なぜCPUとGPUを統合したのか?
最終更新日
2023年09月07日
インテル社が CPU と GPU を統合した理由
インテル社は、マイクロアーキテクチャ Nehalem から CPU と GPU を統合しました。
Intelが目指すNehalemでのGPUとCPUの統合 - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース には、スティーブ・L・スミス氏が説明した CPU と GPU の統合理由について以下のとおり書かれています。
しかし、この記事の執筆者はスティーブ・L・スミス氏の説明を不十分としており、CPU と GPU を統合する理由について以下のとおり補足しています。
以上を簡単にまとめます。CPU にメモリーコントローラーを統合し GPU は統合しない選択肢もあります。膨大なメモリー帯域が不要であれば、GPU を統合せずにメモリーコントローラーの近くに GPU を置かなくても性能低下は少ないです。
CPU と GPU を統合することにより開発の難易度が上がることになっても、求められる3Dグラフィックス性能が高くなり膨大なメモリー帯域が必要となったため CPU と GPU を統合することになりました。
同記事によると、スティーブ・L・スミス氏は他にも CPU と GPU を統合する理由をあげています。
Intelが目指すNehalemでのGPUとCPUの統合 - 後藤弘茂のWeekly海外ニュース には、スティーブ・L・スミス氏が説明した CPU と GPU の統合理由について以下のとおり書かれています。
「今日のシステムパーティショニングでは、FSBを備えたCPUがあり、CPUからはFSBを挟んでメモリコントローラが位置する。そして、グラフィックスはメモリコントローラのオプションとなっている。1番目のチップはCPUプラスFSB、2番目のチップがメモリコントローラプラスオプションのグラフィックスというパーティショニングだ。CPU にメモリーコントローラーを統合しますが、GPU はメモリーコントローラーの近くに置く方が良いので、CPU と GPU を統合するということです。
グラフィックスは、基本的にメモリコントローラの側にあるものだ。実際、ディスクリートグラフィックスカードでは、(GPUに)メモリコントローラがある。グラフィックス統合チップセットのコンセプトも、メモリコントローラの近くにグラフィックスを置くことだった。(このコンセプトに沿った)今日の(Intelの)システムパーティショニングは、非常に効率的で、高いパフォーマンスを達成できている。
しかし、将来は、(CPUの)スケーラビリティを向上させるために、(Nehalemでは)メモリコントローラをCPU側へと移動させる。その時点になると、システムパーティショニングの自然な流れとして、グラフィックスもそちら(CPU)側に移ることになる。メモリコントローラがCPU側にある以上、グラフィックスコントローラを(CPUから)分離したチップにすることは、合理的ではなくなるからだ。グラフィックスをメモリコントローラと同じロケーションに移したいと考えている。このシステムパーティショニングの変化こそ、我々がグラフィックスを(CPU側へと)移す根本的な理由だ」
しかし、この記事の執筆者はスティーブ・L・スミス氏の説明を不十分としており、CPU と GPU を統合する理由について以下のとおり補足しています。
では、なぜ、IntelはNehalemでCPUにGPUを統合するのか。まず、CPU側は、性能を伸ばすためにメモリコントローラの統合が必要となっている。そして、今後のクライアントPCのソフトウェア環境では、一定水準の3Dグラフィックス性能が必須であり、そのためには膨大なメモリ帯域を必要とする。この記事の執筆者は、従来は CPU と GPU を統合していなかった理由もあげており、CPU と GPU は開発サイクルの長さが違うので CPU と GPU を統合しない方が開発しやすいという理由があるそうです。
この点がWindows Vista前と後で大きく違う点であり、メモリ帯域のために、今後のGPUコアはメモリコントローラとオンチップで接続する方が有利となる。特に、パフォーマンス/消費電力を考えれば、その方が有利だ。結果として、IntelもAMDも、GPUコアをCPU側に持ってこようとしている。
以上を簡単にまとめます。CPU にメモリーコントローラーを統合し GPU は統合しない選択肢もあります。膨大なメモリー帯域が不要であれば、GPU を統合せずにメモリーコントローラーの近くに GPU を置かなくても性能低下は少ないです。
CPU と GPU を統合することにより開発の難易度が上がることになっても、求められる3Dグラフィックス性能が高くなり膨大なメモリー帯域が必要となったため CPU と GPU を統合することになりました。
同記事によると、スティーブ・L・スミス氏は他にも CPU と GPU を統合する理由をあげています。
「我々は45nmプロセスになって、初めて統合グラフィックスとメモリコントローラをCPU側に移すことができるだけのゲート数のバジェットを得た。それも統合化の1つの理由だ。45nmプロセスでなら、製造時に、平均ダイサイズで膨大なペナルティを負うことなく、(CPUにGPUコアとメモリコントローラを)統合することができる」もし半導体プロセスの微細化が遅れていたなら、CPU と GPU の統合も遅れたと思われます。半導体プロセスの微細化が進んでいたら、もっと早く CPU と GPU の統合が行われたかもしれませんが、求められる3Dグラフィックス性能が高くなるまで行われなかった可能性もあると考えられます。
AMD 社が CPU と GPU を統合した理由
ASCII.jp:AMD「Fusion」はCPUとGPUの密な統合を目指す (1/4)|ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情
には、AMD 社のジョー・マクリー氏の話が掲載されています。
Fusion は CPU と GPU の統合を意味するとでも思っておけば十分ですが、ジョー・マクリー氏は CPU と GPU を統合する目的について以下のとおり述べています。
CPU と GPU を統合しても、GPU は汎用的な処理に向いていない、GPU の命令インターフェースは独特すぎる、GPU は CPU のキャッシュメモリーから直接データをやり取りできずメインメモリーを経由するので処理効率が上がらない等の問題が残るので、いきなり汎用的な処理能力を向上させることができるわけではありませんが、CPU と GPU を統合することでこれらの問題を解決できる可能性が高まります。
Fusion は CPU と GPU の統合を意味するとでも思っておけば十分ですが、ジョー・マクリー氏は CPU と GPU を統合する目的について以下のとおり述べています。
Fusionの目的は2つある。ひとつは、コンサバティブなx86コアの性能向上に限界が見え始めたこと。もうひとつは、GPGPU(GPU演算)の積極的な利用である。つまり、CPU と GPU を統合し、GPU をグラフィックス関連の処理だけでなく CPU のように汎用的な処理を行う役割を持たせて汎用的な処理能力を向上させるということです。
CPU と GPU を統合しても、GPU は汎用的な処理に向いていない、GPU の命令インターフェースは独特すぎる、GPU は CPU のキャッシュメモリーから直接データをやり取りできずメインメモリーを経由するので処理効率が上がらない等の問題が残るので、いきなり汎用的な処理能力を向上させることができるわけではありませんが、CPU と GPU を統合することでこれらの問題を解決できる可能性が高まります。
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