IEEE802.11a/b/g の違い

最終更新日 2023年09月07日
※この記事の内容は、古くなった情報のため、最新のパソコンを選ぶ時に参考になるものではありません。

無線 LAN には規格がある

パソコンでインターネットに接続、または他のパソコンや周辺機器と接続するために、無線 LAN がよく使われます。無線LANを利用すると、無線が届く範囲であれば、自由にパソコンを移動して接続が可能であり、LAN ケーブルが不要のため、パソコン周辺がすっきりします。

特にノートパソコンは、楽に移動して使えて、外出先でもインタネットに接続できるように、無線 LAN が搭載されている事が多いです。

無線 LAN には幾つか規格があるため、自分が使用したい規格に対応した無線 LAN を選ぶ必要があります。さらなる高速化が実現した IEEE802.11n が登場する前は、IEEE802.11a/b/g の3つの規格が主流でした。

どれか一つの規格を選ぶのではなく、複数に対応した規格を選ぶのが望ましく、よく IEEE802.11b/g の2つが使用されていたので、この2つの規格に対応した無線 LAN を搭載したモデルを選ぶのが無難でした。

IEEE802.11a/b/g の違いについて

無線 LAN の規格である IEEE802.11a/b/g の違いをまとめると、以下の表のようになります。この3つの規格から選ぶとしたら、注目すべき項目は、最高通信速度、もしくは最高実行速度と、周波数干渉、通信距離、透過性(障害物)です。

無線 LAN を使用する環境によって、周波数干渉、または通信距離、透過性の内、どれかに優れた規格を選ぶ必要がありますので、各規格の特性と、無線 LAN 使用環境を照らし合わせて選ぶのが重要です。

IEEE802.11g IEEE802.11b IEEE802.11a
周波数帯 2.4〜2.472GHz 2.4〜2.472GHz 5.15GHz〜5.25GHz
伝送方式 OFDM CCK OFDN
最高通信速度 54Mbps 11Mbps 54Mbps
最高実行速度 20Mbps〜25Mbps 4Mbps〜5Mbps 20Mbps〜25Mbps
11b互換性 - ×
周波数干渉 他の家電(電子レンジなど)の影響を受けやすい。 IEEE802.11g同様。 しにくい。
通信距離 遠距離に強い(劣化しない)。 遠距離に強い。 遠距離に弱い(劣化しやすい)。
透過性(障害物) 障害物に強い。 障害物に強い。 障害物に弱い。

IEEE802.11a/b/g の選び方

IEEE802.11a/b/g の3つの規格に対応した無線 LAN があれば、購入前に特に悩む必要はなく、実際に無線 LAN を使用する時に、どの規格を使うか検討すれば良いいのですが、IEEE802.11a/b/g の中の1つ、もしくは2つの規格に対応した無線 LAN を選ぶ時は、自分の無線 LAN 使用環境に相応しい規格なのか、よく検討する必要があります。

屋内のみで無線 LAN を使うのであれば、通信速度が速い IEEE802.11a がいいですが、屋内が込み入って障害物が多いと劣化しますので、IEEE802.11b や IEEE802.11g を使った場合よりも、通信速度が遅くなるリスクがあります

遠距離で障害物が多いときは IEEE802.11g か IEEE802.11b に対応した無線 LAN がおすすめです。特に通信速度が速く、広く普及している IEEE802.11b と互換性がある IEEE802.11g に対応した無線 LAN がおすすめです。

迷った場合は、3つの規格に対応した無線 LAN がついているパソコンもありますから、これを買えば安心です。

規格に変更があった IEEE802.11a

2005年5月に IEEE802.11a の規格に一部変更が生じた事がありました。この規格変更により、旧規格の IEEE802.11a と新規格の IEEE802.11a が混在する事になりました。

この頃に無線 LAN を選ぶ時は、新規格の方の IEEE802.11a に対応したものを選ぶ方が良かったですが、旧規格となった IEEE802.11a でも、無線 LAN モジュール(ソフトウェア)の更新を行えば、新規格の IEEE802.11a に対応できたので、旧規格の IEEE802.11a でも大きな問題はありませんでした。

しかし、旧規格では新規格で使える機能に一部制限が生じたり、新規化に対応できないリスクもありましたので、新規格の IEEE802.11a に対応した無線 LAN を選ぶのが無難でした。

規格変更が生じて、十分期間が過ぎてからは、IEEE802.11a と言えば、新規格の方の IEEE802.11a となりましたので、特に規格が変わった事について気にする必要はなくなりました。



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