Bluetooth - スマートフォンの選び方
最終更新日
2023年09月07日
Bluetooth の選び方
スマートフォンは、携帯電話網を利用して通信を行います。無線 LAN(Wi-Fi)が搭載されていれば、無線 LAN を利用した通信も可能です。Bluetooth が搭載されていれば、Bluetooth を利用した通信も可能です。
スマートフォンにとって Bluetooth は必須ではありませんが、Bluetooth を利用すれば周辺機器とワイヤレスで接続できます。他にも Bluetooth には利用方法があり、別のスマートフォンやパソコン、タブレット等とワイヤレスでデータ転送できます。
無線 LAN に限らず Bluetooth でもテザリングできるスマートフォンなら、Bluetooth を利用してテザリングできます。スマートフォンに Bluetooth が搭載されていても、Bluetooth を利用してテザリングできるとは限りません。
テザリングは、無線 LAN の方が通信速度が速いですが、Bluetooth の方がバッテリー消費量が小さいですので、通信速度の速さよりもバッテリー駆動時間の長さを優先するなら、Bluetooth の方が便利です。
スマートフォンに Bluetooth は必須ではなく、人によっては不要ですが、Bluetooth があると便利ですので、スマートフォンを選ぶなら Bluetooth 搭載モデルを選ぶのがおすすめです。
スマートフォンにとって Bluetooth は必須ではありませんが、Bluetooth を利用すれば周辺機器とワイヤレスで接続できます。他にも Bluetooth には利用方法があり、別のスマートフォンやパソコン、タブレット等とワイヤレスでデータ転送できます。
無線 LAN に限らず Bluetooth でもテザリングできるスマートフォンなら、Bluetooth を利用してテザリングできます。スマートフォンに Bluetooth が搭載されていても、Bluetooth を利用してテザリングできるとは限りません。
テザリングは、無線 LAN の方が通信速度が速いですが、Bluetooth の方がバッテリー消費量が小さいですので、通信速度の速さよりもバッテリー駆動時間の長さを優先するなら、Bluetooth の方が便利です。
スマートフォンに Bluetooth は必須ではなく、人によっては不要ですが、Bluetooth があると便利ですので、スマートフォンを選ぶなら Bluetooth 搭載モデルを選ぶのがおすすめです。
Bluetooth の規格の選び方
主な Bluetooth 規格
Bluetooth には規格があります。2016年3月1日時点では、Bluetooth 規格には以下のバージョンがあります。Bluetooth 規格 | 主な仕様変更内容 |
---|---|
Bluetooth 1.1 | ・1.0b が初期バージョンであり、次のバージョンが 1.0b+CE だが、バージョン 1.1 から本格的に Bluetooth が普及した ・最大通信速度は 1Mbps |
Bluetooth 1.2 | ・Bluetooth と同じ周波数帯(2.4GHz 帯)を使用する無線 LAN との干渉を低減する機能が追加 |
Bluetooth 2.0 | ・最大通信速度を 3Mbps へ向上させる通信方式 EDR(Enhanced Data Rate)が追加 ・EDR はオプションのため、Bluetooth 2.0 以降に対応した機器であっても EDR が実装されているとは限らない |
Bluetooth 2.1 | ・ペアリングに必要な作業が簡略化 ・バッテリー動作時間の延長等につながる消費電力を抑える機能 Sniff Subrating が追加 |
Bluetooth 3.0 | ・最大通信速度を 24Mbps へ向上させる通信方式 HS(High Speed)が追加 ・HS はオプションのため、Bluetooth 3.0 以降に対応した機器であっても HS が実装されているとは限らない ・電力管理機能が強化され、消費電力が低下 |
Bluetooth 4.0 | ・大幅に消費電力を抑える通信方式 LE(Low Energy)が追加 |
Bluetooth 4.1 | ・Bluetooth と同じ周波数帯(2.4GHz 帯)を使用するモバイル端末向け通信サービスとの干渉を低減する機能が追加 ・通信方式 LE のデータ転送が効率化 ・自動再接続機能が追加 ・通信方式 LE にて直接インターネット接続できる機能が追加 ・通信方式 LE でもホストとクライアント同時動作できる機能が追加 |
Bluetooth 4.2 | ・通信方式 LE にて直接インターネット接続できる機能を IoT(Internet of Things)向けに強化(新たに追加されたセキュリティ機能により安全性が向上、データ転送効率が向上) |
