他サイトのキャプチャ画像を自サイトに掲載しても良い?

最終更新日 2023年09月07日

他のウェブサイトをキャプチャし画像にして自分のウェブサイトに掲載しても良いのか

著作権法 | 国内法令 | 著作権データベース | 公益社団法人著作権情報センター CRIC にて著作権法の第二条1項一号を読むと、著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と書かれています。

たいていのウェブサイトには文章や画像等で構成されており、これらは著作物とは認められない場合もありますが、ここでは著作物として認められることを前提として話を進めます。それぞれが著作物であれば、各著作物で構成されたウェブサイトも著作物と認められると考えられます。

他のウェブサイトの著作権者から許諾を得たなら、そのウェブサイトをキャプチャし画像にして自分のウェブサイトに掲載しても良いですが、許諾を得ずに掲載する場合は引用要件を満たさないと著作権侵害になる可能性があります。

著作権法の第三十二条1項には引用要件が次のように書かれています。
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
これでは引用要件が曖昧でわかりづらいですが、過去の判例からもう少しわかりやすい引用要件が一般的に認識されています。

著作物が自由に使える場合 | 文化庁 にて引用要件を参考にすると
(1)他人の著作物を引用する必然性があること。
(2)かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること。
(3)自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)。
(4)出所の明示がなされていること。(第48条)
と書かれています。これら4項目だけではなく著作権法の第三十二条1項に書かれているとおり公表された著作物であるかどうかも気をつけなければなりません。

インターネットに公開され誰でもアクセスできるウェブサイトであれば公表された著作物と判断して良いと思います。会員登録した人しか見られない等、限られた人しか見られないコンテンツが掲載されているウェブサイトの場合、公表された著作物に当てはまる場合もあれば当てはまらない場合もあります。

公表された著作物に当てはまるとしても、さらにはウェブサイトの規約でも禁止されていないとしても、限られた人しか見られないコンテンツが写る状態で他のウェブサイトをキャプチャし画像にして自分のウェブサイトに掲載する行為は倫理的な問題がありますので、掲載はしない方が良いです。

先の引用要件(2)と(4)を満たすようにするのは比較的簡単です。引用要件(2)を満たすようにする方法は様々ですが、例えば自分の著作物となる文章中にキャプチャ画像を挟み、文章とキャプチャ画像との間には1行くらいの空白行を入れ、キャプチャ画像を中央に表示させておけば引用要件(2)を満たすと思います。引用要件(4)については、ウェブサイト名と URL を明示しておけば満たすと思います。

引用要件(1)と(3)を満たしているのかどうか判断するのは難しく、裁判で争ってみないとわからないところがあります。例えば、自分が便利だと思った他のウェブサイトの利用方法を解説する場合、他のウェブサイトをキャプチャし画像にして自分のウェブサイトに掲載し、キャプチャ画像を利用してわかりやすく解説するなら引用要件(1)を満たすと思います。

その場合では解説する内容が自分の著作物となりますが、解説内容があってこそ読者が理解できるものとなっており、キャプチャ画像はわかりやすいように補足する存在であれば、引用要件(3)を満たすと思います。

他のウェブサイトをキャプチャし画像にして自分のウェブサイトに掲載する場合は、たいていはウェブサイト全体ではなく一部を掲載することになると思います。その場合は、著作者人格権の中の一つ同一性保持権を侵害する可能性があります。

同一性保持権の条文は著作権法の第二十条に書かれており、その1項には「著作者は、その著作物及びその題号の同一性を保持する権利を有し、その意に反してこれらの変更、切除その他の改変を受けないものとする。」と書かれています。

著作権法の第二十条2項四号によれば、「著作物の性質並びにその利用の目的及び態様に照らしやむを得ないと認められる改変」は認められており、ウェブサイトの一部を掲載することは必ずしも同一性保持権を侵害するとは限りません。

これに関しても同一性保持権を侵害していないのかどうか判断することは難しく、裁判で争ってみないとわからないところがあります。

先に例をあげた自分が便利だと思った他のウェブサイトの利用方法を解説する場合だと、解説に関わってくるウェブサイトの一部分だけ掲載し、また丸印や矢印等を付けてわかりやすくするなら、やむを得ないと認められる改変に当てはまると思います。

参考

ホームページ著作権保護 - 行政書士高橋幸也うめさと駅前事務所

画面キャプチャの利用はどこまで許される? | WEBに関わる法律講座

ホームページの雑誌掲載:スクリーンショットの無断掲載は著作権侵害か | 法務ネット:弁護士 川内康雄

サイト画面などの著作物を正しく引用する方法とは?/【漫画】僕と彼女と著作権・第3話 | 僕と彼女と著作権 | Web担当者Forum


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