インテルPentium 4プロセッサー

最終更新日 2024年01月30日

インテルPentium 4プロセッサーとは

基礎

インテルPentium 4プロセッサーとは、Pentium IIIの後継のプロセッサーです。インテル・ペンティアムフォー・プロセッサーと読みます。略してPentium 4と呼ぶ場合があります。以下ではPentium 4と書く場合があります。

Pentium 4はPentium IIIの後継でもあり後継でもない

発売時期を考慮するとPentium 4はPentium IIIの後継です。設計を考慮するとPentium 4はPentium IIIの後継ではありません。大雑把に言えばPentium 4は全く新しい設計で登場したプロセッサーのため、設計を考慮するとPentium 4の先代が存在しません。

発売年

Pentium 4の発売年は2000年です。

マイクロアーキテクチャー

Pentium 4のマイクロアーキテクチャーはNetBurstです。大雑把に言えば、マイクロアーキテクチャーとはCPUのハードウェアの設計です。NetBurstでは、Pentium ProからPentium IIIまで続いた設計を一新しています。

Pentium 4のトレースキャッシュ

マイクロオプを一時的に保存する

Pentium 4ではトレースキャッシュを初搭載です。トレースキャッシュとは、マイクロオプを一時的に保存するためのキャッシュメモリーです。トレースキャッシュ導入によりフロントエンドとバックエンドが連動せずに動作できます。

フロントエンドとバックエンドが連動して動作

フロントエンド 命令キャッシュ

フェッチユニット

デコードユニット
バックエンド
スケジューラーユニット

演算ユニット
ロードユニット
ストアユニット

データキャッシュ

従来ではフロントエンドとバックエンドが連動して動作します。フロントエンドにあるデコードユニットにかかる負荷が高く、デコードに時間がかかる場合があります。そうなると連動して動作するため、バックエンドにも影響が及び遅くなります。

フロントエンドとバックエンドが連動せずに動作

フロントエンド デコードユニット

トレースキャッシュ
バックエンド
フェッチユニット

スケジューラーユニット

演算ユニット
ロードユニット
ストアユニット

データキャッシュ

Pentium 4ではフロントエンドにデコードユニットとトレースキャッシュを設置し、フロントエンドとバックエンドが連動せずに動作します。命令キャッシュがなくなり、デコードユニットはメインメモリーから命令を直接読み込みます。デコードして生成したマイクロオプをトレースキャッシュに保存します。

この場合でもデコードに時間がかかる場合が続くと、バックエンドに影響が及び遅くなります。たまに時間がかかる程度であれば、デコードで生成したマイクロオプがトレースキャッシュに溜まっているので、バックエンドに影響が及びません。

Pentium 4のパイプライン

パイプライン改良によりクロック周波数が向上

パイプラインとは、命令の特定の処理を専門に行うユニットを複数並べ、流れ作業のように各ユニットが専門の処理を行い終わったら次の命令の専門の処理を行い、各ユニットの待機時間をなくし性能を向上させることです。

Pentium 4では登場当初、ユニット数が20個に増えています。ユニット当たりの処理内容が多いと、処理にかかる時間が長くなります。ユニット当たり1クロックで処理が終わるとしますが、クロック周波数を高めるには、ユニット当たりの処理内容を減らし処理にかかる時間を短くすることが有効です。そのため、Pentium 4ではユニット数を20個まで増やしました。Pentium 4ではクロック周波数が大きく向上しましたが、パイプライン改良のおかげが大きいです。

Pentium 4のハイパースレッディング

実行効率が向上

Pentium 4 3.06GHzからハイパースレッディングを初採用です。ハイパースレッディングとは、1つのCPUを論理的に2つのCPUとして動作させる技術です。CPUに複数の演算ユニットがあり、演算ユニットが命令を実行しているときに、空いている演算ユニットも命令を実行することによって、まるで2つのCPUが同時に命令を実行しているようになります。ハイパースレッディング対応でも複数の演算ユニットの実行効率が100%になりませんが、平均30%から平均50%に向上します。

Pentium 4のクロック周波数

消費電力が大きすぎて3.8GHzが限界

Pentium 4はクロック周波数を5GHzまで高くすることを目標に開発しました。しかし、3.8GHzが限界でした。その理由は、マイクロアーキテクチャーのNetBurstは、回路がオンやオフしないときの消費電力が大きすぎたためです。消費電力が大きすぎても許容すればよさそうですが、クロック周波数を高めると消費電力が大きすぎて正常に動作しない場合が出てきました。

出典

Pentium 4 - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2008/10/07更新記事)
PentiumからCore iまで、基本設計の変遷をたどる(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2020/03/26公開記事)
PentiumからCore iまで、基本設計の変遷をたどる(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2020/03/26公開記事)


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