Bluetooth 規格のバージョンが新しいほど、仕様に新機能や新技術等が追加されていますが、実装が必須とはなっていない機能や技術等があります。実装が必須ではない機能や技術等は、実装されているかどうかは機器によります。
例えば、Bluetooth 2.0 で EDR が追加されましたが、Bluetooth 2.0 対応機器であっても EDR が実装されているとは限りません。そのため、一部の機能や技術等に関しては、対応している Bluetooth 規格のバージョンだけでは、実装されているかどうかは分かりません。
スマートフォンでは、あるバージョンに対応しているなら、どのモデルも実装されている機能や技術等はほぼ同じですので、あまり実装の違いを気にする必要はありません。
Bluetooth 4.0 以上が選択の目安
2016年3月1日時点では、スマートフォンの新しいモデルなら、たいてい Bluetooth 4.0 か Bluetooth 4.1 に対応していますが、Bluetooth 4.0 から通信方式 LE が追加され大きく変わりましたので、Bluetooth 4.0 以上を選ぶのがおすすめです。LE を使用する通信が可能な周辺機器と組み合わせて使用すれば、スマートフォンも周辺機器も Bluetooth による消費電力を大幅に抑えられます。
Bluetooth 4.1 の方がおすすめですが、Bluetooth 4.0 と比べて大きな違いはないため、Bluetooth 4.0 でも十分です。
Bluetooth 規格の互換性を考慮した選び方
Bluetooth 規格のバージョンが Bluetooth 3.0 まで存在していた時は、互換性について気にする必要はありませんでしたが、Bluetooth 4.0 が登場してから互換性に注意して選ぶ必要があります。
Bluetooth 対応機器で通信する場合、互換性がない組み合わせだと通信できません。互換性があるかどうかは、通信方式の組み合わせによって決まってきます。
通信方式には、BR(Basic Rate)、EDR(Enhanced Data Rate)、HS(High Speed)、LE(Low Energy)があります。BR の最大通信速度は 1Mbps です。EDR と HS は、最大通信速度を向上させた通信方式であり、EDR の最大通信速度は 3Mbps、HS の最大通信速度は 24Mbps です。LE は、消費電力を抑えた通信方式であり、最大通信速度は 1Mbps です。
以下は、Bluetooth 規格の各バージョンで、仕様に含まれる通信方式です。
スマートフォンは、Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルなら、BR は必ず実装されています。Bluetooth 2.0 〜 Bluetooth 2.1 対応モデルでは、EDR も実装されているかはモデルによります。Bluetooth 3.0 対応モデルで、EDR と HS に関しても実装されているかはモデルによります。
Bluetooth 4.0 〜 Bluetooth 4.1 に対応しているモデルなら、少なくとも BR と LE 両者が実装されています。EDR と HS が実装されているかはモデルによります。
スマートフォン以外の機器では、LE のみ実装されているモデルがありますが、スマートフォンにはありません。LE のみ実装で BR が実装されなければ、EDR と HS も実装されません。
もしかしたら、スマートフォンにも LE のみ実装モデルがあるかもしれませんが、このようなモデルを選ぶなら互換性に気をつける必要があります。
以下は、A:Bluetooth 搭載機器AとB:Bluetooth 搭載機器Bとの組み合わせで、各通信方式で通信しようとする場合の互換性をまとめた表です。 互換性があれば通信できますが、互換性がなければ通信できません。
(※)○:互換性あり、×:互換性なし
Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルだと、これらのバージョンの仕様には LE は含まれておらず、LE が実装される事はありませんので、LE のみ実装されている機器とは接続できません。そのため、スマートフォンを選ぶなら、Bluetooth 4.0 以上に対応しているモデルを選ぶ方が良いです。
Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルを選ぶなら、LE のみ実装されている機器とは接続できない事を認識しておく必要があります。
もしスマートフォンに LE のみ実装モデルがあったとしても、LE が実装されていない機器とは接続できませんので、選ばない方が良いです。
