インテルのスレッド・ディレクター

最終更新日 2023年09月07日

インテルのスレッド・ディレクターとは

基礎

インテルのスレッド・ディレクターとは、ハイブリッド・アーキテクチャー採用CPUが発揮する性能を最大化する機能です。CPU本体に実装してあります。英語ではIntel Thread Directorです。略してITDと呼ぶ場合があります。

PコアとEコア

CPUがハイブリッド・アーキテクチャー採用の場合、CPUに性能重視のパフォーマンス・コアと電力効率重視のエフィシエント・コアがあります。以降では略してPコアとEコアと書きます。性能が重要な処理はPコアが実行する、それ以外の処理はEコアで実行し消費電力と発熱を抑えます。様々な処理をPコアとEコアどちらに実行させるとよいかOSが適切に判断できるようにスレッド・ディレクターが支援します。

仕組み

スレッド・ディレクターが各コアで実行している処理内容、各コアの使用率を監視します。OSが各コアに適切な処理の割り振りができるようにスレッド・ディレクターが各コアを監視して得られた情報をOSに伝えます。この情報を基にOSが各コアに処理を割り振ります。

学習

OSが各コアに適切な処理の割り振りができていないとスレッド・ディレクターが確認した場合、このことをスレッドディレクターがOSに伝えてOSが処理の割り振りを修正します。この修正が頻繁に起きていては処理が遅くなります。スレッド・ディレクターとOSが協力して人間のように学び、学んだ内容を基に処理をPコアとEコアどちらに割り振るとよいか適切に判断できるようにします。学習が進むと修正が少なくなり処理の低下を抑えます。

PコアとEコアに対し処理を適切に割り振るメリット

スレッド・ディレクターとOSが協力してPコアとEコアに対し処理を適切に割り振ることで、PコアとEコアが協力して様々な処理を実行します。例えばゲームの処理は主に性能重視のコアが実行し、セキュリティー対策ソフトの処理等、ユーザーが操作しておらずユーザーから見えないところで発生する様々な処理を電力効率重視のEコアが実行します。Pコアがゲームの処理に集中できゲームで発生する性能が最大化します。ゲーム以外の処理をEコアが実行することで消費電力と発熱を抑えられます。

スレッド・ディレクターの行動のイメージ

ここではスレッド・ディレクターの役割を簡易に書きます。Pコアが2個、Eコアが2個あるとします。Pコアが実行するのが相応しいゲームの処理と、Eコアが実行するのが相応しいセキュリティー対策ソフトの処理を実行するとします。OSが各コアに処理を割り振るが下記になったとします。

Pコア ゲームの処理
Pコア セキュリティー対策ソフトの処理
Eコア セキュリティー対策ソフトの処理
Eコア ゲームの処理

各コアを監視しているスレッド・ディレクターが、Pコアがセキュリティー対策ソフトの処理を実行しており、Eコアがゲームの処理を実行していることをOSに伝えます。この情報をもらったOSが下記のとおり修正します。

Pコア ゲームの処理
Pコア ゲームの処理
Eコア セキュリティー対策ソフトの処理
Eコア セキュリティー対策ソフトの処理

Windows 10でも使用可能

スレッド・ディレクターはWindows 11に最適な設計です。Windows 10には最適な設計ではないが、Windows 10でもスレッド・ディレクターを使用可能です。ただし、Windows 11を使用する場合と比べるとハイブリッド・アーキテクチャー採用CPUが発揮する性能が落ちます。

Raptor LakeではWindows 11 バージョン 22H2以降が必要

Alder Lakeの後継となるRaptor Lakeではスレッド・ディレクターが改良してあります。ただし、改良による効果を発揮するにはWindows 11 バージョン 22H2以降が必要です。これを満たさないと改良による効果がありませんが、性能に大差が出るわけではありません。


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