ノートパソコンのディスプレイ
最終更新日
2024年05月15日
ノートパソコンのディスプレイとは
基礎
ノートパソコンのディスプレイとは、文字や図形等の情報を表示する装置です。他の呼び方には、モニターがあります。ディスプレイを交換できない
ディスプレイと分離しているデスクトップパソコンでは、外付けディスプレイを使用します。ディスプレイ選びに失敗しても、改めてディスプレイを選び直せば良いです。ノートパソコンではディスプレイが一体なので交換できません。ディスプレイのみの選び直しもできません。たいていのノートパソコンには映像出力端子があり、外付けディスプレイを使用できます。外付けディスプレイも含めればディスプレイのみの選び直しができますが、外付けディスプレイを使用することになると、ノートパソコンならではの利便性が損なわれます。
BTOカスタマイズ対応でも変更できない
原則的にノートパソコンはモデルごとに決まったディスプレイを搭載します。BTOカスタマイズ対応でも別のディスプレイに変更できない場合が多いです。ディスプレイの画質
画質が低い理由
一般的にノートパソコンのディスプレイは、外付けディスプレイと比べて画質が低いです。ディスプレイの画質を高くすると、厚さや重さ、消費電力が増します。ノートパソコンでは薄さ、軽さ、消費電力の低さを重視するので、ディスプレイの画質が低いです。ノートパソコンではディスプレイにかけられるコストが低いのも画質が低い理由です。コストをかけて画質を高めても価格が高くなり価格競争で不利になるため、かけられるコストが低いです。価格が高くても売れればよいですが、コストをかけて画質を高めたノートパソコンとコストをかけず画質が低いノートパソコンがあるとし、画質以外は同じ仕様で後者の方が価格が安い場合、後者を選ぶ人が圧倒的に多いです。
ディスプレイの種類
薄型で消費電力が低い液晶ディスプレイを採用
ノートパソコンではディスプレイが一体のため、CRTディスプレイではなく液晶ディスプレイを採用しています。液晶ディスプレイが薄型のため、サイズが小さいノートパソコンに適しています。液晶ディスプレイの消費電力が低いことも、バッテリーで動作するノートパソコンに適する理由です。ミニLED液晶ディスプレイ
2021年にはiPad ProにミニLED液晶ディスプレイ採用モデルが登場し注目を集めました。2022年にはノートパソコンにミニLED液晶ディスプレイ採用モデルが多く登場しました。ただし、ゲーミングノートパソコンやクリエイターノートパソコン等、価格が高いノートパソコンに限られます。ミニLED液晶ディスプレイのコストが下がると、価格が低いノートパソコンにも普及する可能性があります(2022/12/06時点)。有機ELディスプレイ
ノートパソコンでは2015〜2016年頃から有機ELディスプレイを採用するモデルが徐々に登場し始めました。2019年頃になると採用モデルが多くなりました。その後も有機ELディスプレイを採用するモデルが増えており、いずれ液晶ディスプレイに代わって主流になる可能性があります(2021/12/10時点)。特にゲーミングノートパソコンやクリエイターノートパソコン等、画質が重視されるノートパソコンに採用モデルが多いです。液晶ディスプレイ
液晶パネルの作動方式
液晶パネルの作動方式には、TN方式、VA方式、IPS方式があります。ノートパソコンでは昔はTN方式が主流でしたが、今はIPS方式が主流です(2021/12/10時点)。IPS方式が最も画質が高い
IPS方式は、視野角の広さ、色再現性の高さに優れ、画面を正面からずれた角度で見ても綺麗に見えるメリットがあります。応答速度が遅い、コントラスト比が低いデメリットがありますが、実際の液晶ディスプレイでは改善されています。IPS方式の次に画質が高いのがVA方式です。最も画質が低いのがTN方式です。TN方式でも画質が底上げされたため、推奨しないほどではありません。TN方式が最も製造コストが安い
TN方式が最も製造コストが安いため、特に価格が安いノートパソコンに普及しました。昔はIPS方式の製造コストが高かったですが、今は製造コストが下がり、価格が安いノートパソコンにもIPS方式が普及しました。仕様等に作動方式が未記載の場合が多い
ノートパソコンの仕様等に作動方式が未記載の場合が多いです。TN方式だとアピールにならないせいか、未記載の場合はTN方式である可能性が高いです。単に未記載の場合もありIPS方式やVA方式の可能性もあるため判断が難しいところです。作動方式を調べる方法
仕様等に未記載のため作動方式を知りたい場合、メーカーに問い合わせる方法があります。情報の不確かさというリスクがありますが、インターネットの検索エンジンを利用して調べる方法もあります。独自に入手した作動方式の情報や、メーカー外の人が判断した作動方式について記載されている記事が見つかる場合があります。ディスプレイの画面サイズ
