インテルCPUのプロセスルールの+(プラス)は改良版

最終更新日 2023年09月07日

インテルCPUのプロセスルールの+(プラス)は改良版を意味する

基礎

インテルCPUのプロセスルールに+(プラス)が付く場合があります。+が改良版を意味します。改良版では回路を微細化していないが、回路に改良を加えており性能向上、消費電力と発熱の低下等を実現しています。

複数の+が付くプロセスルール

プロセスルールに複数の+が付く場合があります。改良版の改良版を意味します。例えば14nm++の場合、14nmの改良版14nm+の改良版です。

+が登場した背景

開発コードネームがKaby Lakeのプロセスルールで+が登場しました。Kaby Lakeのプロセスルールは14nm+であり14nmの改良版です。インテルではプロセスルールの微細化、新しいマイクロアーキテクチャーに刷新を繰り返し、この繰り返し通りに進めばKaby Lakeでは微細化の予定でした。しかし、技術的な問題により微細化が難しく改良版になりました。改良版とわかるようにするために+が登場しました。

インテルCPUのプロセスルールの変更

一覧

インテルCoreプロセッサー・ファミリーの第6世代から、プロセスルールの変更を下記の表にまとめます。

インテルCore 開発コードネーム プロセスルール
第6世代 Skylake 14nm
第7世代 Kaby Lake 14nm+
第8世代 Kaby Lake Refresh 14nm+
Coffee Lake 14nm++
Whiskey Lake 14nm++
Amber Lake 14nm+
Cannon Lake 10nm
第9世代 Coffee Lake Refresh 14nm++
世代なし Cascade Lake 14nm++
第10世代 Comet Lake 14nm+++
Comet Lake Refresh 14nm+++
Ice Lake 10nm
第11世代 Tiger Lake 10nm SuperFin
Rocket Lake 14nm++++
第12世代 Alder Lake Intel 7

Ice Lakeの10nm

インテルではIce Lakeを10nmとしています。本来はCannon Lakeの10nmの改良版なので10nm+です。Cannon Lakeの製品はCore i3-8121Uのみなので、Cannon Lakeの10nmはなかったことにしてIce Lakeでインテル初の10nmが登場としたと考えられます。

Tiger Lakeの10nm SuperFin

Tiger LakeではSuperFinが改良版を意味すると変更がありました。従来通り+を使用する場合は10nm+です。

Alder LakeのIntel 7

Alder Lakeのプロセスルールが当初は10nm Enhanced SuperFinでした。10nm SuperFinの改良版を意味します。後に他メーカーの7nmに相当を示す目的でIntel 7に変更がありました。

コラム

14nmでは改良版ばかりとコア数増加でCPU不足が起きた

上記の表で、インテルCoreプロセッサー・ファミリーの第6世代から第10世代までに登場した開発コードネームとプロセスルールを見ると、14nmと14nmの改良版ばかりです。14nmの改良版では、コア数が多いAMDのRyzenに対抗するために、インテルがコア数を増やしました。これらの要因によりCPU不足が起きました。CPU内部にある半導体チップの製造量が減ったためです。

CPU内部には、コアやキャッシュメモリー等である集積回路を焼き付けたシリコンウェハーの半導体チップがあります。半導体チップとは、シリコンウエハーと呼ぶ半導体の大きな基板上に回路を埋め込み、その後に小さな半導体の板に切り分けたものです。プロセスルールの微細化なしにコア数を増やすと半導体チップのサイズが大きくなり、1枚のシリコンウエハーから製造できる半導体チップの数が減ります。シリコンウエハーの生産量は急に増やせるものではないので、半導体チップの製造量が減りCPUの供給量も減りました。


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