ブルーライトの影響と対策法

最終更新日 2023年09月07日

ブルーライトとは

パソコンやスマートフォンが普及してよく「ブルーライト」という言葉を耳にするようになりました。その名の通り青色の光のことを指しますが、青く見える光にだけ含まれているわけではありません。

光を構成するものには基本的に赤と緑、そして青の光の三原色が存在します。絵の具の場合は違う色を混ぜると黒くなっていきますが、光は赤緑青の3色を基本として混ぜ合わせることで明るく、白に近づいていきます。パソコンやスマートフォン、テレビなどの液晶は、このような仕組を利用して色を表現しています。そのため、青く見えない光でもブルーライトが含まれています。

日常には多くのブルーライトを発するものがあるため、気付かないうちにその影響にさらされています。また、人が認識可能な光の中でも紫外線のように波長が短く、最も強いエネルギーを持っているため人体への影響も危惧されています。ここでは、ブルーライトは人体にどんな影響を与えるのか、その対策法について探っていきます。

ブルーライトが人体に与える影響

ブルーライトが人体に与える影響は大きく分けて3つあります。「眼精疲労の誘発」と「体内時計の乱れ」、そして「ホルモンバランスの乱れからくる健康被害」です。

眼精疲労の誘発

パソコンやスマートフォンなどの画面を見るという特性上、最も問題視されるのが眼精疲労です。ものを見る際に、人は無意識にピントを合わせようと水晶体の厚さを調節しています。しかし、波長が短く錯乱してしまう光に対しても無意識にピントを合わせようと働き続けてしまうため、ブルーライトにより水晶体を調節する筋肉が疲労してしまうのです。

眼精疲労は単なる目の疲れだけでなく、肩こりや頭痛、めまいなどを引き起こすことがあります。ひどい肩こりや頭痛に悩まされている方は、目を酷使していないか注意しましょう。さらに、瞳孔を調節する筋肉を酷使したり、涙を減らす作用からドライアイを誘発したりなどの悪影響を引き起こすとも言われています。

スマートフォンのゲームなどに熱中してしまうと瞬きの回数も減ってしまい、目の乾燥を引き起こしやすくなります。数十分おきに休憩を挟んだり、長く目をつぶって乾燥を防いだり意識する必要があるでしょう。タイマーをかけておくのもおすすめです。

体内時計の乱れ

ブルーライトは日常にあふれる光だということは前述した通りですが、実は人工的な光だけではなく太陽光にも多く含まれています。人間は太陽光を浴びることで、体内時計をリセットし朝だということを認識しています。そのため、ブルーライトを含む人工的な光によって体内が朝だと勘違いしてしまうと夜遅くなって眠れないといった状況に陥ってしまいます。

人生の三分の一は睡眠と言われるほど、生活において大部分を占める要素です。睡眠が阻害されることで、仕事や精神面にも影響し様々な健康被害を及ぼすことが懸念されます。就寝の1時間前には、なるべくスマートフォンやパソコンを見ないなど節度を考えた使用を心がけましょう。また、子どもの場合は歯止めが効きにくく、のめり込んでしまうと朝起きられずに不登校になってしまうことも心配です。大人の場合でも難しいことですから、保護者がきちんと管理してあげることが重要です。

ホルモンバランスの乱れからくる健康被害

ブルーライトは、ホルモンバランスにも影響すると言われています。ホルモンバランスが崩れると、肥満や生活習慣病などの発症率が上がるとの報告もあります。

ブルーライトは自然界に存在する光であるため、ある程度の光を受けるのは仕方ありませんし問題もありません。ただ、必要以上にブルーライトを浴びないために、普段の生活でできる対策法をみていきます。

まず簡単に取り入れられるのがブルーライト対策用の眼鏡です。視力の弱い人だけでなく、度が入っていない眼鏡も販売されていますので、気軽に目への負担を減らせるようになります。もちろん、近視や乱視用のものも販売されているため一つ持っておくと重宝するアイテムです。

コンタクト派や眼鏡をかけたくない人には、パソコンやスマートフォンの液晶ディスプレイにブルーライトカットのフィルムを貼る対策法もあります。これは、眼鏡をかけ忘れることもないためお手軽です。しかし、一度貼ってしまうと剥がせないというデメリットがあります。ブルーライトをカットするフィルムは青い光を軽減するため、多少色合いが変わるデメリットもあります。

フィルムが嫌だという人は、スマートフォンやパソコンなどのデバイス自体で調整することが可能です。標準の機能で明るさを下げることができますので、影響を緩和させることが可能です。ただ、こちらも青い光を調整しますので、黄味がかったような見た目になります。

また、青い光をカットする専用アプリも存在しています。気になる場合はカット率の調整や、時間帯の指定が可能なものもあるため、寝る前に設定するのが効果的です。こういった拡張機能を利用できるのもスマートフォンやパソコンならではのものです。また、グラフィック系のお仕事をされている方には色合いの変化は気になる問題ですが、アプリならアプリを終了させれば通常表示に戻るため使いやすいです。

3つの対策法を挙げてみましたが、自然界にも存在する光ですので必要以上に避ける心配はいりません。ですが、たまには人工的な光から離れて、森林浴で目を休めるのも良いでしょう。


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