Thunderboltの規格

最終更新日 2023年09月07日

Thunderboltの規格

Thunderboltとは

Thunderboltは、インテルとアップルが共同で開発したインターフェースの規格です。パソコンと周辺機器との接続に使用します。2011年にMacBook Proが初めてThunderbolt端子を搭載しました。

Thunderboltの最初の規格がThunderbolt 1ですが、単にThunderboltと呼ぶことが多いです。Thunderboltという用語が出てきたら、Thunderbolt全体を指しているか、Thunderbolt 1を指しているか適切に判断が必要です。

規格 最大速度(※) チャン
ネル数
プロトコル 最大
電力
端子形状
Thunderbolt 1 10Gbps 2 DisplayPort 1.1a
PCI Express 2.0
10W Mini DisplayPort
Thunderbolt 2 20Gbps 1 DisplayPort 1.2
PCI Express 2.0
10W Mini DisplayPort
Thunderbolt 3 40Gbps 1 DisplayPort 1.4
PCI Express 3.0
USB 3.x
100W USB Type-C
(※)片方向のデータ転送の最大速度

チャンネル

Thunderboltのデータ伝送路は、双方向にデータ転送可能です。

例えばパソコンと外付けストレージをThunderboltを利用して接続すると、パソコンから外付けストレージへのデータ転送と、外付けストレージからパソコンへのデータ転送を同時にできます。

Thunderboltでは1本のデータ伝送路を1チャンネルと数えることが多く、1レーンと数えることもありますが、ここではチャンネルを採用します。

プロトコル

プロトコルとは、人間が会話等で利用する言語のようなものです。人間が相手と会話するとき互いに同じ言語を利用しますが、パソコン等の機器が相手の機器とデータ転送を行うときでも互いに理解できる言語のようなものが必要です。それがプロトコルであり、プロトコルはデータ転送の決まりごとです。お互いの機器で同じプロトコルを利用する、すなわち同じデータ転送の決まりごとに従ってデータ転送することで、お互いの機器との間でデータ転送が成立します。

Thunderboltは複数のプロトコルに対応する方向で開発が進められ、まずはDisplayPortとPCI Expressこれら2つのプロトコルに対応になりました。DisplayPortはディスプレイ等への映像出力に使われてきたプロトコルであり、PCI Expressはマザーボードと拡張カードとの間でデータをやり取りするのに使われてきたプロトコルです。

DisplayPortのデータ転送とPCI Expressのデータ転送を同時にできるよう開発したので、例えば1本のThunderboltケーブルで外付けディスプレイと外付けストレージに対し同時にデータ転送ができます。両者を同時にデータ転送するためにPCI Expressの信号とDisplayPortの信号を混在した信号を、Thunderboltのネイティブ信号と呼びます。Thunderboltの独自信号、Thunderboltのオリジナル信号と呼ぶ場合もあります。

プロトコルにもバージョンがあり、Thunderboltの各バージョンが対応するプロトコルのバージョンが違う場合があります。

電力供給

Thunderboltは電力供給可能な規格です。光ファイバーのThunderboltケーブルを使用する場合は電力供給できません。

最大電力はハードウェアによって異なり規格上と一致するとは限りません。例えばThunderbolt 3端子を搭載するパソコンがあり、そのThunderbolt 3端子がUSB PDに対応でも最大60W等、100W未満の場合があります。USB PD非対応の場合、最大電力が15Wとは限らず15Wを下回る場合があります。

Thunderbolt 1

最大速度

Thunderbolt 1のデータ転送の最大速度は10Gbpsです。

Thunderbolt 1では2チャンネルであり、それぞれのチャンネルでは違うプロトコルのデータを転送します。

Thunderbolt 1では1つのチャンネルがDisplayPort専用、もう1つのチャンネルはPCI Express専用であり、それぞれの最大速度が10Gbpsです。

DisplayPortとPCI Express両者を合わせると、片方向の最大速度は20Gbps、双方向の最大速度は40Gbpsです。

DisplayPort専用チャンネル → 上り 10Gbps
← 下り 10Gbps
PCI Express専用チャンネル → 上り 10Gbps
← 下り 10Gbps

