DirectX

最終更新日 2023年09月07日

DirectXとは

基礎

DirectXとは動画、画像、音声等を利用するソフトウェア向けのAPIです。ダイレクトエックスと読みます。マイクロソフトが開発しました。WindowsでDirectXを利用可能です。ゲームソフトウェア、動画・画像編集ソフトウェア等がDirectXを利用しています。

APIとはApplication Programming Interfaceの略であり、ソフトウェアが別のソフトウェアの機能の利用を実現するインターフェースです。ソフトウェア開発時にDirectXの機能を利用することで、動画、画像、音声等に関連する機能を一から開発する必要がなくなります。例えば動画編集ソフトウェアでは動画の再生、音声の再生が可能ですが、これらの機能を一から開発すると大変です。DirectXの動画再生機能、音声再生機能を利用することで開発が簡単になります。

Windows 95で登場

DirectXはWindows登場当初からあったわけではなく、Windows 95で登場し利用可能になりました。DirectXの後継となる別のAPIが登場する等してDirectXがなくなる可能性があります。今のところWindows 11が最新ですが、DirectXがあります(2022/05/09時点)。

リアルタイム3Dグラフィックス対応

1997年リリースのDirectX 5からリアルタイム3Dグラフィックスに対応しました。リアルタイム3Dグラフィックスとは3Dグラフィックスのゲームのように即時に3Dグラフィックスを描画することです。DirectX関連の話では略して3Dグラフィックスと呼ぶ場合が場合が多いです。

ハードウェアT&L対応

DirectX 7からハードウェアT&Lに対応しました。ハードウェアT&LとはハードウェアTransform and Lightingの略であり、ポリゴン頂点座標変換処理や光源による陰影表現処理をGPUが行うことです。

Direct3D

Direct3DとはDirectXの代わりに使用し始めた名称です。Windows VistaからDirectXの開発が3Dグラフィックス関連の機能が中心となり構造が大きく変わりました。そこでDirect3Dへ名称が変わりました。例えば当時マイクロソフトが公開した資料にDirectX 10ではなくDirect3D 10という用語が見られました。しかし、ゲームソフトウェアのパッケージ等でDirectX〜という表記が慣例化しており、完全には変わりませんでした。マイクロソフトでもDirectXという呼び方を使用し続けており、今でもDirectXという用語が広く普及しています(2022/05/09時点)。

プログラマブル・シェーダー対応

2000年リリースのDirectX 8からプログラマブル・シェーダーに対応しました。プログラマブル・シェーダーとは、シェーダーが実行可能な処理をプログラミンを行って決められる技術です。プログラマブル・シェーダーが登場する前のシェーダーでは実行可能な処理が決まっており、シェーダーに何か新しい処理を行わせたい場合は、その処理を実行可能なシェーダーの開発が必要です。

Shader Model 2.0→3.0後、DirectX 9→10にならず

Shader Modelがメジャーバージョンアップしバージョンが2.0から3.0になりました。DirectXがShader Model 3.0にマイナーバージョンアップで対応しました。つまりDirectX 10にメジャーバージョンアップせずDirectX 9のままShader Model 3.0に対応です。主な理由はWindows Vista登場のタイミングに合わせるため、ATIがShader Model 3.0未対応GPUを発売するためです。

Windows Vista登場に合わせてDirectX 9からDirectX 10へメジャーバージョンアップするとわかりやすいです。もしShader Model 3.0対応DirectX 10が登場した場合、Shader Model 3.0未対応GPUがDirectX 10ではなくDirectX 9対応となり、Shader Model 3.0かつDirectX 10対応GPUがある中で、消費者に古い印象を与えてしまい競争上不利になります。

DirectX Runtime

DirectX Runtimeとは

DirectX Runtimeとは、DirectXを利用するソフトウェアの動作に必要なプログラムの集まりです。ソフトウェアがDirectXを利用するとしても、DirectXの機能として動作するDirectX Runtimeがないとソフトウェアが動作できません。定期的に更新があり新機能の追加等があります。DirectX Runtimeが古いと、新しいDirectX Runtimeの利用を前提に開発したソフトウェアが動作しない場合があります。

更新頻度

DirectX SDKの更新があると必要に応じてDirectX Runtimeの更新もあります。DirectX SDKの更新頻度が約2ヶ月に1度、かつDirectX Runtimeの更新も必要な場合が多かったので、DirectX Runtimeの更新頻度も約2ヶ月に1度でした。2010年頃からDirectX Runtimeの更新は不要な場合が多くなり、更新頻度がランダムに変わりました。

ゲームでDirectX Runtimeアップデートが必要な問題が増えた理由

ゲームが主にパッケージで流通していた頃、インストール用メディアに最新のDirectX Runtimeも入っており、ゲームと一緒に最新のDirectX Runtimeもインストールできました。今ではインターネットでダウンロードしゲームを入手する方法が普及しています。この入手方法では最新のDirectX Runtimeが付属する場合が少なく、ゲームでDirectX Runtimeアップデートが必要な問題が増えました。DirectX Runtimeの最新版は、Microsoftの公式サイトで入手できます。

DirectX SDK

DirectX SDKとは

DirectX SDKとはDirectX Software Development Kitの略であり、DirectXを利用するソフトウェア開発者向けの開発キットです。定期的に更新があり、それに合わせて新機能の追加等があります。更新後のDirectX開発キットを利用するソフトウェアを動作させるには、DirectX SDKの更新に合わせ更新があったDirectX Runtimeが必要な場合があります。DirectX Runtimeが古いままだと、DirectX SDKを利用するソフトウェアが動作しない場合があります。


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