Thunderbolt

最終更新日 2024年05月25日

Thunderboltとは

基礎

Thunderboltとは、パソコンと周辺機器を接続するインターフェースの規格です。サンダーボルトと読みます。

データ転送速度が速い

Thunderboltの大きな特徴がデータ転送速度が速いことです。Thunderbolt登場時では最大10Gbpsです。Thunderbolt登場時ではUSBが最大5Gbpsであり、Thunderboltの方が2倍速いです。

1本のケーブルで同時にDisplayPortとPCI Express

1本のケーブルでDisplayPortのデータ転送とPCI Expressのデータ転送を同時に行えます。別のインターフェースの規格も出てきて難しいですが、大雑把に言えばThunderboltではDisplayPortのデータ転送技術とPCI Expressのデータ転送技術を採用しています。

映像出力

ThunderboltはDisplayPortのデータ転送ができるため、映像出力できます。ちなみに、外付けストレージ等とのデータのやり取りでは、PCI Expressのデータ転送を行うことによって実現します。

インテルとアップルが共同開発

光ファイバーケーブル1本で周辺機器等を接続するLight Peakという規格を、インテルが提唱しました。インテルとアップルがLight Peakを基にThunderboltを共同開発しました。

発表年

2011年にインテルとアップルがThunderboltを発表しました。

Thunderboltのデータ転送速度

Thunderbolt規格のデータ転送速度の一覧

Thunderbolt規格 データ転送速度
Thunderbolt 1 10Gbps
Thunderbolt 2 20Gbps
Thunderbolt 3 40Gbps
Thunderbolt 4 40Gbps
Thunderbolt 5 80Gbps

Thunderbolt、PCI Express

PCI Express使用PCパーツを周辺機器に

内蔵SSD、内蔵ビデオカード等がデータ転送に使用するインターフェースの規格の一種に、PCI Expressがあります。外付けSSD、外付けビデオカード等にThunderbolt対応製品がありますが、Thunderboltがデータ転送にPCI Expressを使用するためです。データ転送のためにデータ転送方式を変更する必要がありません。

ThunderboltとUSB

Thunderbolt 2以前のThunderboltとUSBの変換アダプター

Thunderbolt 2までのThunderboltとUSBを変換するアダプターが非常に少ないです。 Thunderbolt - ギガビットEthernet変換アダプタ 1x USB 3.0ポート くらいしか見つかりません。

Thunderbolt 4からUSBの規格に準拠

Thunderbolt 4からUSBの規格に準拠して開発され、USBとの互換性が向上しています。

ThunderboltとDisplayPort Alternate Mode

Thunderbolt 3からDisplayPort Alternate Modeにも対応できる

Thunderbolt 3からUSB Type-Cを採用しており、1個のUSB Type-CポートがThunderboltとDisplayPort Alternate Modeの両者に対応できます。パソコンのUSB Type-Cポートが両者に対応の場合、Thunderbolt対応ディスプレイにはThunderboltネイティブのDisplayPort信号を出力し、DisplayPort Alternate Mode対応ディスプレイにはDisplayPort信号を出力します。

DisplayPort Alternate Mode対応ディスプレイが多い

ThunderboltネイティブのDisplayPort信号の入力に対応するディスプレイが非常に少なく、DisplayPort Alternate ModeのDisplayPort信号の入力に対応するディスプレイが多いです(2021/12/09時点)。

対応可能なDisplayPort規格

  DisplayPort規格
Thunderbolt 3 DisplayPort 1.2/1.4
Thunderbolt 4 DisplayPort 1.4
DisplayPort Alternate Mode DisplayPort 1.2/1.4/2.0

Thunderboltのデイジーチェーン

ディスプレイや外付けストレージ等を数珠つなぎ

Thunderboltではデイジーチェーンに対応しています。例えばパソコンとディスプレイをThunderboltケーブルで接続し、さらにディスプレイと外付けストレージをThunderboltケーブルで接続し、パソコンからディスプレイと外付けストレージを使用できます。

Thunderboltのバスパワー

バスパワーに対応

USBと同じくThunderboltもバスパワーに対応しています。例えばパソコンと外付けストレージをThunderboltケーブルで接続し、パソコンから外付けストレージに給電できます。

Thunderboltのコネクター

Mini DisplayPortのコネクター

Thunderbolt登場時ではコネクターにMini DisplayPortのコネクターを採用しています。パソコン等がUSBとThunderboltに対応する場合、USBポートとThunderboltポートを搭載する必要があります。

