なぜノートパソコンにアース付きACアダプターが付属する?

最終更新日 2023年09月07日

ノートパソコンにアース付きACアダプターが付属する理由とは

日本で販売されるノートパソコンにアース付き AC アダプターが付属するのが見られますが、アースなし AC アダプターが付属するのも見られます。

日本ではノートパソコンを使うような場所にあるコンセントに、一般的にはアースは設置されていませんので、アースなし AC アダプターが付属すれば良いと思います。

アースがない方が、AC アダプターの本体サイズ、ケーブルの太さ、プラグの大きさを抑えることができ、特に持ち運ぶ用途に向いているモバイルノートパソコンでは AC アダプターも小さい方が良いので、アースなし AC アダプターが付属する方が望ましいと思います。

何らかの規制があってアースを付けなければならない理由があるかもしれませんが、アースなし AC アダプターが付属するノートパソコンが販売されていますので、そのような理由はないと考えられます。

なぜノートパソコンにアース付き AC アダプターが付属するのでしょうか。

新連載・“中の人”が明かすパソコン裏話:どれも同じ? とんでもない! 「ACアダプター」に込めた開発者のこだわり (1/3) - ITmedia NEWS には、ヒューレット・パッカードにおける AC アダプターの開発事情がわかる話が掲載されています。
 私の所属企業は製品をグローバル展開しているので、各国の基準を守る必要があります。そして、なるべくコスト効率がよく、1つでなるべく多くの国に展開できることが同時に求められます。

(略)

 日本で展開することだけを考えた場合は、100ボルトのコンセントに差し込めればいいので、ハードルがぐっと下がります。ところが、海外でも使う場合、さまざまな形状のコンセントが存在し、電圧も100ボルトだけではなく200ボルトの地域もあります。日本市場向けのACアダプターを開発する上では、海外での利用にも対応しつつ、日本での使いやすさを同時に実現していく必要があるのです。

(略)

使いやすさを考えると左側のIEC-C7(通称「メガネ」)のプラグを採用したACアダプターのほうが、アース線がないためケーブルを細くでき、持ち運びなどにも快適です。ところが、海外ではアース付きの端子が求められるケースも多く、実はこのIEC-C7のほうが汎用性が低くなります。
なるべく同じ仕様にしてコストダウンするという事情があり、ノートパソコンにアース付き AC アダプターが付属するようです。

同記事の筆者によると、アースなしの日本専用 AC アダプターを採用することができたそうですが、会社を説得する必要があり簡単ではなかったようです。

同記事によると、海外では電圧が高い地域があるのでアース付き AC アダプターが求められているようですが、 アース線の役割と種類(海外設置版) - リタール BLOG には、以下のとおり書かれています。
しかし海外では、一般家庭のコンセントにアース線がついている地域も多くあります。その理由には漏電を察知して電気を遮断する装置の違いのほか、一般家庭用コンセントの電圧の高さが挙げられます。日本では100Vが標準なのに対して、他のアジア諸国、ヨーロッパや中東などでは200V〜240Vが一般的です。このような地域では、安全のためにすべてのコンセントにアース線用のコネクタが設置されていることがあります。
海外では電圧が高いだけではなく、具体的にはわかりませんが漏電遮断器の違いもあり、アース付き AC アダプターが求められているようです。


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