半導体チップのプロセスルール

最終更新日 2023年09月07日

半導体チップのプロセスルールとは

基礎

半導体チップのプロセスルールとは、半導体チップの回路の配線の幅です。回路にトランジスター同士を結ぶ配線があります。プロセスサイズ、プロセスノード、製造プロセスルール、製造プロセス、設計ルール等、他にも様々な呼び方があります。

プロセスルールの微細化

プロセスルールを小さくするメリット

プロセスルールを小さくするほど、半導体チップのサイズが小さくなり製造コストが減ります。半導体のサイズを変えない場合、小さくするほどトランジスターの数を多くでき機能や性能を向上できます。小さくするほど配線の抵抗が小さくなり、発熱と消費電力が減ります。

プロセスルールの微細化が約0.7倍ずつの理由

1970年にインテルが1103と呼ぶDRAMチップを開発しました。その後、DRAMチップに限らず他の半導体チップも微細化が約0.7倍ずつ進みました。約0.7倍×約0.7倍=約0.49倍なので、約0.7倍の微細化により面積が約半分になります。一度にもっと微細化を進めるのが不可能ではありませんでしたが、微細化の達成にコストと時間がかかりすぎるので約0.7倍になりました。

プロセスルールと実際の配線の幅の不一致

プロセスルールが350nmまで微細化が進み、その後の微細化ではプロセスルールと実際の配線の幅が一致しなくなりました。それでもプロセスルールの表記は約0.7倍が続きました。例えば350nmの次は250nmです。実際の配線の幅は250nmより大きいです。

プロセスルールの表記のみ約0.7倍の理由

プロセスルールと実際の配線の幅の不一致後も、プロセスルールの表記は約0.7倍が続くとしたままです。微細化の予定を何年も先まで公表しており、プロセスルールの表記を実際の配線の幅にすると微細化が実現したときに修正が必要になる場合が出てきて複雑になってしまうためです。

プロセスルールの表記

単位nm未使用の表記

プロセスルールの表記と実際の配線の幅が一致しなくなり、その後も単位nmを使用する表記を続けてきました。単位nmを使用する表記にすると実際の配線の幅であると誤解が発生する場合が多く、単位nmを使用しない表記への変更が増えました。表記に単位nmを使用しなくなったのであり、プロセスルールで単位nmを使用することは続いています。メーカーによっては単位nm未使用の表記に特別な意味を持たせている場合があります。

インテルの単位nm未使用の表記

2021年にインテルはプロセスルールをIntel 7、Intel 4、Intel 3、Intel 20A、Intel 18A等と表記することに変更しました。Aはオングストロームであり0.1nmです。20Aは2nmです。18Aは1.8nmです。表記に含む数字に単位nmを付ける、例えばIntel 7を7nmとすると、これは他メーカーのプロセスルール7nmに相当を意味します。


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