LE の実装は必須ではないので、Bluetooth 4.0 以上に対応しているスマートフォンに、BR(EDR、HS も実装されていても結論は同じ)のみ実装モデルがあってもおかしくありませんが、BR のみ実装モデルだと、LE のみ実装されている機器とは接続できませんので、もし BR のみ実装モデルがあったとしても選ばない方が良いです。
Bluetooth 対応機器で通信する場合、互換性がない組み合わせだと通信できません。互換性があるかどうかは、通信方式の組み合わせによって決まってきます。
通信方式には、BR(Basic Rate)、EDR(Enhanced Data Rate)、HS(High Speed)、LE(Low Energy)があります。BR の最大通信速度は 1Mbps です。EDR と HS は、最大通信速度を向上させた通信方式であり、EDR の最大通信速度は 3Mbps、HS の最大通信速度は 24Mbps です。LE は、消費電力を抑えた通信方式であり、最大通信速度は 1Mbps です。
以下は、Bluetooth 規格の各バージョンで、仕様に含まれる通信方式です。
バージョン | 仕様に含まれる通信方式 |
---|---|
Bluetooth 1.1 | BR |
Bluetooth 2.0〜2.1 | BR、EDR |
Bluetooth 3.0 | BR、EDR、HS |
Bluetooth 4.0〜4.1 | BR、EDR、HS、LE |
スマートフォンは、Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルなら、BR は必ず実装されています。Bluetooth 2.0 〜 Bluetooth 2.1 対応モデルでは、EDR も実装されているかはモデルによります。Bluetooth 3.0 対応モデルで、EDR と HS に関しても実装されているかはモデルによります。
Bluetooth 4.0 〜 Bluetooth 4.1 に対応しているモデルなら、少なくとも BR と LE 両者が実装されています。EDR と HS が実装されているかはモデルによります。
スマートフォン以外の機器では、LE のみ実装されているモデルがありますが、スマートフォンにはありません。LE のみ実装で BR が実装されなければ、EDR と HS も実装されません。
もしかしたら、スマートフォンにも LE のみ実装モデルがあるかもしれませんが、このようなモデルを選ぶなら互換性に気をつける必要があります。
以下は、A:Bluetooth 搭載機器AとB:Bluetooth 搭載機器Bとの組み合わせで、各通信方式で通信しようとする場合の互換性をまとめた表です。 互換性があれば通信できますが、互換性がなければ通信できません。
A\B | 1.1, 1.2 (BR) |
2.0, 2.1 (BR, EDR) |
3.0, 4.0, 4.1 (BR, EDR, HS) |
4.0, 4.1 (LE) |
---|---|---|---|---|
1.1,1.2 (BR) |
○ | ○ | ○ | × |
2.0, 2.1 (BR, EDR) |
○ | ○ | ○ | × |
3.0, 4.0, 4.1 (BR, EDR, HS) |
○ | ○ | ○ | × |
4.0, 4.1 (LE) |
× | × | × | ○ |
Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルだと、これらのバージョンの仕様には LE は含まれておらず、LE が実装される事はありませんので、LE のみ実装されている機器とは接続できません。そのため、スマートフォンを選ぶなら、Bluetooth 4.0 以上に対応しているモデルを選ぶ方が良いです。
Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 に対応しているモデルを選ぶなら、LE のみ実装されている機器とは接続できない事を認識しておく必要があります。
もしスマートフォンに LE のみ実装モデルがあったとしても、LE が実装されていない機器とは接続できませんので、選ばない方が良いです。
LE の実装は必須ではないので、Bluetooth 4.0 以上に対応しているスマートフォンに、BR(EDR、HS も実装されていても結論は同じ)のみ実装モデルがあってもおかしくありませんが、BR のみ実装モデルだと、LE のみ実装されている機器とは接続できませんので、もし BR のみ実装モデルがあったとしても選ばない方が良いです。
最大通信速度の選び方
