ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊することがある?
最終更新日
2023年09月07日
ソフトウェアウイルスならハードウェアは壊れないのか
ウイルスにまつわる8つの都市伝説と本当の対処法 | ライフハッカー[日本版]
には、「ウイルスはハードウェアを壊す?」という問いに対する回答が、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2010年7月7日)
「ソフトウェアウイルスならハードウェアは壊れない」と書かれている点は気になるところです。ハードウェアを壊すハードウェアウイルスと呼ぶウイルスでも存在するのでしょうか。
もちろん、CIHなどのウイルスは、ファームウェアやBIOSに感染するが、ハードウェア自体には影響しない。BIOSレベルのウイルスに感染したら、BIOSの手動ワイプ、もしくは入れ替えをしよう。自分でできなければ、できる人、もしくは専門業者にやってもらうとよい。また、ソフトウェアウイルスならハードウェアは壊れない。ハードウェアの制御等を行うファームウェアやBIOSに感染し、ハードウェアを使えなくするウイルスは存在するようですが、また使うことができるよう復旧は可能であり、ハードウェアを壊すことはないようです。
「ソフトウェアウイルスならハードウェアは壊れない」と書かれている点は気になるところです。ハードウェアを壊すハードウェアウイルスと呼ぶウイルスでも存在するのでしょうか。
ウイルスはハードウェアを破壊できるのか、その答えは言葉の解釈によって異なるのか
ウソ?本当?:ウイルスはPCのハードウェアを破壊できるか | カスペルスキー公式ブログ
には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2015年9月29日)
まずはマザーボードの例について見てみます。
ウイルスによりマザーボードは使えなくなりましたので、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したと言えるかもしれません。
しかし、パソコンのハードウェアを破壊と聞くと、多くの人は物理的に破壊とイメージすると思いますが、ウイルスが破壊したのはブートプログラムでありマザーボードを物理的に破壊したわけではありませんので、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したとは言い難いと思います。
Win95.CIHというウイルスの場合においては、破壊をどう解釈するかによって、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊するのか答えが分かれると思います。
同記事には、HDDの例も掲載されていますので見てみます。
同記事には、自動車の例も掲載されていますので見てみます。
あくまでも個人的な予想ですが、多くの人は、パソコンのハードウェアが物理的に破壊されないと、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したとは見なさないと思います。
自動車の例では物理的に破壊される可能性がありますが、多くの人は自転車をパソコンと見なさないと思います。
そのため、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊することはない、これが一般的な共通認識になると思います。
さて、ウイルスは実際にPCのハードウェアを破壊できるでしょうか?これはウソ?それとも、本当?同記事には、解釈によって答えが異なる例が幾つか掲載されています。
本当です。ただし、「破損/破壊」「ウイルス」「PC」などの言葉をどう解釈するかによって、答えは大きく異なります。
まずはマザーボードの例について見てみます。
たとえば、1999年、Win95.CIH(別名Chernobyl)ウイルスが世界的に大流行し、何万台ものマシンが被害に遭いました。このマルウェアはハードドライブとマザーボードのBIOSチップに格納されたデータを破壊しました。感染したPCの中には、ブートプログラムを破壊されて起動しなくなったものもあり、攻撃の被害から復旧するには、BIOSチップの交換とデータの書き直しが必要でした。このウイルスによりマザーボードのブートプログラムが破壊されてしまうと、個人で修理するのは難しく、メーカーに修理を依頼する必要があったと考えられます。
本当に、PCは物理的に破損したのでしょうか?いいえ、実は違います。手間はかかりましたがマザーボードは修理され、元通り動作するようになりました。もっとも、標準的な「家庭用救急キット」では解決できず、専用の器具が必要でしたが。
ウイルスによりマザーボードは使えなくなりましたので、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したと言えるかもしれません。
しかし、パソコンのハードウェアを破壊と聞くと、多くの人は物理的に破壊とイメージすると思いますが、ウイルスが破壊したのはブートプログラムでありマザーボードを物理的に破壊したわけではありませんので、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したとは言い難いと思います。
Win95.CIHというウイルスの場合においては、破壊をどう解釈するかによって、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊するのか答えが分かれると思います。
同記事には、HDDの例も掲載されていますので見てみます。
たとえば、ハードドライブのファームウェアが改変されてしまったという話があります。備忘のため記しておくと、Kaspersky Labのエキスパートはサイバースパイ活動Equationを分析する際、さまざまなHDDモデルのマイクロプログラムコードに挿入されたスパイウェアモジュールを調査しました。これらのマルウェアに感染したディスクは完全に乗っ取られ、フォーマットしても修復できません。このHDDの例でも、破壊をどう解釈するかによって、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊するのか答えが分かれると思います。
標準的なツールセットでは、ファームウェアを変更できません。ファームウェアをアップデートできるのは、ファームウェア自体です。ご想像のとおり、やろうとすれば大苦戦必至です。もちろん、たまたま専用の器具を持っていれば、マイクロプログラムを力づくで変更できるかもしれません。しかし現実には、感染したドライブはまっすぐゴミ箱行き。これが最もコスト効率の良い方法です。
これは物理的な破損と言えるでしょうか?議論の分かれるところです。
同記事には、自動車の例も掲載されていますので見てみます。
その上、「コンピューターとはどのような機械なのか」の定義がかなりあいまいです。たとえば、近ごろの自動車はある意味コンピューターであり、さらに重要なことには、インターネット接続している上にタイヤも付いています。先日大々的に発表されたジープのリモートハッキングの実演からもわかるように、自動車はリモートハッキングや侵入の危険にさらされています。自動車を個人が所有するコンピューターと見なしてパソコンと解釈し、ウイルスは広い意味を持ちリモートハッキングという意味も含むと解釈すると、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊することがあると言えるかもしれません。
確かにハッキングしているのはハッカーであって、ウイルスではありません。しかし、このような攻撃を受けたせいで、車が道端の電柱に衝突するかもしれません。これは、破損と言ってよいのではないでしょうか。
あくまでも個人的な予想ですが、多くの人は、パソコンのハードウェアが物理的に破壊されないと、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊したとは見なさないと思います。
自動車の例では物理的に破壊される可能性がありますが、多くの人は自転車をパソコンと見なさないと思います。
そのため、ウイルスはパソコンのハードウェアを破壊することはない、これが一般的な共通認識になると思います。