電源ユニットの80PLUS
最終更新日
2023年09月07日
電源ユニットの80PLUSとは
電源ユニットの80PLUSとは、80PLUSプログラムが推進する省電力プログラムで認定を行っている規格です。
20〜100%の負荷がかかるときに交流から直流に変換する効率が80%以上の場合、80PLUS認証を取得できます。
80PLUS認証を取得した電源ユニットには、本体、製品の梱包箱に80PLUSのロゴが記載されたラベルが貼られています。
20〜100%の負荷がかかるときに交流から直流に変換する効率が80%以上の場合、80PLUS認証を取得できます。
80PLUS認証を取得した電源ユニットには、本体、製品の梱包箱に80PLUSのロゴが記載されたラベルが貼られています。
80PLUSのランク
ランクの種類
80PLUSにはランクがあり、80PLUS(無印)、80PLUS BRONZE、80PLUS SILVER、80PLUS GOLD、80PLUS PLATINUM、80PLUS TITANIUMがあります。80PLUSスタンダード、80PLUSブロンズ、80PLUSシルバー、80PLUSゴールド、80PLUSプラチナ、80PLUSチタンという呼び方もあります。後者にいくほど、変換効率が高いランクです。ランクの変換効率
負荷率20%、50%、100%それぞれにおいて変換効率を測定した結果によってランクが決まります。80PLUS TITANIUMでは10%における測定結果も条件に含み、そのときに達成する必要がある変換効率が90%以上です。以下は、クリアしなければならない各ランクの変換効率です。左から負荷率20%、50%、100%における変換効率です。80 PLUSランク |
変換効率 (負荷率 20% / 50% / 100%) |
---|---|
80 PLUSスタンダード | 80% / 80% / 80% |
80 PLUSブロンズ | 82% / 85% / 82% |
80 PLUSシルバー | 85% / 88% / 85% |
80 PLUSゴールド | 87% / 90% / 87% |
80 PLUSプラチナ | 90% / 92% / 89% |
80 PLUSチタン | 92% / 94% / 90% |
ランクが同じでも電源ユニットによって変換効率の高さが違いますが、その違いが小さいです。
80PLUSのメリット、デメリット
メリット
変換効率が100%ではないと、変換できず無駄になった電力が発生し熱になります。80PLUS認証を取得している電源ユニットは変換効率が高いので、変換効率が低い場合と比べて消費電力と発熱が減るメリットがあります。消費電力が減ると、電気代を抑えられるメリットにつながります。電気代の節約になりますが、かなり長期間に渡って使い続けないと、価格に上乗せされた80PLUS認証取得関連コストの分を、節約した電気代で回収が難しいです。
発熱が減ると熱による劣化を抑えられるメリットがあります。電源ユニットに冷却ファンがある場合、発熱が減ると冷却ファンの回転数を下げることができ、静音性が向上するメリットがあります。
電源ユニットの消費電力は、以下の式で求められます。
(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)÷(変換効率)-(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)
電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力が350Wとし、変換効率が70%(0.7)とます。
350W/0.7-350W=150W
500W-350W=150W
150Wが電源ユニットの消費電力であり熱になります。
変換効率が80%(0.8)とします。
350W/0.8-350W=87.5W
437.5W-350W=87.5W
変換効率が10%上がると87.5Wにまで減ります。
デメリット
80PLUS認証を取得するために変換効率を高める必要があり、それには部品の品質を高める等、コストがかかりますので、価格が高いデメリットがあります。変換効率が高いほど価格が高く、80PLUSのランクが上位になるほど価格が高いとも言えます。
80PLUSにすると節約できる電気代
変換効率の差、パソコンの消費電力、パソコンの使用時間、電気代等、様々な条件によってどのくらい電気代を節約できるのか違ってきます。
80PLUS対応だと最低でも変換効率が80%あります。一般的に80PLUS非対応だと変換効率が70%です。電源ユニットの変更で変換効率が70%から80%に上がるとします。
一般的に日常用途やビジネス用途におけるパソコンの消費電力(電源ユニット自体の消費電力は除く)は約100Wなので、これを採用します。1日あたりのパソコン使用時間を8時間とします。1,000Whあたりの電気代を25円とします。
以下の式を利用します。
(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)÷(変換効率)-(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)=電源ユニット自体の消費電力