プロトコル

Thunderbolt 1が対応しているプロトコルは、DisplayPort 1.1a、PCI Express 2.0です。DisplayPortとPCI Express両者の信号を混在しデータ転送可能です。

電力供給

最大電力が10Wです。

端子形状

新しいインターフェースの規格は、既存とは違う新しい端子形状であることが多いですが、Thunderbolt 1の端子形状は、既存のMini DisplayPortの端子形状と同じです。

Thunderbolt 1は、既存のインターフェースの規格と互換性を持たせる方向で開発が進められ、Mini DisplayPortの端子形状が選ばれました。

Thunderbolt 2

最大速度

Thunderbolt 2のデータ転送の最大速度は20Gbpsです。

Thunderbolt 1とThunderbolt 2、どちらも最大速度が10Gbpsの信号線が4本あります。

Thunderbolt 1では、上り用の信号線1本と下り用の信号線1本を組み合わせた2本を1チャンネルとしており、2つのチャンネルがあります。

Thunderbolt 2では、Thunderbolt 1にある2つのチャンネルを集約し、上り用の信号線2本と下り用の信号線2本を組み合わせた4本を1チャンネルとしています。

2チャンネルから1チャンネルへ減りましたが、2つのチャンネルを1つのチャンネルに集約することで最大速度が10Gbpsから20Gbpsへ向上しています。

全てのチャンネルをまとめた場合の最大速度は、Thunderbolt 1では20Gbps(10Gbps×2チャンネル)、Thunderbolt 2では20Gbps(20Gbps×1チャンネル)であり両者は同じです。

Thunderbolt 2では1つのチャンネルを共有しますので、DisplayPortとPCI Expressそれぞれの最大速度が20Gbpsですが、両者合わせて20Gbpsまでという制限があります。

例えば、DisplayPort分で15Gbpsだと、PCI Express分の最大速度が5Gbpsになります。

プロトコル

Thunderbolt 2が対応しているプロトコルは、DisplayPort 1.2、PCI Express 2.0です。最大速度が10Gbpsであると最大速度が足りずDisplayPort 1.2に対応できませんので、Thunderbolt 1はDisplayPort 1.2に対応しておらずDisplayPort 1.1aなら対応しています。DisplayPort 1.2の最大速度は約20Gbpsですが、最大速度が20Gbpsに向上しましたので、DisplayPort 1.2に対応可能となりました。Thunderbolt 1と同様にThunderbolt 2でもDisplayPortとPCI Express両者の信号を混在しデータ転送可能です。

電力供給

最大電力が10Wです。

端子形状

Thunderbolt 2の端子形状は、Mini DisplayPortの端子形状と同じです。

互換性

Thunderbolt 2はThunderbolt 1と互換性がありますが、Thunderbolt 2はThunderbolt 1として機能し、実質Thunderbolt 1同士の接続となります。

Thunderbolt 3

最大速度

Thunderbolt 3のデータ(PCI ExpressデータとDisplayPortデータが混在したThunderboltネイティブデータ)転送では最大速度40Gbpsです。Thunderbolt 3も1チャンネルであり、チャンネルの集約なしに最大速度が20Gbpsから40Gbpsへ向上しています。

USBデータ転送ではUSB 3.2 Gen 2x1(USB 3.1 Gen2)対応なので最大速度10Gbpsです。DisplayPortデータ転送では、Thunderbolt 3登場当初はDisplayPort 1.2対応なので最大速度21.6Gbps、後にDisplayPort 1.4対応可能になり最大速度32.4Gbpsです。

プロトコル

Thunderbolt 3が対応するプロトコルは、DisplayPort 1.2、DisplayPort 1.4、PCI Express 3.0、USB 3.2 Gen 2x1(USB 3.1 Gen2)です。

Thunderbolt 2と同様にThunderbolt 3でもDisplayPortとPCI Express両者の信号を混在しデータ転送可能です。USBの信号は混在できません。

電力供給

最大電力が100Wです。Thunderbolt 3という規格上では最大15W(USB Type-C Currentの最大電力)です。USB PD(USB Power Delivery)に対応すると最大100Wです。

