USB PD充電器

最終更新日 2024年06月09日

USB PD充電器とは

基礎

USB PD充電器とは、USB経由での電力供給に関する規格のUSB PDに対応しており、バッテリーを充電するための器具です。ユーエスビー・ピーディー・ジュウデンキと読みます。

USB PD EPR、USB PD SPR

USB PD登場時点では最大供給電力が100Wです。後に240Wに向上したUSB PD EPRが登場しました。USB PD EPRはUSB Power Delivery Extended Power Rangeの略です。従来の100WまでをUSB PD SPRと呼びます。USB PD SPRはUSB Power Delivery Standard Power Rangeの略です。

USB Certified

USB PD充電器の最大出力電力が大きいため、質が低いモデルだと電力の供給を受ける側も故障するリスクが高くなります。そのため、USB Certifiedのロゴがあるモデルを選ぶと良いです。USB-IFによる認証を受けたモデルのため質が高いです。信用信頼できるメーカーのモデルを選ぶのもありです。

チップ

USB PD充電器がSiチップ(シリコンチップ)を使用していますが、USB PD充電器によってはGaNチップ(窒化ガリウムチップ)を使用しています。GaNチップはSiチップよりも高効率で低発熱であり、熱に強い特徴もあるため寿命が長いです。ただし、GaNチップはSiチップよりもコストが高いため、GaNチップを使用するUSB PD充電器の価格が高い傾向があります。

USB PD充電器の最大出力電力

30W、45W、60W等あり

最大出力電力がUSB PD SPRは100W、USB PD EPRは240Wですが、これらは規格上の話です。USB PD充電器には30W、45W、60W等もあります。

要求電力より30%くらい高めが良い

USB PD充電器の最大出力電力が、充電対象機器が要求する電力より30%くらい高いと良いです。出力電力に余裕がある状態で使用すると長持ちするためです。

最大要求電力の目安を参考に最大出力電力を選ぶ

USB PD充電器の最大出力電力が十分か判断するために、充電対象機器が要求する最大電力の情報が必要です。しかし、最大要求電力が不明の場合があります。この場合、充電対象機器の最大要求電力の目安を参考にする方法があります。

充電対象機器 最大要求電力の目安
ノートパソコン 30〜100W
タブレット 25〜45W
スマートフォン 7.5〜30W
スマートウォッチ 4.5〜15W
ワイヤレスイヤホン 4.5〜15W
デジタルカメラ 18〜30W

あくまでも目安のため、目安の範囲外の場合もあります。

最大出力電力が大きすぎるデメリット

USB PD充電器の最大出力電力が大きいほど、充電できる機器が多くなります。最大出力電力が60W以上なら、たいていの機器を充電できます。しかし、USB PD充電器の最大出力電力が大きいほど、本体サイズが大きく、価格が高い傾向があります。必要以上に最大出力電力が大きいUSB PD充電器を選ばないようにすることも必要です。

最大出力が小さくてもノートパソコンに充電できる場合あり

最大出力電力が小さい、例えば15W程度のUSB PD充電器があるとします。ノートパソコンに使用しても充電できないと思われますが、モデルによっては充電できます。ただし、充電に長時間かかります。充電できるとしても、充電するときにノートパソコンの電源を切ると良いです。USB PD充電器の最大出力電力が小さいと、ノートパソコンを使用していると消費電力の方が高くなる場合が多いためです。

USB PD充電器、電圧、電流

対応電圧や対応電流の確認不要

USB PDにはパワールールがあります。パワールールとは、USB PDの対応電圧と対応電流の組み合わせの仕様です。言い換えると、USB PDでは複数の電圧と複数の電流に対応しています。USB PD充電器も同じです。USB PD対応の充電対象機器も同じです。両者を接続すると、共通する対応電圧と対応電流の中から、最も高い電力となる電圧と電流の組み合わせを選択して充電を行います。このため、USB PD充電器を選ぶ際、対応電圧や対応電流の確認が不要です。

USB PD充電器、USB PD PPS

電圧と電流を細かく調整

USB PD PPSとは、充電対象機器の充電状況に合わせて、電圧を20mV刻み、電流を50mA刻みで変化させ、最適な電力を供給して損失を減らす機能です。損失が減れば、消費電力と発熱も減ります。

USB PD PPS対応の必要あり

USB PD PPSを利用して充電するには、USB PD充電器と充電対象機器の両者がUSB PD PPS対応の必要があります。USB PD PPSがオプションのため、USB PD充電器等がUSB PD PPS対応とは限りません。

USB PD充電器とUSB Type-Cケーブル

流せる最大電力がモデルによって違う

USB Type-Cケーブルに流せる最大電力がモデルによって違います。20V/3A(60W)、20V/5A(100W)、48V/5A(240W)、以上があります。

伝送可能な最大電力の不足

USB Type-Cケーブルが対応する最大電力が、USB PD充電器の最大出力電力と充電対象機器の最大要求電力より小さいと、伝送できる最大電力がUSB Type-Cケーブルが対応する最大電力になります。例えばUSB PD充電器が100W、充電対象機器も100Wでも、USB Type-Cケーブルが60Wなら伝送できる最大電力が60Wです。

USB Type-Cケーブルが長すぎるとしばらく使えなくなる

ノートパソコン等にUSB PD充電器を接続すると、供給する電力を決めるために両者で通信を行います。両者を接続するUSB Type-Cケーブルが長すぎると正常に通信できなくなり、USB PD充電器が安全のため動作を停止する場合があります。しばらく放置しないと、長すぎないUSB Type-Cケーブルを使用しても動作が停止したままの場合があります。その場合、USB PD充電器を10分程度放置してみると良いです。

USB PD充電器のプラグより前にUSB Type-Cケーブルを抜く

パソコンのUSB Type-CポートからUSB Type-Cケーブルを抜く前に、USB PD充電器のプラグをコンセントから抜くとします。USB PD充電器に残っている電力を少しずつ出力して電圧が低下し、USB PD充電器の動作が不安定になる場合があります。そのため、USB PD充電器のプラグをコンセントから抜く前に、パソコンのUSB Type-CポートからUSB Type-Cケーブルを抜くと良いです。

コラム

熱に弱い

USB PD充電器は熱に弱いです。長持ちさせるために、USB PD充電器を風通しが良い場所で使用するのが望ましいです。テーブルタップ等に複数のUSB PD充電器を接続する場合、USB PD充電器同士の距離が短かったり密着したりすると、USB PD充電器の温度が上がりやすいです。なるべく離して使用するのが望ましいです。

定期的に点検や掃除

USB PD充電器のプラグが高発熱するため、プラグやコンセントが焦げていたり溶けていたりしていないか定期的に点検すると良いです。USB PD充電器の重み等が原因で、コンセントからプラグが抜け接触不良が起きる場合があるため、接触不良が起きていないかの点検にもなります。点検の際にホコリが溜まっていることを確認したら、ホコリが火災等の原因にならないよう安全のために掃除すると良いです。

出典

ASCII.jp:いま、USB PDの充電器がアツイ! 温度の変化を調べた(2018/02/15更新記事)
万能だが難解、普及進むUSB Type-Cを理解(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2018/11/08公開記事)
ASCII.jp:USB充電器を選ぶときのポイント、使うときのコツ(2022/06/21更新記事)
【教えてVAIO】開発者に教わってきた、USB Type-Cケーブルのトラブル回避方法 - PC Watch[Sponsored](2024/04/12公開記事)


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