるため、それぞれを把握しておくことが必要になるが、ある程度余裕をみておけば安心できるという理由もある。
電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍が良いと書かれています。なぜ1.5〜2倍という数値なのか明確な理由は書かれていませんが、電源ユニットの容量はあくまでもピーク時に供給できる最大ワット数であること、ある程度余裕をみておけば安心できることを理由にあげています。

ASCII.jp:今狙い目の電源ユニット6製品はコレだ! (1/4)|春の電源祭り! マシン構成に最適な電源ユニットを探す には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2014年4月1日)
 組み上げるPCに必要な出力がわかれば、あとは簡単。80PLUS認証製品が最も効率よく変換するのは、電源負荷50%時になることを踏まえて、算出したPCの総消費電力の1.5倍から2倍程度の出力を備えている製品を選ぼう。
電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍を選ぶと良いと書かれており、なぜ1.5〜2倍という数値なのかは、電源負荷50%時に最も効率よく変換することを理由にあげています。

それなら2倍で良いと思われますが、ここで書かれている消費電力は最大消費電力であり、実際に使う時の消費電力は最大消費電力よりも低いので1.5〜2倍にしたと思われます。

Seasonic的「電源の選び方とハイエンド電源最新事情」 - AKIBA PC Hotline! には、「電源容量を選ぶ基準は、「そのPCのフルロード時の消費電力の倍」と言われていますが、そういう理解で良いのでしょうか?」という質問に対し、オウルテックの江口晶氏の回答が以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2014年12月26日)
[江口氏]電源には熱と音という二つの選び方があると思います。

 まず「熱」。これは、コンデンサ寿命に影響します。電子回路では、変換ロスが熱となって放出されますので、電源ではより効率なものほど熱を抑えることができます。その中でも、80PLUSの指標を見てもお分かりのとおり、負荷率が50%の際がもっとも効率がよく、もっとも消費電力の大きな高負荷時が、ちょうどこの付近の負荷率になることが望ましいと言えます。

 同時に、「音」についても負荷率が50%を境にファンが高回転になりますので、静かな電源を求める際にも負荷率50%がフルロードになることが望ましいと言えます。
負荷率が50%の際が最も効率が良く、熱とファン回転数の増加による音の大きさを抑えられるので、電源ユニットの容量は消費電力の2倍が望ましいと書かれています。

電源の出力表の見方や消費電力を知る方法など、“電源のギモン” 3点を解決 - AKIBA PC Hotline! には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2016年11月23日)
 電源の出力は、システム全体の消費電力の2倍を選ぶというのがセオリーです。実際にはかなり余裕のある値ですが、負荷率が50%のときに変換効率がもっともよいことや、将来のアップグレードを見越して、余裕を見るのがベターとされています。
電源ユニットの容量は消費電力の2倍がセオリーですが、負荷率が50%時に最も変換効率が高いこと、将来において PC パーツの交換や増設により消費電力の増加を見越して余裕を見ておくことを理由にあげています。

ASCII.jp:理想の容量や80 PLUSは?本当はもっと吟味すべき電源ユニット選び (1/5) には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2019年4月19日)
――読者からの質問で多いんですが、PCの電源ユニットの定格容量は何を基準に選んだらいいのでしょう?

鈴木氏:まず電力変換効率から考えると、だいたい使用電力(負荷)が定格容量の50%ぐらいになるところがピークになっていて、そこを超えるとちょっとずつ下がっていくんです。80 PLUS認証でも使用負荷が20%時、50%時、100%時で規定されていて、50%のところが最も高くなっています。グラフにするとそこを頂点にカーブしているんですよ。一番上の80 PLUS TITANIUMクラスになると10%時という低い使用負荷の時まで規定されていて、変換効率があまり落ちないように作られています。

――定格容量は使用電力の2倍ぐらいの製品を選んでおくのが、変換効率的にはいいんですね。
「鈴木氏」とは、販売代理店オウルテックの技術グループに所属する鈴木智睦氏です。電源ユニットの変換効率が最も高くなるのは、消費電力が容量の50%ぐらいの時なので、電源ユニットの容量は消費電力の2倍ぐらいになるように選ぶと良いようです。

電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍となるように選ぶことは難しいのではないか

電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍くらいになるように選ぶと良いとしている記事を見てきましたが、総合的に見て考えると電源負荷率が50%時に最も変換効率が高いので1.5〜2倍が良いとしていると思います。

ここで言う消費電力は最大消費電力のことですが、実際に使う場合の消費電力が最大消費電力となることはそうそうありませんので、たいていのユーザーにとって電源ユニットの容量は消費電力の2倍より小さい方が望ましいと考えられます。

どれくらい小さいと良いのかは、実際に使う場合の消費電力を正確に求めることは難しいので目安を提示することは難しいと思います。そもそもパソコンの消費電力(最大消費電力)を正確に求めることすら難しいと思います。

電源ユニットの容量は消費電力の1.5〜2倍が良いと言われても、ユーザーはそうなるように電源ユニットの容量を選ぶことは難しいと思います。

昔のことなのでうろ覚えですが、パソコン雑誌には高性能パソコンなら 700W くらい等と大まかに選択の目安が書かれているのをよく見た記憶があります。こういう選び方で十分のような気はします。今でもこのように書かれているパソコン雑誌は多いかもしれません。

これでは大まかすぎるので、パソコンメーカーで似たような PC パーツ構成モデルを見つけて、そのモデルに搭載されている電源ユニットの容量を参考にすると良いと思います。


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