なぜ56KΩ抵抗入りUSB変換ケーブルなのに最大3A対応?

最終更新日 2023年09月07日

なぜ56KΩ抵抗入り USB 変換ケーブルなのに最大3A対応なのか

USB Type-A と USB Type-C の組み合わせで接続できるようにする USB 変換ケーブルには、56KΩの抵抗を入れることに USB Type-C の規格で決められています。

他の組み合わせ、例えば Micro USB Type-B と USB Type-C の USB 変換ケーブルでも56KΩの抵抗を入れることになっていますが、ここでは USB Type-A と USB Type-C の USB 変換ケーブルについて書きます。

56KΩの抵抗を入れなければならない理由を簡単に言うと、USB Type-A よりも USB Type-C の方が流せる最大電流が大きく、USB Type-A と USB Type-C の USB 変換ケーブルでは、USB Type-A が流せる最大電流を超えないようにするために56KΩの抵抗が必要となります。

もし56KΩの抵抗が入っていないと USB Type-C が流せる最大電流が流れてしまい、USB Type-A では USB Type-A が流せる最大電流を超えてしまい危険です。実際に56KΩの抵抗が入っていない USB 変換ケーブルが流通し問題となりました。

USB には様々な規格がありますが、流せる電流の最大値についてのみ書くと USB Type-A では1.5Aまで、USB Type-C では3Aまでであり、56kΩの抵抗により1.5Aを超えないことになります。

56kΩの抵抗が入っている USB Type-A と USB Type-C の USB 変換ケーブルには様々な製品がありますが、その中には最大3Aまで対応している製品が見られます。

56kΩの抵抗が入っていれば最大1.5Aまで対応していれば良いと思われますが、最大3Aまで対応しているのは疑問です。

【山田祥平のRe:config.sys】百均アクセサリはその素性を明記せよ(パート2) - PC Watch には、56kΩの抵抗入りで最大3Aまで対応している製品のパッケージに記載されている発売元の株式会社アットキューに問い合わせて得られた回答の内容が掲載されています。
 電話のサポート担当氏によれば、世の中にはいろいろなデバイスがあって、抵抗の値をチェックすることなく大電流を要求したり、供給したりするものも少なくないのだという。そのため、余裕をもって3Aの電流が流れても大丈夫な容量を持つケーブルを使っているとのことで、それがパッケージの「3.0A急速充電対応」という文言につながったようだ。つまり、このケーブルは規格にきちんと準拠しているわけだ。
正しく56KΩの抵抗が入っているが、56KΩの抵抗が入っていても1.5A以上の電流が流れる場合があり、その場合でも最大3Aまで対応できるように作られているようです。

USB Type-Cケーブルで安心・安全に充電するためには? [スマートフォン] All About には、エレコムと Anker に問い合わせて得られた回答の内容が掲載されています。エレコムの回答は以下のとおりです。
「A to Cのケーブルは、56kΩの抵抗が入ったケーブルですが、給電はいわゆるBCモード(最大1.5Aまでの給電)しかできないわけではなく、ケーブルが対応していれば、接続する端末によっては、1.5A以上の電流値で給電することはできます」
Anker の回答は以下のとおりです。
「USB-IFのプロトコルに準じると、A to Cケーブルの給電規格は5V/0.9A(ただしUSB BCの場合は5V/1.5A)ですが、急速充電のプロトコルでは5V/3Aを認めているものもあります」

(略)

「その一方で、急速充電のプロトコルにも、USB-IFのプロトコルにも正しく準じていないケーブルも、残念ながら世の中に出回っています。なお、3Aの場合は端末側、電源側、ケーブルの全てが当該の急速充電規格に対応しているものでないと、破損を招く可能性があるので十分ご注意下さい」
これらの回答からも、56KΩの抵抗が入っているとしても1.5A以上の電流が流れる場合があるので、最大3Aに対応していることがわかります。

Anker の回答にもありますが、56KΩの抵抗入りで最大1.5Aまで対応している USB ケーブルを、端末側と電源側の両者が1.5A以上に対応している場合に使うと危険ですので注意が必要のようです。

・56KΩ抵抗入りでも1.5A以上の電流が流れる場合があり、その場合でも最大3Aまで対応できるように作られている


キャンペーン情報(PR)
富士通
シークレットクーポン
特別割引のクーポン
(キャンペーン実施中)