Bluetooth の最大通信速度は、実装されている通信方式によって決まってきます。通信方式には、BR(Basic Rate)、EDR(Enhanced Data Rate)、HS(High Speed)、LE(Low Energy)があり、それぞれの最大通信速度は以下のとおりです。
スマートフォンでは、Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 対応モデルなら BR は実装されていますが、EDR と HS は実装されているとは限りません。Bluetooth 4.0 〜 Bluetooth 4.1 対応モデルなら、BR と LE は実装されていますが、EDR と HS は実装されているとは限りません。
EDR と HS に関して実装されている場合の仕様の記載方法は統一されていませんが、以下のように記載されている場合が多いです。
(※)スマートフォン以外の機器では、LE のみ実装モデルもある
スマートフォンでは、EDR や HS が実装されていても、上記のように仕様に記載されていない場合も結構多く、EDR や HS が実装されているか不明な場合があります。インターネット等で調べても不明で、実装されているか確認したい場合は、メーカーやショップに問い合わせる必要があります。
スマートフォンでは、イヤホンやヘッドフォンを Bluetooth 接続して使われる事が多いですが、十分な音質を実現するには最大通信速度が 1Mbps では足りないため、Bluetooth 2.0 以上に対応しているモデルなら、少なくとも EDR は実装されていると思われます。
全てのモデルを確認したわけではありませんので、もしかしたら Bluetooth 2.0 以上に対応しているのに EDR が実装されていない、すなわち最大通信速度が 1Mbps のモデルがあるかもしれません。
HS は、最大通信速度が 24Mbps であり速いですが、消費電力の大きさが無線 LAN 使用時に近くなってしまうせいか、HS が実装されているモデルは少ないです。
元々 Bluetooth は通信速度よりも低消費電力を追求したものであり、無線 LAN と同じくらい電力を消費して使うものではありませんので、HS 非対応モデルでも十分です。どうしても最大通信速度 24Mbps が欲しければ、HS 対応モデルを選ぶと良いです。
通信方式 | 最大通信速度 |
---|---|
BR(Basic Rate) | 1Mbps |
EDR(Enhanced Data Rate) | 3Mbps |
HS(High Speed) | 24Mbps |
LE(Low Energy) | 1Mbps |
スマートフォンでは、Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 対応モデルなら BR は実装されていますが、EDR と HS は実装されているとは限りません。Bluetooth 4.0 〜 Bluetooth 4.1 対応モデルなら、BR と LE は実装されていますが、EDR と HS は実装されているとは限りません。
EDR と HS に関して実装されている場合の仕様の記載方法は統一されていませんが、以下のように記載されている場合が多いです。
記載方法 | 実装されている通信方式 |
---|---|
Bluetooth 1.1 〜 Bluetooth 3.0 | |
Bluetooth バージョン | BR のみ実装 |
Bluetooth バージョン+EDR | BR、EDR 実装 |
Bluetooth バージョン+HS | BR、EDR、HS 実装 |
Bluetooth 4.0 〜 Bluetooth 4.1 | |
Bluetooth バージョン | BR、LE 実装(※) |
Bluetooth バージョン+EDR | BR、EDR、LE 実装 |
Bluetooth バージョン+HS | BR、EDR、HS、LE 実装 |
スマートフォンでは、EDR や HS が実装されていても、上記のように仕様に記載されていない場合も結構多く、EDR や HS が実装されているか不明な場合があります。インターネット等で調べても不明で、実装されているか確認したい場合は、メーカーやショップに問い合わせる必要があります。
スマートフォンでは、イヤホンやヘッドフォンを Bluetooth 接続して使われる事が多いですが、十分な音質を実現するには最大通信速度が 1Mbps では足りないため、Bluetooth 2.0 以上に対応しているモデルなら、少なくとも EDR は実装されていると思われます。
全てのモデルを確認したわけではありませんので、もしかしたら Bluetooth 2.0 以上に対応しているのに EDR が実装されていない、すなわち最大通信速度が 1Mbps のモデルがあるかもしれません。
