富士通の内蔵HDD不具合問題とは?
最終更新日
2023年09月07日
富士通の内蔵HDD不具合問題とは
昔の話ですが、富士通の内蔵 HDD に不具合が発生する問題がありました。
この問題について富士通が発表した内容が、 FMV−DESKPOWERシリーズ 内蔵ハードディスクの不具合について FMV- My Cloud - サポート : 富士通 に掲載されていますが、不具合について以下のとおり書かれています。
富士通、FMVシリーズなどの内蔵HDDに起動不良などの不具合 や ASCII.jp:富士通、FMVシリーズとPRIMERGYの内蔵HDDに不具合の可能性 を見ると、もう少し不具合について詳しく書かれていますが、富士通が発表した内容を伝えているだけに近い記事です。
これらの記事によると、高温多湿の使用環境で長時間使用した場合、電源を入れると HDD が起動不良を起こしたり、稼動中の HDD が認識されない等の不具合が見られました。不具合の原因は、外部から購入したコントローラー LSI に一部不良品が混在していたためでした。
富士通では、「ユーザーからの報告を受け、社内で規定している故障率を上回っていることが確認された」とし、「対象製品は数万台だが、全ての製品で不具合が発生するわけではない」としました。
社内で規定している故障率とはどれくらいなのか、また内蔵 HDD の不具合によりどれくらいの故障率となったか不明で、問題の深刻さがかわかりません。
失敗事例 > 富士通ハード・ディスク・ドライブ不良問題 に詳しく書かれていましたので、どれくらい問題が深刻だったか伺える内容に限らず、不具合の原因も見てみます。
垂直統合型デバイスメーカーという体制から分業化を進めSiファンドリーやファブレス、パッケージ組立専業メーカー等が登場しましたが、不具合の原因となった封止材を使用したのはパッケージ組立専業メーカーやファブレスでした。
技術力や経験が不足していたので、赤リンを含む封止材を使うと不具合を起こすことを知らず、十分な技術力や経験があれば防ぐことができたと思われます。
だからと言って、パッケージ組立専業メーカーやファブレスのみに問題があったとは言えません。垂直統合型デバイスメーカーは LSI 全体の信頼性の責任を負っていましたが、分業化により責任が分散され、LSI 全体の信頼性の責任を負うところがなく、それぞれ自分自身の工程の責任に留まっていました。そのため、LSI 全体の信頼性を保証できない状況でした。
そのため、企業間同士で訴訟合戦の様相を見せ、各訴訟は和解に至りましたが、どの企業が最も問題だったのかよくわからない結果です。分業化はいろんなところで行われてきましたが、分業化の弊害について考えさせられる問題だったと思います。
この問題について富士通が発表した内容が、 FMV−DESKPOWERシリーズ 内蔵ハードディスクの不具合について FMV- My Cloud - サポート : 富士通 に掲載されていますが、不具合について以下のとおり書かれています。
この度、2000年冬モデルFMV−DESKPOWERシリーズの一部装置において、高温多湿の使用環境で長時間使用した場合、まれに内蔵ハードディスク装置に不具合が発生することが判明いたしました。あくまでも個人的な印象ですが、高温多湿の使用環境とは通常の使用環境ではない、高温多湿の使用環境で長時間使用したとしてもまれに不具合が発生する、以上から大した問題ではなかった印象を受けます。大半のユーザーには不具合は発生しなかった可能性があると思えますが、富士通は控えめな表現にした可能性があります。
富士通、FMVシリーズなどの内蔵HDDに起動不良などの不具合 や ASCII.jp:富士通、FMVシリーズとPRIMERGYの内蔵HDDに不具合の可能性 を見ると、もう少し不具合について詳しく書かれていますが、富士通が発表した内容を伝えているだけに近い記事です。
これらの記事によると、高温多湿の使用環境で長時間使用した場合、電源を入れると HDD が起動不良を起こしたり、稼動中の HDD が認識されない等の不具合が見られました。不具合の原因は、外部から購入したコントローラー LSI に一部不良品が混在していたためでした。
富士通では、「ユーザーからの報告を受け、社内で規定している故障率を上回っていることが確認された」とし、「対象製品は数万台だが、全ての製品で不具合が発生するわけではない」としました。
社内で規定している故障率とはどれくらいなのか、また内蔵 HDD の不具合によりどれくらいの故障率となったか不明で、問題の深刻さがかわかりません。
失敗事例 > 富士通ハード・ディスク・ドライブ不良問題 に詳しく書かれていましたので、どれくらい問題が深刻だったか伺える内容に限らず、不具合の原因も見てみます。
使用開始から半年〜1年後にLSIのパッケージ内のピン間短絡で故障が発生した。このLSIの端子間短絡は、赤リンを含む住友ベークライトのパッケージ封止材が原因。これに対して,封止材を提供した住友ベークライトは「パッケージ組立メーカーの認定を受けた材料を提供している」と正当性を主張,責任の所在をめぐり法的紛争にまで発展した。封止材メーカー,パッケージ組立メーカー,LSIメーカー,HDDメーカー,そしてパソコン・メーカーと,エレクトロニクス業界におけるサプライ・チェーンの中で,複雑に水平分散化した業界構造が一因にある。かなり問題は深刻だったことが伺えます。不具合の原因を作ったのは封止材メーカーの住友ベークライトと思えますが、この記事全体を読むと住友ベークライトのみを責められません。
(略)
富士通のパソコン用ハードディスク・ドライブ(HDD)が、使用開始から半年〜1年後に故障する問題が発生した。不良率は通常レベルの2桁以上高い0.8%。
(略)
2000年秋頃から2002年夏頃にかけて、富士通のパソコン用HDDのフィールド不良が急増、不良率は通常は50ppm以下のところ2桁以上高い0.8%に達した。
(略)
米メリーランド大学内にある世界の50社以上の通信、航空、自動車、電子機器メーカーや連邦政府などの資金で活動している産学協同の研究機関「CALCE」が、複数の会員企業からの報告に基づき調査したところ、製品を稼働させてから6〜12カ月間で問題が起きることが多く、不良率は約1%という結果を得た。
垂直統合型デバイスメーカーという体制から分業化を進めSiファンドリーやファブレス、パッケージ組立専業メーカー等が登場しましたが、不具合の原因となった封止材を使用したのはパッケージ組立専業メーカーやファブレスでした。
技術力や経験が不足していたので、赤リンを含む封止材を使うと不具合を起こすことを知らず、十分な技術力や経験があれば防ぐことができたと思われます。
だからと言って、パッケージ組立専業メーカーやファブレスのみに問題があったとは言えません。垂直統合型デバイスメーカーは LSI 全体の信頼性の責任を負っていましたが、分業化により責任が分散され、LSI 全体の信頼性の責任を負うところがなく、それぞれ自分自身の工程の責任に留まっていました。そのため、LSI 全体の信頼性を保証できない状況でした。
そのため、企業間同士で訴訟合戦の様相を見せ、各訴訟は和解に至りましたが、どの企業が最も問題だったのかよくわからない結果です。分業化はいろんなところで行われてきましたが、分業化の弊害について考えさせられる問題だったと思います。
キャンペーン情報(PR) |
---|
富士通
・シークレットクーポン 特別割引のクーポン (キャンペーン実施中) |