なぜOffice 2010に64ビット版があるのに32ビット版推奨?

最終更新日 2023年09月07日

Office 2010に64ビット版があるのに32ビット版が推奨される理由とは

64 ビット版の Office 2010 をインストールする方法 には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2016年10月4日)
64 ビット OS に Office 2010 のインストール DVD-ROM をセットした場合、既定では 32 ビット版 Office 2010 のインストーラーが起動します。これは、64 ビット OS 環境に対しても 32 ビット版 Office 2010 をインストールすることが推奨されているためです。

32 ビット版の Office 2010 を使用することで、サード パーティ製アドインなどとの互換性の問題を回避できるのに対し、64 ビット版 Office 2010 をインストールした場合、こうした互換性の問題が発生する可能性があります。
サード パーティ製アドイン等との互換性の問題が発生する可能性があるので、Office 2010には64ビット版があるが32ビット版が推奨されているようです。

ASCII.jp:マルチコアCPUにGPU、64bitにも対応したOffice 2010 (3/3)|ここが変わった! 早わかりOffice 2010特集 には、Office 2010で32ビット版が推奨されている理由について、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2010年5月20日)
 Officeはクライアントアプリケーションだけで完結するものではない。さまざまなソフトウェアベンダーが、プラグインやコントロール、VBAなどを提供することで、使い勝手を良くしたり、企業向けにカスタマイズされた環境を実現している。例えばアドビシステムズが提供しているプラグインでは、Excelのシートを簡単にPDF化できるといった具合だ。

 しかし、これらのプラグインやコントロールなどは、ほとんどが32bit環境で作られているため、64bit版クライアントからでは動作しない。そのためマイクロソフトでは互換性を考慮して、当面の間64bit OS環境でも、Office 2010の32bit版を利用することを勧めているわけだ。
Office 2010を64ビット版にすると、32ビット版向けに作られているプラグインやコントロール等は使えず動作しないようです。

32ビット版向けに作られているプラグインやコントロール等は使えなくても問題はなく、必要になるプラグインやコントロール等に64ビット版向けがあるなら、Office 2010の64ビット版をインストールして使っても問題ないと考えられます。

Office 2010をインストールする前に、64ビット版でも問題ないのかどうか断定できない人は多いと思います。

同記事に書かれていますが、Excel 2010等では64bit版にすればGB単位のデータが扱えるメリットがあるそうで、言い換えるとExcelでGB単位のワークシートを扱うようなユーザーでなければ64ビット版を選ぶメリットはないと言えます。

このようなメリットが不要であれば、将来において32ビット版向けに作られているプラグインやコントロール等を使う可能性を考えて32ビット版を選ぶのが良いと考えられます。

64 ビット版 Office について - Microsoft Office 2010 Engineering (日本語訳) には、以下のとおり書かれています。(この記事の公開年月日は2010年5月5日)
32 ビット版 Office と 64 ビット版 Office のどちらにするかを決めるときは、自分が何を必要としているかを考えてください。大量のデータを処理する Excel のパワー ユーザーである場合や、2 GB より大きなファイルを使用する必要がある場合は、より多くのメモリを使用できる 64 ビット版 Office の方がメリットがあります。そうでない場合は、32 ビット版 Windows と 64 ビット版 Windows のどちらの環境でも、既存の 32 ビットのコントロール、アドイン、VBA との互換性を考えて、既定のインストールでは 32 ビット版 Office 2010 をお勧めしています (更新: ほとんどの VBA コードは 64 ビット版 Office でもそのまま動作しますが、詳しくはこちらの資料 (英語)を参照してください)。
Office 2010の64ビット版のメリットが不要なら、32ビット版を選ぶと良いようです。

Office 2010の64ビット版のメリットが必要であっても、32ビット版向けに作られているプラグインやコントロール等を使うなら32ビット版を選ぶ必要があると考えられます。