AMDのPrecision BoostとPrecision Boost 2の違いとは?

最終更新日 2023年09月07日

AMD の Precision Boost と Precision Boost 2 の違いとは何か

AMD SenseMIテクノロジー | AMD には、Precision Boost と Precision Boost 2 について、以下のとおり書かれています。
Precision Boost
プロセッサーのパフォーマンスをリアルタイムで微調整、ゲームやアプリに必要なパフォーマンス要件に対応。

・クロック速度を25MHz単位で調整して、パフォーマンスを最適化
・作業を中断することなく、クロック速度を変更可能

Precision Boost 2
プロセッサーの動作周波数を適切に上げることで、CPUコアの数に関わらずパフォーマンスの応答性を向上。

・AMD Ryzenプロセッサーは、独自の電力消費と温度を監視します。
・動作に熱とノイズがないことをプロセッサーが感知すると、アプリケーションを問わず、クロック速度を25MHz単位で加速します。
Precision Boost と Precision Boost 2 どちらにも当てはまる内容が異なる言い方で書かれているようであり、両者の違いがいまいちはっきりしませんが、「CPUコアの数に関わらず」という点が違いそうです。

Ryzen Desktop 2000シリーズの自動クロックアップ機能「Precision Boost 2」「XFR2」とストレージ高速化機能「StoreMI」はどう使えばいいのか - 4Gamer.net には、以下のとおり書かれています。
 テストに先だって少しおさらいしておくと,第1世代Ryzenが採用していた自動クロックアップ機能「Precision Boost」(プレシジョンブースト)は,負荷がかかっているスレッド数に応じて動作クロックを変える機能だった。

(略)

したがって,第1世代のRyzenだと,3基以上のCPUコアに負荷が生じた場合には定格クロック動作になる。

(略)

 一方,第2世代Ryzenが採用したPrecision Boost 2は,CPUコア温度とCPUコア電圧&電流量を監視して動作クロックを変えるというのが特徴である。Precision Boostのように「負荷がかかるコア数」で一律に判断されるわけではなく,負荷状況に応じてリニアに動作クロックが変化するというわけだ。
Precision Boost ではクロック周波数が向上するのは2コアまで負荷がかかっている時であり、Precision Boost 2 ではコア数の制限はなくなったようです。

厳密には Precision Boost でクロック周波数が向上するのは2コアまでではなく2スレッドまでですが、Windows に限らず OS では可能な限り各スレッドを物理コアに割り当てますので2コアまでと説明できるそうです。

自動OC機能で大幅ブーストした第2世代誕生。Ryzen セカンドインパクト - PC Watch には、以下のとおり書かれています。
 ブースト技術がPrecision Boost 2へと強化されたのもポイントだ。初代のPrecision Boostでは3スレッド以上実行時に低く設定されていた上限設定がなくなり、メニースレッド実行時でも(温度や電流などが安全な範囲内にあれば)大きくブーストできるようになった。

(略)

 初代のPrecision Boostは、アクティブスレッド数で上限値を決めていたため、1、2スレッド実行時には大きくブーストする一方、3スレッド以上では小幅なブーストにとどまっていた。Precision Boost 2ではスレッド数の条件を撤廃し、温度などが安全な範囲内であれば、メニースレッド時でも大きくブーストできるようになった。
4Gamer.net の記事では、Precision Boost では3スレッド以上だと定格クロック動作になると読み取れる内容が書かれていましたが、同記事の全体を読むと3スレッド以上だとクロック周波数が定格クロックにほぼ近くなるので、定格クロック動作になると記載していると考えられます。


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