USB PD対応が必須ではないので、パソコン等にThunderbolt 3端子があってもUSB PD対応とは限りません。

端子形状

Thunderbolt 3から端子形状が変わり、USB Type-Cの端子形状と同じです。

端子がUSB Type-CでもThunderbolt 3に対応しているとは限りません。

互換性(Thunderbolt 2、Thunderbolt 1)

Thunderbolt 2、Thunderbolt 1と互換性があります。

端子形状が違いますので、変換アダプター(変換ケーブル)が必要です。

パソコン側がThunderbolt 3、周辺機器側がThunderbolt 2、1の場合、正常に動作すると見てよいでしょうが、あらゆる組み合わせで保証できません。

パソコン側がThunderbolt 2、1、周辺機器側がThunderbolt 3の場合、正常に動作しない可能性があり、例えばThunderbolt 3の最大速度を利用する機能があると正常に機能しません。

パソコン側も周辺機器側もThunderbolt 3に対応している組み合わせが確実です。

互換性(USB)

Thunderbolt 3とUSBは互換性があります。

パソコン側がThunderbolt 3、周辺機器側がUSBの場合、動作します。

周辺機器側がUSBだと対応できないパソコンがあるとは考えにくく、その存在を未確認ですが、もし存在した場合そのようなパソコンでは動作しません。

パソコン側がUSB、周辺機器側がThunderbolt 3の場合、動作しませんが、周辺機器によってはUSBにも対応しており、その場合は動作します。

USBは規格によって最大速度が違いますが、規格が違う場合は遅い方に合わせて動作しますので、速度が不足し正常に動作しない可能性があります。

互換性(DisplayPort)

Thunderbolt 3はDisplayPortと互換性があります。ただしDisplayPort Alternate Mode対応の場合に限ります。例えばパソコンにThunderbolt 3端子がありDisplayPort Alternate Mode非対応であれば互換性がありません。DisplayPort Alternate Mode対応の場合、例えばDisplayPort Alternate Mode対応のUSB Type-C端子がある外付けディスプレイに接続し映像出力できます。

Thunderbolt 4

Thunderbolt 4は、マイクロアーキテクチャーWillow Cove、開発コードネームTiger LakeのCPUに統合されました。

電力供給

最大電力はThunderbolt 3と同様であり、USB PD対応の場合は100W、非対応の場合は15Wです。

USB PD対応に関してはThunderbolt 3と異なり、ノートパソコンかつ消費電力が100W以下にThunderbolt 4端子を搭載する場合、USB PDを利用した電力の入力(充電と給電)に対応が必須です。複数のThunderbolt 4端子を搭載する場合、1つの端子のみ対応でもよいです。

互換性(DisplayPort)

Thunderbolt 3と同様にThunderbolt 4端子がDisplayPort Alternate Mode対応の場合は互換性があります。

Thunderbolt 3と異なりパソコン等のホストではDisplayPort Alternate Mode対応が必須です。ハブ、ドックでも対応が必須です。外付けストレージ等のデバイスでは対応が任意です。

デイジーチェーン

Thunderbolt は、デイジーチェーンに対応しています。デイジーチェーンで接続するなら、数珠つなぎのように接続します。例えば、パソコンと周辺機器3台をデイジーチェーンで接続すると、以下のような接続イメージとなります。

パソコン Thunderbolt
接続
周辺
機器1
Thunderbolt
接続
周辺
機器2
Thunderbolt
接続
周辺
機器3

デイジーチェーンを利用する接続可能な台数には上限があり、1つの Thunderbolt 端子に最大6台の周辺機器を接続できます。この上限は、Thunderbolt 1、Thunderbolt 2、Thunderbolt 3 との間で違いはありません。Thunderbolt に新しいバージョンが登場し、上限が変わるかもしれません。

最大6台という上限は、Thunderbolt の規格上の上限であり、パソコンや周辺機器の仕様によっては、上限は6台よりも小さいことがあります。

例えば、パソコンに複数台の外付けディスプレイをデイジーチェーンで接続するとし、パソコンの仕様により最大3台まで接続可能な場合があります。


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