ACアダプター

最終更新日 2023年09月07日

ACアダプターとは

基礎

ACアダプターとは、ノートパソコン、タブレット、スマートフォン等に電力を供給する装置です。エーシーアダプターと読みます。

AC-DCアダプター

ACアダプターの多くが交流電流から直流電流に変換するので、AC-DCアダプターと呼ぶ場合もあります。ACとはAlternating Currentの略で交流電流という意味、DCとはDirect Currentの略で直流電流という意味です。

充電器

充電器とは、バッテリーを充電するために電力を供給する装置です。充電器の多くが交流電流から直流電流に変換します。充電に使用するACアダプターであれば充電器と呼べます。

主にバッテリーを充電するために使用する場合、充電器と呼ぶ場合が多いです。タブレット、スマートフォン用ACアダプターを充電器と呼ぶ場合が多いですが、主な使用目的が充電のためです。ノートパソコン用ACアダプターを充電器と呼ばない場合が多いですが、充電に限らず常時接続し電力供給する目的での使用が多いためです。デスクトップパソコン用ACアダプターを充電器と呼びませんが、充電に使用しないためです。

窒化ガリウム採用により小型化・軽量化

昔と比べてACアダプターの小型化・軽量化が進みました。この要因に半導体の材料に窒化ガリウム(GaN)の普及があります。ACアダプター内部に半導体デバイスがあり、窒化ガリウムのおかげで半導体デバイスの小型化・軽量化が進み、ACアダプターの小型化・軽量化が実現しました。

ACアダプターの共通化

共通化できない理由

同じパソコンメーカーのパソコンであれば、同じACアダプターを使用できるモデルが見られますが、一般的に使用するACアダプターがモデルによって異なります。様々なACアダプターを見ると、比較対象によっては出力電圧、定格電流、出力電力に大きな差がありますので、少なくともACアダプターを1つへ共通化することはできません。同じくらいの出力電圧、定格電流、出力電力であれば共通化し、数種類のACアダプターに統一するならできそうです。しかし、それでも困難な理由があります。

共通化するにはACアダプターが様々な出力電圧に対応する必要がありますが、変換効率が落ち無駄な消費電力が増えます。1個あたり数Wの増加でも、世の中で膨大な個数が使用されるので全体的に見ると膨大に増えます。

ACアダプターを共通化すると他メーカーのACアダプターが使用可能になりますが、安全性に問題が出てきます。一般的にバッテリー搭載パソコンで使用するため、故障に限らずバッテリーの発火や爆発等の事故につながる恐れがあります。パソコンメーカーが安全性に問題がないACアダプターを発売したとしても、他にも様々なメーカーが参入し発売するので、安全性の問題が残ります。粗悪なACアダプターが出回る可能性があります。

USB PD

USB PD(Power Delivery)を利用するACアダプター登場により、共通化が実現する可能性が出てきました。しかし、粗悪なACアダプターやケーブルが出回る可能性があり、実現に向け課題が残っています。パソコンメーカーが安全性の面で万全ではないと判断しており、USB PD採用を見送っています(2017/02/23時点)。

ACアダプターのケーブル

短いケーブルに交換可能

ノートパソコン等に付属するACアダプターのケーブルはどれも長いです。パソコンメーカーはケーブルの長さが不足しないように長めのケーブルを付属とします。持ち運ばず自宅等にて使用するなら長くてもよいです。持ち運ぶなら持ち運びしやすいように短いとよいです。短ければバッグ等の中に入れる際にかさばりません。そこで短いケーブルに交換する方法があります。ただし、ACアダプターとコンセントを接続するケーブルに限り交換可能です。

端子形状

端子形状には2P型(メガネ型)、3P型(ミッキー型)があり、端子形状が共通のケーブルを選べば交換できます。特殊な形状だと交換できません。ケーブルとACアダプターが一体の場合も交換できません。

変換アダプター

ACアダプター本体側が3P型(ミッキー型)、ケーブル側が2P型(メガネ型)の場合、変換アダプターを使用すると接続できます。このような変換アダプターに該当する製品が少ないですが、需要が少ないためです。

ACアダプター本体側が2P型(メガネ型)、ケーブル側が3P型(ミッキー型)の場合、接続可能とする変換アダプターがありません。需要が無きに等しいためです。

ケーブルの定格

交換用のケーブルを選ぶとき定格が125V・7Aなら大丈夫です。日本では100Vなので、ACアダプターが700Wまでならケーブルを交換し使用できます。ノートパソコン等に付属するACアダプターは700Wを超えません。もし700Wを超えるなら定格125V・7Aのケーブルを使用できませんが、例えば125V・12Aなら1200Wまで大丈夫です。

ACアダプターのつなぎっぱなし

つなぎっぱなしで過充電

昔は過充電を防ぐ保護回路が非搭載の製品がありました。過充電になると最悪発火し爆発するので、今ではどの製品にも保護回路があります。つなぎっぱなしでも過充電になりません。

つなぎっぱなしで充電と放電

ACアダプターをつなぎっぱなしで使用すると、バッテリーへ充電する、バッテリーが放電し電力供給する、両者が同時に発生する製品がありました。そのような製品ではACアダプターをつなぎっぱなしでの使用がよくありません。充電と放電が同時に発生することで温度が高くなりやすく、高温に弱いバッテリーの寿命が大きく縮むためです。今では存在しないのでACアダプターをつなぎっぱなしでよいです。

つなぎっぱなしで充電と高負荷の処理

負荷が高い処理を実行しCPU等の発熱が大きくバッテリーの温度を上げるほどの場合、同時に充電すると充電による熱も加わり温度が高くなりやすいです。充電が終わってから負荷が高い処理の実行が望ましいです。

つなぎっぱなしで100%満充電状態を維持

バッテリーが100%満充電状態だと劣化しやすいです。100%満充電状態を避けて、例えば80%まで充電したらACアダプターをつながないようにするとよさそうです。使用するのであれば放電と充電を繰り返すことになり劣化しやすいので、使用する場合はつなぎっぱなしでよいです。

バッテリーの充量電を設定できる場合、100%満充電状態まで充電しないように設定するとよいです。昔と違って今では100%満充電状態でも劣化が抑えられていますので、設定しなくてもあまり気にする必要がありません。できるだけ劣化を抑える場合、100%満充電状態にしないとよいです。

つなぎっぱなしで保管

しばらく使用せずに保管する場合、80%程度まで充電後つながないようにするとよいです。100%満充電状態の場合は、80%程度に放電するまで使用してから保管するとよいです。充電量を設定できる場合、例えば50%程度に設定し、つなぎっぱなしで保管するのもありです。

不在中のつなぎっぱなし

不在中に万が一落雷が発生し雷サージが侵入してきても、ACアダプターをつなぎっぱなしにしていなければ、雷サージの到達を防げます。雷が多い地域や雷が多い季節のとき、不在中はつながないようにするとよいです。

ACアダプターのトラブル

ACアダプター本体が隣の差し込み口を塞ぐ

ACアダプター本体のサイズが大きく本体部分にプラグが付いていると、コンセントによっては隣の差し込み口を塞ぐ場合があります。その場合、差し込み口の間隔が広いテーブルタップを使用する解決方法があります。複数の差し込み口に分岐する延長コードを使用する解決方法もあります。


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