金属入りCPUグリスに導電性はなくショートの恐れはない?

最終更新日 2019年05月20日

導電性がありショートの恐れがある金属入りの CPU グリスはあるのか

ここでは、CPU で使うグリスの中で金属入りのグリスに導電性はあるのかないのかについて記載しますが、明らかに導電性がある金属入りのグリスは除くとします。例えば、CPU で使うグリスの中には、液体金属入りのグリスがありますが、このようなグリスは明らかに導電性があります。CPU 以外で使われるグリスまで見ると、導電する目的のために使われる金属入りグリス、すなわち明らかに導電性がある金属入りのグリスがあります。

CPU で使うグリスの中には、金属入りのグリスがあります。例えば、銀入りのグリス(シルバーグリス)、銅入りのグリス(ブロンズグリス)等があります。金属入りのグリスは導電性がありますので、ショートしないようにマザーボードの電子回路等に付着しないように気をつける必要があると聞くことがあります。一方、金属入りのグリスには導電性がなくショートの恐れはないと聞くこともあります。

例えば、 AS-05 | Ainex には、シルバーグリス Arctic Silver 5 の特徴や仕様等が書かれていますが、特徴には「非導電性でショートの心配がありません」と書かれています。ただし、注意事項として「導電性は非常に少ないですが、リード線・回路・端子間などに付着しないようにしてください。」と書かれています。

非導電性でショートの心配がないとしているのに、導電性は非常に少ないですがリード線・回路・端子間などに付着しないようにと注意を促しており、何となく矛盾しているように見えます。

導電性は非常に少ないからと気にせずにリード線・回路・端子間などにグリスを付着させてしまうと、ショート以外の問題が発生する可能性があるので注意を促しているのかもしれません。例えば、端子間にグリスが付着すると導通を妨げてしまう恐れがあると思います。

「非導電性でショートの心配がありません」とは、基本的にはショートの心配はないが絶対にショートしないわけではないことを意味しており、条件次第ではショートの恐れがあるので注意を促しているのかもしれません。

どのようなリード線・回路・端子間などにグリスが付着したのか、グリスの付着場所、グリスによってつながった導通するもの間の距離や断面積、グリスの温度、電圧、電流、直流か交流か、周波数の高さ等、条件次第ではショートする可能性があると考えられます。

しかし、少しでもショートする可能性があるなら、「非導電性でショートの心配がありません」と書くのは慎重さに欠けると思います。ショートしてしまった場合、「非導電性でショートの心配がありません」と書いてあるのにショートしたとクレームが入る恐れがあります。

仮にシルバーグリス Arctic Silver 5 に関しては導電性はなくショートの恐れはないと断定できるとしても、他の金属入りグリスは金属の種類や金属の混入量等の違いにより導電性も違うと考えられますので、他のグリスにも当てはまるとは言えません。

他にも仕様に非導電性と書かれている金属入りグリスがありますが、導電性があると書かれている金属入りグリスもあります。

例えば、 株式会社 親和産業 - Liquid Copper には、Liquid Copper という銅入りのグリスの特徴や仕様等が書かれていますが、特徴には「導電性があるため取扱には注意が必要です。上級者向けのマニアックな製品となります。」と書かれており、この金属入りグリスは導電性があるようです。

他にも、商品情報に導電性があると書かれている金属入りグリスが見られ、金属入りグリスの中には導電性がありショートの恐れがあるグリスもあると言えそうですが、以下の疑問があります。

実際にショートする恐れがあるので導電性があるとしているのか、完全に導電性がないわけではなく非常に高い電圧をかける等すれば導通するので導電性があるとしているのか、その点がわかりません。

・商品情報を参考にする限りでは、金属入りのグリスには導電性はなくショートの恐れはないグリスもあれば、導電性がありショートの恐れがあるグリスもある

実際に金属入りの CPU グリスで導通を確かめた実験結果はあるのか

金属入りのグリスは、実際に導通するかどうか確かめれば話が早いですが、 CPU用放熱グリスの嘘と本当 - Deap Peace では、「金属含有のCPU用放熱グリースは間違って基板上に垂れるとショートの恐れがある」という定説を実験結果により否定しています。実験で使われた金属入りのグリスは以下のとおりです。(※)は私が調べた内容です。

・メーカー名:MolySlip、商品名:Copaslip
(※)商品情報に導電性ありと書かれている、CPU グリスではない

・メーカー名:サンハヤト、商品名:コンタクトグリース GS-10
(※)商品情報に導電性について書かれていない、CPU グリスではない

・メーカー名:Arctic Silver、商品名:Arctic Silver 5
(※)商品情報に非導電性でショートの心配がありませんと書かれている、CPU グリスである

・メーカー名:エーゼット、商品名:モリブデングリース
(※)商品情報に導電性について書かれていない、CPU グリスではない

どのような実験方法なのか簡単に言えば、乾電池と豆電球を導線で接続すると豆電球が点灯しますが、導線の途中で断線し約1mmの隙間を空けて、その隙間にグリスを埋めて豆電球が点灯するかどうか確認する実験方法です。

この実験にて用意したグリス全てにおいて豆電球が点灯することはありませんでしたが、抵抗が大きすぎて豆電球が点灯しない可能性を考えて、テスターを利用して通電していないことも確かめています。

同記事に投稿されたコメントにていろいろ意見が出ていますが、パソコンの PC パーツのリード線・回路・端子間などにグリスを付着させてしまった場合と比べて全然条件が違うので、乾電池や豆電球等を使って導電性がないという結果が出ても、金属入りのグリスに導電性はなくショートの恐れがないとは言えません。

実際にパソコンを使ってリード線・回路・端子間などに金属入りのグリスを付着させてみる実験を行い、様々な付着パターンを様々な金属入りグリスで試してみれば結論が出ると思いますが、普通は誰もやりたがらないと思います。

・私が調べた限りでは、金属入りグリスの導通性、ショートの恐れについて議論の余地のない結論に達する実験結果はない


キャンペーン情報
マウスコンピューター
10万円以内(税別)で買えるノートパソコン特集 icon
軽量モバイル、高速SSD搭載モデルもお求めになりやすい価格で販売中です
(キャンペーン実施中)
DELL
・お客様感謝セール
新製品Dell G5ほかおすすめPCがクーポンで最大17%OFF!
(6月17日迄)
ドスパラ
・ボーナスセール
特価パソコンをはじめ、お買得なパソコンパーツ、周辺機器を多数ご用意
(6月27日迄)
パソコン工房
・アーリーサマーセール
BTOパソコンやPCパーツ・周辺機器などがお得な価格
(6月25日迄)