AMD CPUのBulldozer

最終更新日 2024年02月06日

AMD CPUのBulldozerとは

基礎

AMD CPUのBulldozerとは、AMDのCPUのマイクロアーキテクチャーです。ブルドーザーと読みます。K10の後継です。

2011年にBulldozer採用CPUの発売が始まりました。

Bulldozerモジュール

Bulldozerの中心となる構成

Bulldozerモジュールとは、Bulldozerの中心となる構成です。Bulldozerモジュールには、命令キャッシュ、フェッチユニット、デコードユニット、浮動小数点演算スケジューラーユニット、浮動小数点演算ユニット、L2キャッシュがそれぞれ1個あります。整数演算スケジューラーユニット、整数演算ユニット、L1データキャッシュがそれぞれ2個あります。

Bulldozerの整数演算ユニット

整数演算ユニットのパイプライン本数

Bulldozerの整数演算ユニットには、整数演算パイプラインが2本、ロード/ストアパイプラインが2本あります。先代のK10の整数演算ユニットには、整数演算パイプラインが3本、ロード/ストアパイプラインが3本あります。

1クロック当たりに実行できる整数演算に関わる処理数が、Bulldozerは4個、K10は6個です。Bulldozerではシングルスレッドの整数演算に関わる処理の性能がK10の2/3です。

同時実行できるx86命令数

CPU内部ではx86命令を最終的にマイクロオプと呼ぶ内部命令に分解します。整数演算のx86命令は、整数演算パイプラインに流すマイクロオプとロード/ストアパイプラインに流すマイクロオプ、以上の2個に分解となるのが一般的です。この場合、同時に実行できるx86命令がK10では3個、Bulldozerでは2個です。BulldozerはK10と比べると同時に実行できるx86命令の数が2/3です。

同時実行できるx86命令数が減っても大幅な性能低下ではない理由

CPU内部ではアウトオブオーダーによってx86命令を並び替えます。アウトオブオーダーとは、スーパースカラーの効率を高めるために、コードのx86命令の順序に関係なく実行可能なx86命令を実行する技術です。スーパースカラーとは、CPUに複数のパイプラインを設け、複数のx86命令を同時実行する方式です。

アウトオブオーダーによって並び替えた結果、同時に実行できるx86命令の数が3個の場合が少なく2個の場合が多いです。そのため、Bulldozerでは同時に実行できるx86命令の数が3個から2個に減っても、大幅な性能低下がありません。

出典

性能の効率を追求したBulldozerのアーキテクチャー | 日経クロステック(xTECH)(2010/04/02公開記事)
性能の効率を追求したBulldozerのアーキテクチャー(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2010/04/02公開記事)


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