Thunderbolt 3からUSB Type-C

Thunderbolt 3からコネクターにUSB Type-Cを採用しています。パソコン等がUSBとThunderboltに対応する場合、USBポートを搭載しなくてもThunderboltポートを搭載すれば良いです。

Thunderbolt規格のコネクター一覧

Thunderbolt規格 コネクター
Thunderbolt 1 Mini DisplayPort
Thunderbolt 2 Mini DisplayPort
Thunderbolt 3 USB Type-C
Thunderbolt 4 USB Type-C
Thunderbolt 5 USB Type-C

Thunderboltのケーブル

メタルケーブル

Thunderboltのケーブルがメタルケーブルです。そのため、バスパワーに対応できますが、ケーブルの長さが最大3mです。

光ファイバーケーブル

Thunderboltのケーブルでは光ファイバーケーブルを使用する仕様もあります。バスパワーに対応できませんが、ケーブルの長さを数十mまで延ばせます。

コスト

Thunderboltのケーブルのコネクターでは、PCI ExpressのデータとDisplayPortのデータを分離する処理を行うコントローラーを搭載します。これによりケーブルのコストが高くなり価格も高くなります。

Thunderboltとパソコン

Thunderbolt 3からWindow搭載PCにも

Thunderbolt 2まではアップルのパソコンで採用されました。Thunderbolt 3からコネクターにUSB Type-Cを採用、CPUのメーカーのインテルが自社のモデルにThunderboltの機能を内蔵、以上の理由により、Thunderbolt 3からアップル以外のパソコン、すなわちWindowを搭載するパソコンでも採用が始まりました。Thunderboltのコントローラーを追加する必要がなく、Window搭載パソコンのメーカーが低コストで自社のモデルをThunderboltに対応させることができます。

AMD CPU搭載パソコンではThunderbolt対応モデルが少ない

AMDのCPUを搭載するパソコンには、Thunderboltに対応のモデルが少ないです(2021/12/09時点)。Thunderboltはインテルとアップルが共同開発したインターフェースの規格です。Thunderboltに対応するにはインテルの認証が必要になるため、AMD CPU搭載パソコンではThunderboltに対応しにくい何らかの事情がある可能性があります。

ノートパソコンの映像出力要件、電源入力要件

ノートパソコンが搭載するThunderboltポートの映像出力の要件、USB PDによる電源入力の要件が厳しいです。

Thunderbolt
バージョン
映像出力要件 電源入力要件
Thunderbolt 3 映像出力対応
4K×1
オプション
Thunderbolt 4 映像出力対応
4K×2
電源入力対応(※1)
Thunderbolt 5 映像出力対応
6K×2
電源入力対応(※2)
(※1)USB PDによる電源入力に対応するThunderbolt 4ポートを少なくとも1個搭載が必須だが、最大消費電力が100W以下の薄型ノートパソコンに限る
(※2)USB PDによる電源入力に対応するThunderbolt 5ポートを少なくとも1個搭載が必須だが、最大消費電力が140W以下のノートパソコンに限る

ノートパソコンが搭載するUSBポートの場合、USB4 Version 2.0でもThunderboltポートと比べて厳しくありません。

USBバージョン 映像出力要件 電源入力要件
USB 3.2 Gen 2x2 オプション オプション
USB4 Version 1.0 映像出力対応(※1) オプション
USB4 Version 2.0 映像出力対応(※1) オプション
(※1)解像度、画面数に関する要件なし

出典

サンダーボルト(thunderbolt)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
サンダーボルト | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス(2012/03公開記事)
Thunderbolt | 日経クロステック(xTECH)(2011/09/21公開記事)
データ通信・給電・ディスプレイ出力の相乗りで分かりにくいUSB、最新規格を整理(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/09公開記事)
データ通信・給電・ディスプレイ出力の相乗りで分かりにくいUSB、最新規格を整理(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/09公開記事)
USB4とThunderbolt 4が同じ規格だという誤解、一体何が違うのか(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/02/15公開記事)
ThunderboltとUSB、2つの規格の関係を見極める - まる分かりUSB最新事情:日経クロステック Active(2025/04/14公開記事)
ThunderboltとUSB、2つの規格の関係を見極める - まる分かりUSB最新事情(3ページ目):日経クロステック Active(2025/04/14公開記事)
ThunderboltとUSB、2つの規格の関係を見極める - まる分かりUSB最新事情(4ページ目):日経クロステック Active(2025/04/14公開記事)


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