屋内のみで使用するなら15〜17インチ
ノートパソコンを屋内のみで使用するなら15〜17インチの画面サイズが良いです。画面サイズが大きいほど使いやすいためです。例えば複数のウィンドウを並べて表示しやすいです。屋外でも使用するなら12〜14インチ
ノートパソコンを屋内に限らず屋外に持ち出して使用するなら12〜14インチの画面サイズが良いです。画面サイズが小さいほど持ち運びしやすいためです。11インチ以下だと画面サイズが小さすぎて使いにくいです。画面サイズに限らず重量にも注意が必要です。12〜14インチでも2kg等、持ち運びしにくい重量のモデルもあります。持ち運びしやすさを重視するなら1.5kg以下が目安です。軽い方だと1kg以下のモデルもあります。
ディスプレイのアスペクト比
16:9が主流
16:9が主流ですが、16:10等、縦の比率が大きいアスペクト比が増えてきました(2021/12/10時点)。ディスプレイに表示するウェブサイト等に縦長のものが多いので、一般的にパソコンでは縦の比率が大きい方が良いですが、ノートパソコン本体サイズの奥行きも大きくなります。アスペクト比と解像度
アスペクト比が16:9なら解像度が1920×1080等のように、アスペクト比が決まると解像度も決まりそうですが、実際には高解像度化が進み複数の解像度が見られます。ディスプレイのカラースペース
ディスプレイが再現できる色の範囲
カラースペースとは、ディスプレイが再現できる色の範囲です。他の呼び方には、色空間があります。動画編集や画像編集で重要
一般的な用途ではカラースペースが重要ではありません。動画編集や画像編集で色の調整を行い色を合わせる必要がある用途だと、カラースペースが重要な場合があります。例えば、デジタルカメラで撮影した画像をノートパソコンに取り込んで色を調整しプリンターで印刷する際に、色を合わせる必要がある場合です。カラースペースが重要なら外付けディスプレイが良い
カラースペースが重要になる場合、デスクトップパソコンと外付けディスプレイを選び使用する方が良いです。昔と比べるとカラースペースに関する性能や機能に優れるディスプレイを搭載するノートパソコンが多くなりましたが、それでもノートパソコン全体の中で見たら少ないです。デスクトップパソコンと外付けディスプレイ、それぞれ自分に合うモデルを用意する方が選びやすいです。ディスプレイの光沢性
光沢(グレア)の特徴
光沢(グレア)のディスプレイの場合、表面がツルツルかつテカテカしており鏡のように映り込みが大きいです。非光沢(ノングレア)の特徴
非光沢(ノングレア)のディスプレイの場合、光沢がなく多少映り込みが発生するものの何が映り込んでいるかはっきりしない程度です。反射防止フィルム
光沢(グレア)でも反射防止フィルム貼り付け済みの場合や、ユーザーが反射防止フィルムを用意して貼り付けた場合、映り込みを抑える効果がありますが、その効果が大きくありません。映り込みを避けたいなら非光沢(ノングレア)が良いです。映り込みを抑えるため高輝度にする
光沢(グレア)で映り込みを抑えるために輝度を高くする方法があります。あまり効果がない上に、目が疲れやすくなります。映り込みを避けたいなら非光沢(ノングレア)が良いです。ディスプレイの解像度
解像度が高いほど画面が広く精細
解像度とは、ディスプレイの画面を構成するドットの数です。解像度が高いほど画面を広く表示でき精細に表示できます。拡大表示するとしても精細というメリットあり
ディスプレイが高解像度、例えば1920×1080から4Kに向上してもノートパソコンだと画面サイズが小さいので、文字やアイコン等の表示サイズを大きくするとします。1920×1080の場合と表示サイズが同じなら、画面を広く表示できるメリットがなくなります。それでも精細に表示できるメリットがあります。解像度が高いほど消費電力も高い
ディスプレイの解像度が高いほど消費電力も高くなります。そのため、ノートパソコンをバッテリー駆動で使用する場合、解像度が高いほどバッテリー駆動時間が短くなります。1920×1080が主流だが4K等もあり
ノートパソコンの解像度の主流が1920×1080です(2024/07/03時点)。ノートパソコンでも高解像度化が見られ4K等もあります。モバイルノートパソコンでは1920×1080一択
画面サイズが小さいモバイルノートパソコンでは、解像度が高いほど消費電力も高いこともあり、ほとんどのモデルが1920×1080のため、実質的に1920×1080一択です(2024/07/03時点)。1920×1080より低い解像度は非推奨
