半導体ロードマップ
最終更新日
2024年02月25日
半導体ロードマップとは
基礎
半導体ロードマップとは、ITRSが議論してまとめた将来の半導体技術情報です。ハンドウタイ・ロードマップと読みます。将来の候補となる半導体技術、現状の半導体技術では解決できない問題等をまとめた情報を、2年ごとに公表しています。この情報を基に、半導体製造メーカー、半導体製造装置メーカー、半導体材料メーカー等が開発計画を立てます。
ITRS
ITRSとはInternational Technology Roadmap for Semiconductorsの略で、将来の半導体技術について議論を行ったり、半導体技術のロードマップを作成し公表する組織です。半導体ロードマップのプロセスルール
1994年公表のプロセスルール
年度 | 1995 | 1998 | 2001 | 2004 | 2007 | 2010 |
---|---|---|---|---|---|---|
プロセスルール(μm) | 0.35 | 0.25 | 0.18 | 0.13 | 0.1 | 0.07 |
3年前からの縮小率(%) | - | 71.4 | 72.0 | 72.2 | 76.9 | 70.0 |
上表は1994年に公表した半導体ロードマップのプロセスルールです。プロセスルールは主にムーアの法則により決めています。ムーアの法則の定義は厳密に決まっていませんが、定義の一つがチップに作れるトランジスター数が2年で2倍です。
縮小率が約70%の理由
プロセスルールの3年前からの縮小率が約70%ですが、トランジスター数を2倍にするためです。大雑把ですが、トランジスター数を2倍にするためには、トランジスターや配線の面積を半分にすればよいです。これらの面積が半分になれば、チップの半分に空きスペースができます。その空きスペースに面積が半分になったトランジスターや配線を増やせますので2倍になります。トランジスターや配線の面積を半分にするためには、縦横それぞれを1/√2にすればよいです。1/√2は約0.7です。単位に%を使用すると約70%です。プロセスルールが配線の幅のため、プロセスルールを約70%に小さくすればよいです。
3年の理由
半導体ロードマップのプロセスルールではトランジスター数が3年で2倍です。この理由は、インテル以外が2年では短いので2年より長くして欲しいと要望を出したためです。ハーフルール
2002年頃からハーフルールを追加しています。3年ごとにプロセスルールを縮小するだけではなく、3年の途中で縮小することに決めたためです。縮小は前倒しではなく、ある時点のプロセスルールと3年後のプロセスルールの中間程度まで縮小です。この中間程度に縮小したときのプロセスルールをハーフルールと呼びます。下表はプロセスルールとハーフルールの例です。
プロセスルール(nm) | 180 | 130 | 90 | 65 | 45 | 32 | 22 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ハーフルール(nm) | 150 | 110 | 80 | 55 | 40 | 28 | 20 |
180nmの時点から見ると、3年の途中で150nmに縮小し、3年後に130nmに縮小です。
出典
・半導体ロードマップ | 時事用語事典 | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス(2009/02公開記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり 1991年以降のプロセスを振り返る (3/3)(2014/02/17更新記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり 新技術導入で浮上した銅汚染問題 (1/3)(2014/02/23更新記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり 1991年以降のプロセスを振り返る (3/3)(2014/02/17更新記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり 新技術導入で浮上した銅汚染問題 (1/3)(2014/02/23更新記事)
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