Raphael(第5世代AMD Ryzen)

最終更新日 2023年09月07日

基礎

Raphaelとは、AMDのCPUの開発コードネームの一種です。ラファエロと読みます。Vermeerの後継です。RaphaelのCPUはデスクトップパソコン向けです。

発売年

2022年にRaphaelのCPUの発売が始まりました。

マイクロアーキテクチャー

RaphaelのマイクロアーキテクチャーはZen 4です。Zenは第1世代、Zen+は第2世代、Zen 2は第3世代、Zen 3は第4世代なのでZen 4は第5世代です。Zen 4に4を含むが第4世代ではありません。

プロセスルール

Raphaelのプロセスルールは5nm FinFETです。

CPUソケット

RaphaelのCPUソケットはSocket AM5です。Socket AM5はSocket AM4と互換性がありません。

ブランド

ブランドにRyzen 9、Ryzen 7、Ryzen 5があります。モデル・ナンバーが7000番台の製品があり、これら製品をRyzen 7000シリーズと呼びます。

AMD Ryzenの世代

RaphaelのAMD Ryzenの世代が第5世代です。

メインメモリー

RaphaelのCPUはDDR5-5200に対応、デュアルチャンネルに対応です。

先代のVermeerではDDR4 SDRAMに対応しており、RaphaelではDDR5 SDRAMに移行しました。新しい高性能なDDR5 SDRAMを使用できるメリットがありますが、性能が十分高い従来のDDR4 SDRAMを使用できないデメリットもあります。

PCI Express

RaphaelのCPUはPCI Express 5.0に対応、最大レーン数が24です。

性能

マイクロアーキテクチャーがRaphaelはZen 4、VermeerはZen 3です。Zen 4のIPCがZen 3よりも約13%高いです。IPCとはInstructions Per Cycleの略で、1サイクルあたりに実行できる命令数です。1クロックあたりの性能と言えます。プロセスルールがZen 3では7nm FinFET、Zen 4では5nm FinFETで微細化が進み、クロック周波数が向上しています。IPCとクロック周波数の向上により、Raphaelの性能がVermeerよりも約29%高いです。

Cinebench R23

Raphael、Vermeer、両者をベンチマークのCinebench R23で性能比較しました。比較に使用する製品は入手しベンチマークテストできた製品なので比較に未使用の製品があります。

Raphael

Vermeer

モデル・ナンバーの1桁目が異なり、2桁目から4桁目が同じ製品に注目すると後継の製品がわかります。例えばRyzen 9 7950XはRyzen 9 5950Xの後継です。

コア数とスレッド数が変わっていないが、RaphaelはVermeerと比べてマルチスコアが大幅に向上しています。シングルスコアも大幅に向上しています。

Cinebench R23

AMDがインテルのAlder Lake-Sと性能比較を行い宣伝していたので、こちらではベンチマークのCinebench R23で性能比較しました。比較に使用する製品は入手しベンチマークテストできた製品のみです。

Raphael

Alder Lake-S

AMDの発表ではRaphaelがAlder Lake-Sよりも大幅に性能が高いと宣伝していたが、Cinebench R23のシングルスコアではあまり変わりません。AMDではRaphaelの方が性能を発揮しやすいベンチマークを使用したと思われます。あまり変わらないが、Raphaelのクロック周波数が向上したせいかシングルスコアではRaphaelの方が優れています。マルチスコアでもRaphaelの方が優れていますが、Raphaelの方がコア数とスレッド数に優れているので当然です。

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