PCI Express

最終更新日 2021年11月15日

PCI Expressとは

基礎

PCI Express(Peripheral Component Interconnect Express)とは、PCIの後継となる規格です。PCI ExpressはPCIと物理的な互換性も電気的な互換性もありません。PCIはパラレル伝送ですが、PCI Expressはシリアル伝送です。レーン(データの通り道のようなもの)を複数利用して最大速度の向上が可能です。規格上では最大64レーンまで利用可能ですが、一般的にパソコンでは最大16レーンまで利用します(2021/11/16時点)。

AGPからPCI Expressへ移行

主にビデオカードが利用してきたAGPからPCI Expressへ移行が進みAGPが廃れました。両者には物理的な互換性も電気的な互換性もありません。もし物理的な互換性はなくても電気的な互換性はあれば容易に変換できますが、電気的な互換性もないので変換が難しいです。変換アダプターとして使用できる変換ボードが販売されましたが普及しませんでした。変換ボードを使用しても正常に動作しないトラブルが多かったので実験的な製品に留まりました。

エンベデッド・クロック方式を採用した理由

エンベデッド・クロック方式とは転送する信号にクロックを埋め込む方式です。PCI Expressの信号を受け取った機器は、信号からクロックを生成して利用し信号に含むデータを取り出します。

ソース・シンクロナス方式ではデータ信号とクロック信号を別々に転送します。複数の配線を設け、1本はクロック信号用、他の配線はデータ信号用という配線構造になります。このような配線構造では、クロック信号とデータ信号それぞれの受け取るタイミングのずれをなくすのが厳しくなります。このスキュー(データ信号とクロック信号それぞれが到達する時間の差)が高速化実現が難しくなる原因になります。

この問題解決のためにPCI Expressはエンベデッド・クロック方式を採用しました。エンベデッド・クロック方式にすると配線を少なくできるメリットもあり、これも採用理由です。

PCI Expressの仕様書

PCI Express Base Specification

PCI Express Base Specificationとは、PCI Expressの基本仕様書です。

PCI Express Card Electromechanical Specification

PCI Express Card Electromechanical Specificationとは、PCI Express拡張カードの形状、コネクター、信号等について規定した内容をまとめた仕様書です。

PCI Expressの最大速度

規格

PCI Expressは規格によって最大速度が異なります。

規格 最大速度(1レーン)
PCI Express 1.0 2.5Gbps
PCI Express 2.0 5Gbps
PCI Express 3.0 10Gbps

最大速度は1レーンあたりの最大速度です。PCI Expressを採用するインターフェースでは、規格に限らずレーン数も最大速度に影響します。

Generation、世代

規格についてGenerationを使用し表記する方法もあります。例えばPCI Express 2.0の場合、PCI Express Generation 2と表記します。略してPCI Express Gen 2と表記する場合もあります。日本語でPCI Express 第2世代と表記する場合もあります。PCI Express 2.0世代等、他にも異なる表記方法があります。

GT/s(Transfer/sec)を使用する理由

PCI Expressにて転送する信号の全てがデータではありませんので、信号速度に相応しい単位GT/sを使用する場合があります。信号の80%分がデータです。単位のGbpsやGB/sを使用すると信号の全てがデータだと誤解を招きます。GbpsやGB/sはデータ速度に相応しいです。GbpsやGB/sを使用しても間違いではありません。

PCI Expressの互換性

互換性の有無

PCI Expressの規格は互換性があり、規格が異なっても最大速度が遅い方に合わせて動作します。最大速度が落ちることによって本来の性能を発揮できなかったり正常に動作しないこともあります。

規格が異なる組み合わせ時の最大速度

PCI Expressを採用しているインターフェースの中にマザーボードの拡張スロットがあります。その拡張スロットに拡張カードを接続し使用するとし、両者の規格が同じ場合や異なる場合の最大速度は以下のとおりです。

拡張スロット 拡張カード 最大速度
PCI Express 1.0 PCI Express 1.0 2.5Gbps
PCI Express 2.0 2.5Gbps
PCI Express 3.0 2.5Gbps
PCI Express 2.0 PCI Express 1.0 2.5Gbps
PCI Express 2.0 5Gbps
PCI Express 3.0 5Gbps
PCI Express 3.0 PCI Express 1.0 2.5Gbps
PCI Express 2.0 5Gbps
PCI Express 3.0 10Gbps

ビデオカードの性能への影響

PCI Express 3.0対応ビデオカードをPCI Express 2.0対応拡張スロットで使用しても、性能低下しない場合が多いです。ビデオカードのVRAM容量が不足し、メインメモリーとのデータ転送が大量に発生すると、PCI Express 2.0の最大速度では不足し性能低下する場合があります。

以上はGeForce GTX 980 Tiまで様々なベンチマークを実行し確認済みです。その後に発売の新しいGPU搭載ビデオカードではPCI Express 2.0対応拡張スロットで使用すると、VRAM容量が不足しなくても性能低下する可能性があります。

PCI Expressのレーン数

割り当てられるレーン数

PCI Expres対応の拡張スロットはレーン数が多いほど形状が長いです。形状のレーン数と割り当てられるレーン数が同じとは限りません。例えば、形状が16レーン(x16)でも割り当てられるレーン数が16レーンとは限らず、例えば8レーンの場合があります。コンピューターでは利用可能な総レーン数に限りがあるためです。

拡張スロットの使用状況により割り当てられるレーン数が変わる場合があります。例えば、形状が16レーンの拡張スロットが2本あり、1本のみ使用する場合は16レーンが割り当てられる、2本を使用する場合は割り当てられるレーン数がそれぞれ8レーンと8レーンになる場合があります。割り当てられるレーン数に決まったパターンがなく、マザーボードによって違います。

割り当てられるレーン数の減少によるビデオカードの性能への影響

PCI Expressは最大速度に優れていますので、一般的には割り当てられるレーン数が減少してもビデオカードの性能への影響がありません。大量のデータ転送が必要な高性能ビデオカードでも該当します。高性能ビデオカードは16レーン対応であり8レーンが割り当てられても、一般的には体感できるほどの性能差が出ません。8レーンの最大速度で十分な場合が多いためです。4レーンが割り当てられる場合だと性能差が出る場合が増えてきます。高性能ビデオカードのGeForce GTX 1080 Ti(PCI Express 3.0利用)でも8レーンが割り当てられていれば、高い負荷がかかるベンチマークを実行してもベンチマークスコアがほとんど同じです。高い負荷がかかるゲームをプレイしてもフレームレートがほとんど同じです。

PCI Express拡張カード

PCI Express拡張カードとは

PCI Express拡張カードとは、マザーボードのPCI Express対応拡張スロットに接続して使用するPCパーツです。PCI Expressカードと呼ぶ場合もあります。

PCI Express延長ケーブル

延長ケーブルによる影響

延長ケーブルを使用するとデータ信号が劣化するので、本来の性能を発揮しない、最悪正常動作しない場合があります。例えばビデオカードでは性能が低下する場合があります。性能低下すると言っても体感するほど低下しません。ベンチマークでスコアが最大でも約10%低下する程度です。主にノイズ混入が原因で性能低下するので、しっかりとノイズ対策された延長ケーブルであれば性能低下を抑えられます。


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