ダイナミックディスクとベーシックディスクの違い

最終更新日 2023年10月22日

ダイナミックディスクとベーシックディスクの違いとは

基礎

ダイナミックディスクとベーシックディスクの違いとは、ダイナミックディスクは複数のパーティションを1つのボリュームとしても管理できる方式、ベーシックディスクはパーティションをそのままボリュームとして管理する方式です。

パーティションとボリュームの違い

パーティションとボリュームの違いとは、パーティションはストレージを論理的に区切った記憶領域、ボリュームはパーティション上に作成したファイルシステムの記憶領域です。ファイルシステムとは、ストレージに記録するファイルをOSが管理する仕組みです。

ボリュームに関する違い

作成可能なボリューム数

  作成可能なボリューム数
MBR形式 GPT形式
ベーシックディスク 4(※) 128
ダイナミックディスク 2000
(※)基本パーティションのみ作成する場合

MBR形式とは、MBRにパーティションテーブルがあるパーティション形式です。MBRとはMaster Boot Recordの略で、ストレージの先頭部分にあります。パーティションテーブルとは、ストレージに存在する各パーティションに関する情報を記録した領域です。

GPT形式とはGUID Partition Table形式の略で、GUIDを使用してパーティションを識別するパーティション形式です。

ベーシックディスクかつMBR形式では作成可能なボリューム数が4個ですが、これは基本パーティションのみ作成する場合です。基本パーティションを3個以下にすると拡張パーティションを1個作成できます。拡張パーティションの中に論理パーティションを128個まで作成できます。各パーティションにボリュームを作成できます。

基本パーティションとは、OSを起動できるパーティションです。拡張パーティションとは、論理パーティションの作成に必要なパーティションです。論理パーティションとは、拡張パーティションの中に作成するパーティションです。パーティションの種類分けがMBR形式にはありますがGPT形式にはありません。

ボリュームの種類

ダイナミックディスクでは、様々なボリュームを作成できるのでボリュームの種類があります。ベーシックディスクにはありません。

ダイナミックディスクでは、1台のストレージの中で離れた位置にあっても複数のパーティションを組み合わせて1個のボリュームを作成できます。このようなボリュームをシンプルボリュームと呼びます。

ダイナミックディスクでは、複数台のストレージのパーティション、それぞれを組み合わせて1個のボリュームも作成できます。このようなボリュームをスパンボリュームと呼びます。

RAIDを実現したボリュームの種類

ダイナミックディスクでは、複数台のストレージのパーティション、それぞれを組み合わせてRAIDを実現可能です。RAID 0、RAID 1、RAID 5を実現できます。RAID 0にしたボリュームをストライプボリューム、RAID 1にしたボリュームをミラーボリューム、RAID 5にしたボリュームをRAID 5ボリュームと呼びます。

RAIDに関する違い

ダイナミックディスクはRAID実現可能

ダイナミックディスクではRAIDを実現できますが、ベーシックディスクでは実現できません。

ダイナミックディスクが対応しているRAIDのレベルが、RAID 0、RAID 1、RAID 5です。RAID 0とは、複数台のストレージに分散してデータを書き込み、データ読み書き速度を向上させる技術です。RAID 1とは、複数のストレージに同じデータを書き込み、データの信頼性を高める技術です。RAID 5とは、書き込むデータからパリティーを生成し、データとパリティーを複数台のストレージに分散して同時に書き込み、データの信頼性を高める技術です。パリティーとは、障害が発生したストレージのデータを復元するときに使用するデータです。

ベーシックディスクでもRAID利用可能

ベーシックディスクではRAIDを実現できません。これはベーシックディスクにRAIDを実現する機能がない話です。ベーシックディスクでもRAIDを実現するハードウェアまたはソフトウェアを利用する方法があります。

OSに関する違い

ダイナミックディスクはWindowsのみ利用可能

ダイナミックディスクは、Windowsのみで利用できるストレージ管理方式です。ベーシックディスクは、Windowsに限らず他のOSでも利用できます。

変換に関する違い

ダイナミックディスクからベーシックディスクは変換不可能

ベーシックディスクからダイナミックディスクに変更する場合、データを保存したままデータを失わずに変換できます。

ダイナミックディスクからベーシックディスクに変更する場合、変換できません。ダイナミックディスクのボリュームのデータを、別のストレージにコピーします。ダイナミックディスクのボリュームを削除します。ベーシックディスクのボリュームを作成します。別のストレージにコピーしておいたデータをコピーして戻します。これで実質的には変換となります。

出典

ダイナミックディスクを活用する | 日経クロステック(xTECH)(2014/11/19公開記事)
ダイナミックディスクを活用する(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2014/11/19公開記事)
Windowsディスクのパーティションとは? 〜その作成/変更前に押さえておくべき基礎知識〜:Tech TIPS - @IT(2015/03/20公開記事)


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