T型フリップフロップとカウンタ

最終更新日 2023年09月07日

T型フリップフロップとは

フリップフロップには様々な種類があります。その中の一つであるT型フリップフロップは、入力されたパルス信号の数を数えるために使われる回路です。入力されたパルス信号の数を数えるT型フリップフロップを、カウンタと呼ぶこともあります。

以下の図は、T型フリップフロップの回路記号です。

T型フリップフロップの回路記号
T型フリップフロップの回路記号

T はパルス信号が入力される端子、Q はパルス信号が出力される端子、文字の上に線がある Q もパルス信号が出力される端子です。

以下の図は、入力されたパルス信号と出力されたパルス信号です。

入力されたパルス信号と出力されたパルス信号
入力されたパルス信号と出力されたパルス信号

T に1つ目のパルス信号が入力されると、Q からパルス信号が出力され、文字の上に線がある Q からはパルス信号が出力されなくなります。

T に2つ目のパルス信号が入力されると、Q からパルス信号が出力されなくなり、文字の上に線がある Q からはパルス信号が出力されます。

それ以降は、以上の繰り返しとなります。T にパルス信号が入力される度に Q と 文字の上に線がある Q からパルス信号が交互に出力されるのが特徴です。

Q から出力されるパルス信号にて電圧が低いを0、電圧が高いを1とすると、回路の真理値表は以下のとおりです。

T入力パルス数 Q出力 2進数
0 0 0
1 1 1

T型フリップフロップが1つあれば、入力されたパルス信号を2進数1桁まで数えることができます。

T型フリップフロップの多段接続

以下の図は、T型フリップフロップを2段重ねにした回路記号です。

T型フリップフロップを2段重ねにした回路記号
T型フリップフロップを2段重ねにした回路記号

T型フリップフロップが1段の場合と同様に入力パルス信号と出力パルス信号について考えることができます。ちなみに、文字の上に線がある Q1 からはパルス信号が出力されると、T2 にパルス信号が入力されます。

以下の図は、各端子における入力されたパルス信号と出力されたパルス信号です。

各端子における入力されたパルス信号と出力されたパルス信号
各端子における入力されたパルス信号と出力されたパルス信号

Q1 と Q2 から出力されるパルス信号にて電圧が低いを0、電圧が高いを1とすると、回路の真理値表は以下のとおりです。

T1入力
パルス数
Q2出力 Q1出力 2進数
0 0 0 00
1 0 1 01
2 1 0 10
3 1 1 11

フリップフロップを2段重ねにすると、入力されたパルス信号を2進数2桁まで数えることができます。

同様にフリップフロップを3段重ねにすると、入力されたパルス信号を2進数3桁まで数えることができます。同様にフリップフロップをn段重ねにすると、入力されたパルス信号を2進数n桁まで数えることができます。

以上から電子回路にてフリップフロップを使えば2進数を表せることがわかります。私達は10進数を利用して数字を扱うことが多いですが、9を2進数で表すと1001ですので、1桁の10進数(0〜9)を2進数で表すためにはフリップフロップを4段重ねにすれば可能となります。

参考

図解雑学 電子回路(著者:福田務、田中洋一郎、出版社:ナツメ社、出版年:2001年)

図解入門 よくわかる最新電子回路の基本と仕組み(著者:国島保治、出版社:秀和システム、出版年:2004年)


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