変換効率70%、変換効率80%、それぞれの電源ユニット自体の消費電力を求めます。
100W÷70%-100W=約43W
100W÷80%-100W=25W
以下の計算により、変換損失の軽減が約18Wです。
約43W-25W=約18W
18Wとします。節約できる電気代を求めます。
18W×8h×365d=52,560Wh(1年間に削減できる消費電力量)
52,560Wh÷1,000Wh×25円=1,314円(1年間に節約できる電気代)
節約できる電気代が1,314円です。大した節約額ではありませんが、約5年間使用すると6,570円節約できます。高い負荷がかかる用途に消費電力が大きい高性能パソコンを長時間使用すると、さらに節約できる電気代が増えます。条件次第では価格が高くても80PLUS対応電源ユニットを選び使用するとよいです。
80PLUS対応だと最低でも変換効率が80%あります。一般的に80PLUS非対応だと変換効率が70%です。電源ユニットの変更で変換効率が70%から80%に上がるとします。
一般的に日常用途やビジネス用途におけるパソコンの消費電力(電源ユニット自体の消費電力は除く)は約100Wなので、これを採用します。1日あたりのパソコン使用時間を8時間とします。1,000Whあたりの電気代を25円とします。
以下の式を利用します。
(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)÷(変換効率)-(電源ユニットを除いたパソコンのPCパーツの消費電力)=電源ユニット自体の消費電力
変換効率70%、変換効率80%、それぞれの電源ユニット自体の消費電力を求めます。
100W÷70%-100W=約43W
100W÷80%-100W=25W
以下の計算により、変換損失の軽減が約18Wです。
約43W-25W=約18W
18Wとします。節約できる電気代を求めます。
18W×8h×365d=52,560Wh(1年間に削減できる消費電力量)
52,560Wh÷1,000Wh×25円=1,314円(1年間に節約できる電気代)
節約できる電気代が1,314円です。大した節約額ではありませんが、約5年間使用すると6,570円節約できます。高い負荷がかかる用途に消費電力が大きい高性能パソコンを長時間使用すると、さらに節約できる電気代が増えます。条件次第では価格が高くても80PLUS対応電源ユニットを選び使用するとよいです。
80PLUSと品質
変換効率を高くするには設計、部品、製造の品質を高める必要がありますので、80PLUS認証を取得した電源ユニットは品質が高く、80PLUSのランクが上位になるほど高品質です。
電源ユニットの品質が高いと、パソコンの動作の安定性の向上、長寿命化につながります。
例えば、CPUやGPUの負荷が大きく変わっても電圧が安定しており、パソコンの動作が不安定になりません。
品質が低いと電圧が大きく変化し、パソコンの動作が不安定になる可能性が出てきます。
電源ユニットの寿命はコンデンサーの寿命と言えるほどですが、寿命が長い高品質コンデンサーを採用しており、電源ユニットの寿命が長いです。
電源ユニットの品質が高いと、パソコンの動作の安定性の向上、長寿命化につながります。
例えば、CPUやGPUの負荷が大きく変わっても電圧が安定しており、パソコンの動作が不安定になりません。
品質が低いと電圧が大きく変化し、パソコンの動作が不安定になる可能性が出てきます。
電源ユニットの寿命はコンデンサーの寿命と言えるほどですが、寿命が長い高品質コンデンサーを採用しており、電源ユニットの寿命が長いです。
80PLUSと価格
80PLUS認証を取得するために高い変換効率を実現するにはコストがかかりますので、80PLUS認証を取得した電源ユニットの価格が高いです。
80PLUSのランクが上位になるほどコストがかかり価格が高くなります。
コストの削減が進んでいますので、価格の低下が見られます。
例えば、2010年頃では80PLUS GOLD認証の取得に必要な変換効率を達成するには非常にコストがかかり、取得した電源ユニットの価格が高すぎで普及していませんでした。
5年後の2015年頃になるとコスト削減が進み価格が下がっており、80PLUS GOLD認証を取得した電源ユニットが普及していました。
80PLUSのランクが上位になるほどコストがかかり価格が高くなります。
コストの削減が進んでいますので、価格の低下が見られます。
例えば、2010年頃では80PLUS GOLD認証の取得に必要な変換効率を達成するには非常にコストがかかり、取得した電源ユニットの価格が高すぎで普及していませんでした。
5年後の2015年頃になるとコスト削減が進み価格が下がっており、80PLUS GOLD認証を取得した電源ユニットが普及していました。
80PLUS認証の未取得
80PLUS認証を取得していない電源ユニットがありますが、変換効率が低いとは限りません。
取得にはコストがかかりますので、取得できるほどの高変換効率を実現しても価格を安くするために取得していない場合があります。
取得にはコストがかかりますので、取得できるほどの高変換効率を実現しても価格を安くするために取得していない場合があります。
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