AGESA(AMD Generic Encapsulated Software Architecture)とは？

最終更新日 2023年09月07日

「Trinity」アーキテクチャ徹底研究!! 第二世代のAMD AシリーズAPUを試す (3) 今回のベンチマーク環境 | マイナビニュース には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2012年5月15日)

AGESAとはAMD Generic Encapsulated Software Architectureの略で、AMD64に対応したブートストラップのプロトコルである。

「AMD64」とは、AMDのCPUに採用されている命令セットアーキテクチャーです。命令セットアーキテクチャーとは簡単に言うと、CPUに処理させるにはどのような指示(命令)を与えれば良いのか、ある処理をさせたらどのような処理結果が返ってくるのか等、CPUの処理に関する設計のことです。

「ブートストラップ」とは、コンピューターの電源を入れてOSが起動するまでの処理のことです。略してブートと呼ぶこともあります。

「プロトコル」とは、通信においてよく使われる用語であり、通信の手順等の取り決めのことです。お互いに勝手な手順等で通信をし始めては通信できませんが、お互いに共通のプロトコルを利用することで通信可能となります。

プロトコルは、ソフトウェアの作り方に関する取り決めを意味する場合もあり、同記事に出てくるプロトコルは、この意味と思われます。

同記事に出てくるAGESAの説明と、各用語の意味を考慮すると、ブートストラップの処理を行うソフトウェアの一部に、AMDのCPUに対して処理を行うソフトウェアがあり、そのソフトウェアの作り方に関する取り決めがAGESAと考えられます。そのソフトウェアを開発するメーカーは、AMDが提供するAGESAに従って開発していると考えられます。

以上は個人的な考えです。AGESAに関する詳しい情報をAMDが公開していそうですが、そのような情報は見つからず、AGESAとは何かいまいちよくわかりません。

上記において、AGESAの解説が掲載されているマイナビニュースの記事を紹介しましたが、後にAGESAの解説が掲載されている記事が続々と登場したので紹介します。

AMD，Ryzen向け新ファームウェア「AGESA 1.0.0.6」のリリースを発表。メモリはDDR4-4000対応に - 4Gamer.net には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2017年5月26日)

　AGESA（AMD Generic Encapsulated System Architecture）というのは，AMDがAthlon 64以降で採用している，「起動時に実行されるブートローダー」の一種だ。CPUコアや各種インタフェースの初期化を行うもので，Ryzen向けとしては4月に1.0.04がリリース済み。

RyzenのマザーボードのBIOSアップデートのススメ - ツクモ福岡店　最新情報 には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2018年2月6日)

AMD用マザーボードにはAGESA（AMD Generic Encapsulated System Architecture）というBIOSの中にあるファームウェアのような仕組みがあり、 AGESAの更新で設定が追加されたり改良されたりします。具体的には、変更可能なメモリの設定内容が増える等の機能追加がされたり、安定性が向上したり、セキュリティ修正が入ったりします。 新CPUへの対応もAGESAの更新でされるようになっています。

(略)

このAGESAはBIOSに含まれているため、マザーボードメーカーで公開されているAGESAの更新が含まれているBIOSに更新することで、AGESAも更新されます。

AMDマザーで見かける「AGESA」とは？ : AKIBAオーバークロックCafe には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2019年10月30日)

　AGESAとは、AMD製CPU向けのファームウェアで、CPUが備える各機能やセキュリティ上のアップデート、新CPUのサポートなどがAGESAの更新によって提供されます。Intel製CPU向けのマザーボードで言う所のCPUマイクロコードと同様のものと考えて差し支えありません。

(略)

　AGESA自体はAMDが提供しているものですが、ユーザーが新しいバージョンのAGESAを利用するためには、各マザーボードメーカーがAGESAを更新したBIOSアップデートが提供されるまで待つ必要があります。

各記事においてAGESAの解説を見てみると、大体似たような内容が書かれています。

各記事を参考にすると、AMDのCPUが搭載されているコンピューターの電源を入れると、AMDのCPUの初期化等の処理を行うファームウェアが実行されますが、そのファームウェアがAGESAのようです。

AGESAの更新により、CPUに関連する機能が追加されたり、CPUの動作の安定性が向上したり、CPUのセキュリティー問題が修正されたり、新しいCPUに対応したりすることがあるようです。

AGESAはBIOSの中に含まれているようで、AGESAを更新する場合はBIOSの更新が必要となるようです。

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