CPUのTDP(Thermal Design Power)(熱設計電力)

最終更新日 2023年09月07日

CPUのTDPとは

基礎

CPUのTDPとはThermal Design Powerの略であり、CPUの設計上想定される最大放熱量を示します。ティディピーと読みます。日本語では熱設計電力です。

TDPの単位

TDPの単位がW(ワット)です。単位がWなので消費電力のように見えますが、TDPは消費電力とは異なります。

TDPと発熱、消費電力

TDPが大きいほど消費電力も大きい

CPUでは消費した電力が熱に変わるので、TDPが大きければ消費電力も大きい、TDPが小さければ消費電力も小さいです。

TDPを使用して発熱、消費電力を比較できない

CPUのTDPの定義がインテルとAMDで異なります。TDPの比較をしてどちらが発熱や消費電力が大きいか判断できません。TDPの差が大きい場合はTDPが大きい方が発熱や消費電力が大きいですが、どのくらい差があれば大きいか基準を決められません。

TDPが同じでも発熱、消費電力が同じとは限らない

TDPは大まかに分類してるので、同じメーカーのCPUであってもTDPが同じなら発熱や消費電力が同じとは限らず、差が大きい場合があります。

CPUの平均消費電力はTDPよりもかなり小さい

TDPと消費電力は異なるものですが、TDPが消費電力の目安になります。TDPの値を見るとCPUの消費電力が大きい印象がありますが、平均消費電力で見れば一般的にTDPよりも遥かに小さいです。一般的にはCPUに高い負荷がかかっていない時間が長い、すなわち消費電力が小さい状態の時間が長いためです。

TDPと最大消費電力

TDPと最大消費電力、大きく違う場合あり

CPUのTDPが大きいほど最大消費電力が大きいです。昔はTDPと最大消費電力が同程度でした。CPUのクロック周波数に関する技術進歩によりTDPと最大消費電力が大きく違う場合が出てくるようになりました。それでも大まかにはCPUのTDPと最大消費電力が同程度です。CPUによってはTDPと最大消費電力が大きく違う場合があり、最大消費電力がTDPの2倍や3倍になる場合もあります。

TDPの定義

TDPの定義より、TDPは最大消費電力と同程度とは限らないとわかります。インテルのTDPは、全てのコアがベースのクロック周波数で動作するときの消費電力です(2018/08/20時点)。ベースよりも高いクロック周波数で動作するとさらに消費電力が増えるので、最大消費電力がTDPを大きく超える場合があります。AMDはTDPの定義を公開していません(2018/08/20時点)。システムの消費電力を測定してきた経験上から判断すると、昔はTDPと最大消費電力が同程度でしたが、今では最大消費電力がTDPを大きく超える場合があります。インテルとAMDどちらもTDPの定義が変わる可能性があります。

CPUのTDPと性能

TDPが大きいほど性能が高い

CPUは性能が高いほど発熱します。そのため、性能が高いほどTDPが大きいです。逆にTDPが大きいほど性能が高いとも言えます。

TDPが同じでも性能も同じとは限らない

CPUに様々なモデルがありますが、TDPが同じモデルが多いです。性能も同じな場合がありますが、異なる場合もあります。TDPは大まかに分類しているためです。

TDPとパソコンのサイズ

TDPが大きいほど高い冷却性能が必要

CPUのTDPがパソコンの冷却性能に関わります。TDPが大きいほど必要な冷却性能が高いです。冷却性能を高くするには広い内部スペースが必要なので、パソコンのサイズが大きいほど搭載可能なCPUのTDPが大きいです。TDPが大きいCPUを搭載するには、デスクトップパソコンのタワー型等、サイズが大きいパソコンが必要です。ノートパソコン等、サイズが小さいパソコンには、TDPが大きいCPUを搭載できません。

CPUのTDPとCPUクーラー

TDPが大きいほど必要な冷却性能が高い

CPUを冷却するためにCPUクーラーを取り付けます。CPUのTDPが大きいほど、CPUクーラーに必要な冷却性能が高いです。

CPUクーラーの冷却性能が高いほどヒートシンクや空冷ファンのサイズが大きいです。TDPが大きいCPUでもCPU自体のサイズは小さいですが、CPUクーラーのサイズは大きくなるため、内部スペースが狭いパソコンへの搭載が難しくなります。

CPUクーラーがファンレスの場合、TDPの目安

CPUクーラーがファンレス、すなわち空冷ファンがない場合、TDPが65W以下が目安です。PCケースの空冷ファンもない場合、TDPが35W以下が目安です。

cTDP

cTDPとは

cTDPとはConfigurable TDPの略であり、CPUが発揮する性能を調整しTDPを変える機能です。TDPを大きくすると発熱と消費電力が増えますが性能が上がります。TDPを小さくすると性能が下がりますが発熱と消費電力が減ります。電源ユニットの容量が小さかったり、PCケースの内部スペースが狭く冷却性能が低い等、発熱や消費電力を抑えたい場合に便利な機能です。

CPUのTDPと電源ユニット

TDPが大きいほど容量が大きい電源ユニットが必要

CPUのTDPが大きいほど消費電力も大きいです。消費電力が大きいほど必要となる電源ユニットの容量も大きいです。電源ユニットの容量が足りないと、CPUが本来の性能を発揮しなかったり正常に動作しなかったりします。

TDPとターボブースト

ターボブーストでは最大放熱量がTDPを超えない

CPUのオーバークロックでは、最大放熱量がTDPを超えます。インテルのターボブーストを自動オーバークロック等と呼ぶ場合があるので、ターボブーストでも最大放熱量がTDPを超えそうです。ターボブースト対応CPUでは、ターボブーストが機能したときの最大放熱量を考慮してTDPを決めています。そのため、ターボブーストでは最大放熱量がTDPを超えません。

出典

TDP - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2008/10/07更新記事)
ASCII.jp:モバイルPCユーザーなら常識?! TDPの最新知識 (1/2)|ぱそぢえ〜3分で分かるPCの基本(2008/09/26更新記事)
ASCII.jp:モバイルPCユーザーなら常識?! TDPの最新知識 (2/2)(2008/09/26更新記事)
ASCII.jp:何もかも変わった新CPU!? Core i7 10の疑問 (2/3)(2008/11/22更新記事)


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