1920×1080より低い解像度、例えば1366×768を推奨できません。画面サイズが小さいモバイルノートパソコンでも非推奨です。最低限1920×1080です。1920×1080だと文字やアイコン等の表示サイズが小さい人もいると思われますが、表示サイズを大きくする機能を利用し拡大する方法があります。ノートパソコンの表示色数
フルカラーと疑似フルカラー、画質がほとんど同じ
フルカラーの画質が疑似フルカラーよりも高いですが、画質に大きな違いがありません。そのため、一般的な用途なら疑似フルカラーの画質で十分です。動画編集や画像編集等、画質を重視する用途ならフルカラーが良いです。疑似フルカラーが主流
ノートパソコンのディスプレイに疑似フルカラーが多いです(2020/11/10時点)。フルカラー未記載なら疑似フルカラーの可能性大
仕様に約1677万色と記載があるが、フルカラーか疑似フルカラーか未記載なら、疑似フルカラーの可能性が高いです。コラム
メーカーが違ってもディスプレイが似通う理由
ディスプレイの出荷量が多いほどコストが低い傾向があります。そのため、例えば画面サイズが大きい方のディスプレイが、出荷量が多いためコストが低い場合があります。基本的にメーカーが低コスト重視のため、出荷量が多くてコストが低いディスプレイを採用します。そのため、メーカーが違ってもノートパソコンのディスプレイが似通っています。コストが高くなっても差別化等の理由で、他のメーカーではあまり見られないディスプレイを採用している場合もあります。出典
・ディスプレイ - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2010/04/16更新記事)
・快適に使うノートパソコンの解像度を考える(第48回)(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2008/11/27公開記事)
・ノートPCの液晶ディスプレー、サイズと解像度の選び方(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2019/03/07公開記事)
・高画質化が一気に進むディスプレイ、多様化する解像度が使い勝手に影響 | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/10公開記事)
・高画質化が一気に進むディスプレイ、多様化する解像度が使い勝手に影響(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/10公開記事)
・ディスプレイにこだわったPC続々、高リフレッシュ・有機EL・バックライトを確認(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/12/06公開記事)
・ディスプレイにこだわったPC続々、高リフレッシュ・有機EL・バックライトを確認(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/12/06公開記事)
・快適に使うノートパソコンの解像度を考える(第48回)(4ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2008/11/27公開記事)
・ノートPCの液晶ディスプレー、サイズと解像度の選び方(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2019/03/07公開記事)
・高画質化が一気に進むディスプレイ、多様化する解像度が使い勝手に影響 | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/10公開記事)
・高画質化が一気に進むディスプレイ、多様化する解像度が使い勝手に影響(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2021/12/10公開記事)
・ディスプレイにこだわったPC続々、高リフレッシュ・有機EL・バックライトを確認(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/12/06公開記事)
・ディスプレイにこだわったPC続々、高リフレッシュ・有機EL・バックライトを確認(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2022/12/06公開記事)
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