HS は、最大通信速度が 24Mbps であり速いですが、消費電力の大きさが無線 LAN 使用時に近くなってしまうせいか、HS が実装されているモデルは少ないです。
元々 Bluetooth は通信速度よりも低消費電力を追求したものであり、無線 LAN と同じくらい電力を消費して使うものではありませんので、HS 非対応モデルでも十分です。どうしても最大通信速度 24Mbps が欲しければ、HS 対応モデルを選ぶと良いです。
Bluetooth のプロファイルの選び方
プロファイルとは
同じ Bluetooth 接続でも、用途によってデータの送受信の仕方は異なります。データの送受信の仕方は、各用途ごとにプロファイルによって定義されています。ある用途で Bluetooth 接続して使おうとするなら、その用途で必要なプロファイルがないと Bluetooth 接続して使用できません。例えば、スマートフォンとイヤホンを Bluetooth 接続し、スマートフォンからイヤホンへ音声を伝送するためには、A2DP と呼ばれるプロファイルが必要です。(別のプロファイルが使われる場合もあります。)もし、スマートフォンとイヤホンどちらも A2DP に対応していないと、Bluetooth 接続して使用できません。
主なプロファイル
以下は、主なプロファイルです。スマートフォンに限らず Bluetooth 対応機器全体で主に見られるプロファイルを記載していますが、スマートフォンが対応するプロファイルは、以下の主なプロファイルの一部に限られます。プロファイル | 用途 |
---|---|
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) | ヘッドフォンやイヤホン等に音声を伝送する |
ANP(Alert Notification Profile) | 着信、メール、警告等を通知する |
aptX | ヘッドフォンやイヤホン等に音声を伝送する(音質が向上、音声の遅延が低減しており、エラー回復機能が追加されている) |
AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile) | AV機能のリモコン機能を制御する |
BPP(Basic Printing Profile) | 携帯電話等からプリンターへ印刷データを転送し、印刷機能を制御する |
BIP(Basic Image Profile) | 機器に対し、画像を転送する |
DIP(Device ID Profile) | デバイスの認識等のために必要なデバイス固有の情報を提供する |
DUN(Dial-up Networking Profile) | 携帯電話や PHS を経由してインターネットにダイヤルアップ接続する |
FAX(FAX Profile) | FAX を送信する |
FMP(Find Me Profile) | 見つからない機器の場所を特定するために、アラームやバイブレーションを鳴らす |
FTP(File Transfer Profile) | パソコン同士でデータを転送する |
GAP(Generic Access Profile) | 機器に対し、認識、接続の確立や認証、暗号化を行う |
GATT(Generic Attribute Profile) | 各プロファイルで通信仕様は異なるが、基本となる共通化した通信仕様で通信する 主に通信方式 LE を実装する機器で使われる |
GAVDP(Generic Audio/Video Distribution Profile) | AV機器に対し、音声や動画を伝送する |
GOEP(Generic Object Exchange Profile) | 機器に対し、データを転送する |
HCRP(Hardcopy Cable Replacement Profile) | プリンターに印刷データを転送する |
HDP(Health Device Profile) | 医療機器や健康管理機器等のヘルス機器と接続し、データを転送する |
HFP(Hands Free Profile) | ヘッドセットでハンズフリー通話を行う(音声の送受信だけでなく通話の発着信機能の制御も行う) |
HID(Human Interface Device Profile) | マウスやキーボード等の操作を行う |
HOGP(HID Over GATT Profile) | マウスやキーボード等と消費電力を抑えて接続し操作を行う |
HSP(Headset Profile) | ヘッドセットと音声を送受信する |
LAP(LAN Access Profile) | Bluetooth を使用して LAN を構築する |
MAP(Message Access Profile) | 機器間でメッセージを送受信する |
OPP(Object Push Profile) | 携帯電話同士で、データを転送する |
