なぜBIOSのバージョンダウンをできなくしている?

最終更新日 2023年09月07日

BIOSのバージョンダウンをできなくしている理由とは何か

主要メーカー製マザーボードの独自BIOS機能を探る 3/3 DOS/V POWER REPORT | Impress Japan には、BIOSのバージョンダウン(ダウングレード)をできなくしている理由について、以下のとおり書かれています。(この記事は2008年5月号の記事)
これはBIOSをダウングレードして起動できなくなるといった事故を防ぐためのメーカー側の配慮と思われるが、ユーザーとしては困ることになってしまう。
BIOSのバージョンダウンを行うと起動できなくなる等のトラブルが発生する可能性があるでしょうが、その可能性は低いと思われます。また、BIOSのアップデートを行う場合と比べて、トラブルが発生する可能性が高いとは思えません。それなのに、BIOSのアップデートはできるが、バージョンダウンをできなくしていることに対し、違和感を覚えます。

BIOSアップデート手順|テックウインド株式会社 には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は不明)
BIOSチップはマザーボードを生産するにあたり異なるチップが新規に採用される場合があります。当初は利用していないBIOSチップが採用された場合、 古いBIOSは新しいBIOSチップの制御方法を知らないため、メーカーでは正しく動作するよう新規に採用されたBIOSチップの制御手順を新しいバー ジョンのBIOSに追加します。

新しいBIOSチップを搭載したマザーボードはこの新しいBIOSを書き込んで生産される、という形です。

しかし、古いBIOSは新しいBIOSチップを搭載した製品では利用出来ないということですから、仮に新しいBIOSチップを搭載した製品に古いBIOSを書き込んでしまった場合、対応する制御手順を持っていない関係上、正常に動作しないということになります。

これを避けるため、バージョンダウンする操作を許可していない場合があるのです。
BIOSのアップデートを行う場合と比べると、BIOSのバージョンダウンを行うとトラブルが発生するリスクが高いようですので、BIOSのバージョンダウンをできなくしているマザーボードがあるようです。

同記事のさらなる解説によると、BIOSチップの種別を識別し、古いBIOSでも動作可能であればBIOSのバージョンダウンを許可する仕組みを実装する方法が考えられるそうですが、現状ではこのような実装は難しいそうです。


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