メモリーのHBM(High Bandwidth Memory)
最終更新日
2024年03月03日
メモリーのHBM(High Bandwidth Memory)とは
基礎
メモリーのHBMとはHigh Bandwidth Memoryの略で、積層したメモリーをTSVで接続し、インターフェースチップとプロセッサーをシリコンインターポーザーで接続し、メモリーとプロセッサーの間で高速なデータ転送速度を実現する技術です。HBMの構造例
メモリー | ||
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メモリー | ||
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プロセッサー | インターフェースチップ | |
シリコンインターポーザー | ||
基板 |
上図はHBMの構造例です。3個のメモリーを積層です。
TSV
TSVとはThrough Silicon Viaの略で、チップに微細な穴を開けて電極を通し、チップ同士の接続や、チップと基板の接続を行う技術です。日本語の呼び方には、シリコン貫通電極があります。HBMではメモリー同士の接続や、メモリーとインターフェースチップの接続に使用します。シリコンインターポーザー
シリコンインターポーザーとは、配線のみ作ったシリコンチップを使用するインターポーザーです。インターポーザーとは、端子ピッチが異なるチップと基板の間で中継するためや、基板に搭載する複数のチップ間を接続するために使用するものです。HBMではインターフェースチップとプロセッサーの接続や、インターフェースチップと基板の接続や、プロセッサーと基板の接続のために使用します。シリコンインターポーザーを使用するメリット
HBMはHMCに似ています。HMCとはHybrid Memory Cubeの略で、HBMからシリコンインターポーザーをなくした技術がHMCです。HMCでは、インターフェースチップとプロセッサー間の配線を基板で行います。基板では配線密度を高めるのが難しいです。そのため、インターフェースチップでバス幅を変換し、インターフェースチップとプロセッサー間のバス幅を小さくします。バス幅を小さくしても高速なデータ転送速度を実現するために、インターフェースチップとプロセッサー間のデータ転送クロック周波数を高くします。シリコンインターポーザーでは配線密度を高くできます。そのため、インターフェースチップとプロセッサー間も高いバス幅を実現できます。HBMではインターフェースチップでバス幅の変換を行いません。シリコンインターポーザーは基板よりも電流が流れやすいため、データ転送するための信号の電圧と電流を抑えられるメリットもあります。シリコンインターポーザーは配線密度を高くできるため、配線が占める面積を小さくできるメリットもあります。
HBMのメリット、デメリット
HBMのメリット
HBMには、データ転送速度が速い、消費電力を抑えられる、以上のメリットがあります。HBMではバス幅が大きいため、低いデータ転送クロック周波数で高速なデータ転送速度を実現しています。データ転送クロック周波数が低いため、消費電力が低いです。
HBMのデメリット
HBMには、コストが高い、以上のデメリットがあります。コストが高い主な理由は、シリコンインターポーザーを使用するためです。コストが高いデメリットは大きくありません。その証拠にHBMが普及しました。もしコストが高すぎると普及しません。
出典
・ASCII.jp:いまさら聞けないIT用語集 超広帯域メモリー規格のHBM (2/3)(2018/03/19更新記事)
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