PAN(Personal Area Networking Profile) | 複数のパソコン間でネットワーク環境を構築する |
PBAP(Phone Book Access Profile) | 携帯電話等へ電話帳のデータを転送する |
PXP(Promoxity Profile) | 通信相手となる機器との距離を測定する |
SDAP(Service Discovery Application Profile ) | 通信相手となる機器が提供する機能を検索する |
SPP(Serial Port Profile) | パソコン間で仮想シリアルポートを作成し、シリアル接続する |
SYNC(Synchronization Profile) | パソコンや携帯電話等との間で、スケジュール帳や電話帳のデータ転送を行い自動的に同期する |
TIP(Time Profile) | 時刻、時間帯のデータを転送する |
2016年3月1日時点において、比較的新しいスマートフォンが対応しているプロファイルに限ると、主に以下のプロファイルが見られます。
上記に記載した主なプロファイルの中には、スマートフォンに限らず Bluetooth 対応機器にとって基本的なプロファイル(プロファイル名が Generic 〜)がありますが、必要不可欠なプロファイルのため、通常は対応しています。(基本的なプロファイルでも、一部のプロファイルは機器によっては不要になる場合があり、その場合は対応していない。)
そのようなプロファイルはスマートフォンが対応しているかどうか気にする必要はないため、以下の比較的新しいスマートフォンが対応する主なプロファイルには記載していません。
プロファイル | |
---|---|
A2DP | ・ヘッドフォンやイヤホン等のオーディオ機器を使うなら必要 ・非対応モデルは個人的な経験上見た事ない |
apt-X | ・ヘッドフォンやイヤホン等のオーディオ機器を使い、かつ音声の品質の高さを重視するなら必要 ・対応モデルは少ないが、今後対応モデルが増えると思われる |
AVRCP | ・ヘッドフォンやイヤホン等のオーディオ機器を使うなら必要 ・非対応モデルは個人的な経験上見た事ない |
DUN | ・ダイヤルアップ接続は古い接続方法であり、今でも使われるのはカーナビくらい ・カーナビからスマートフォンを経由してインターネット接続し、渋滞情報等の取得に使うなら必要 ・対応モデルは少ない |
FTP | ・別のスマートフォンやタブレット、パソコン等とファイル転送するなら必要 ・対応モデルは少ない |
HDP | ・ヘルス機器を使うなら必要 ・対応モデルは少ない |
HFP | ・ハンズフリー通話ができるヘッドセット等の機器を使うなら必要 ・対応モデルは多い |
HID | ・マウスやキーボード等の入力機器を使うなら必要 ・対応モデルは多い |
HSP | ・ヘッドセットを使うなら必要 ・対応モデルは多い |
OPP | ・別のスマートフォンとデータ転送するなら必要 ・非対応モデルは個人的な経験上見た事ない |
PAN | ・Bluetooth を利用してテザリングをするなら必要 ・対応モデルは多い |
PBAP | ・別のスマートフォンと電話帳のデータ転送するなら必要 ・対応モデルは多い |
SPP | ・シリアル接続はあまり使われないが、使われるのはGPSレシーバーくらい ・GPSレシーバー等を使うなら必要 ・対応モデルは多い |
上記以外にもスマートフォンが対応するプロファイルはあります。上記以外のプロファイルが必要であれば、対応しているか確認が必要です。
対応プロファイルにこだわりすぎると、選べるモデルが少なくなり、選択肢がなくなる場合もあります。その場合は、妥協が必要です。スマートフォンと接続して使用したい Bluetooth 対応機器を整理して優先順位を付ければ、自ずと必要なプロファイルにも優先順位が付きます。その後、優先順位が高いプロファイルに対応しているモデルを選ぶと良いです。
特に使用したい Bluetooth 対応機器が決まっていない場合、A2DP、AVRCP、HFP、HID、HSP、OPP、PAN、PBAP には対応しているモデルを選ぶのがおすすめです。
スマートフォンの対応プロファイルは分かりにくい
スマートフォンでは、対応プロファイルが仕様に記載されておらず不明な場合が結構多いです。対応プロファイルが不明な場合、A2DP や AVRCP、OPP なら、どのモデルも対応しているでしょうが、apt-X 等の他のプロファイルは対応していないモデルがありますので、自分にとって必要なプロファイルなら、対応しているかどうか調べる必要があります。インターネット等で調べても不明で、対応しているか確認したい場合は、メーカーやショップに問い合わせる必要があります。