Bluetooth
最終更新日
2023年09月07日
Bluetoothとは
基礎
Bluetoothとはパソコンやスマートフォン等の機器と周辺機器の間で無線通信を実現できる機能です。似たような機能に無線LAN(Wi-Fi)がありますが、Bluetoothは消費電力が低いのが大きな特徴です。消費電力を抑えるため最大速度が遅く最大通信距離が短いですが、これらのデメリットが問題にならない機器で普及しています。例えばキーボードやマウスはやり取りするデータ量が小さくパソコンの近くで使用するので、最大速度が遅く最大通信距離が短くても問題ありません。電池や小容量バッテリーで動作する周辺機器でも長持ちします。
無線通信なのでケーブルが不要というメリットもあります。Bluetooth対応マウスを使用すると、パソコンと接続するケーブルがなくなりマウスの周りがすっきりしマウスを動かしやすくなります。Bluetooth対応のイヤホンやヘッドフォンを使用する場合、ケーブルがなくなってすっきりし、パソコンから離れるときにイヤホンやヘッドフォンを耳から外す必要がなくなります。
Bluetoothを利用して複数の周辺機器と接続できるので、USB端子の数が少なくなりがちなパソコンでも多くの周辺機器を同時に使用できます。
Windows XP SP2でのBluetooth対応
WindowsではWindows XP SP2からBluetoothに対応しました。Windows XP SP2では対応が限定的でした。対応するBluetoothのプロファイルが少なく、USB接続のBluetoothアダプター等のサードパーティー製ソフトウェアを利用する方がよいほどです。Bluetooth 3.0以上に非対応なので、Bluetooth 3.0以上に対応の周辺機器を使用する場合はサードパーティー製ソフトウェアが必要です。Bluetoothの通信方式
各規格の通信方式
Bluetoothの仕様にある通信方式は規格によって異なります。以下は各規格の通信方式です。規格 | 通信方式 |
---|---|
Bluetooth 1.1 | BR |
Bluetooth 2.0〜2.1 | BR、EDR |
Bluetooth 3.0 | BR、EDR、HS |
Bluetooth 4.0〜4.1 | BR、EDR、HS、LE |
クラシック
LEが登場後、LE登場前から存在する通信方式のBR、EDR、HSをクラシックと呼ぶ場合があります。クラシックとLEは互換性がありません。クラシックとLE両者に対応の機器があります。両方オン・オフできても片方のみオン・オフできません(2020/07/01時点)。技術的には可能なので、片方のみオンオフできる機器が登場する可能性はあります。
デュアルモード
デュアルモードとは、クラシックとLE両者の通信方式に対応していることです。BRの対応は必須、EDRやHSの対応は任意です。通信方式によって決まる互換性
Bluetooth機器同士で通信できるのか、すなわち互換性があるのかは実装されている通信方式によって決まります。Bluetooth機器同士との間で対応規格が異なる場合はもちろんですが、対応規格が同じでも互換性がなく通信できない場合があります。Bluetooth 3.0までは必ず互換性あり
BR(Basic Rate)はBluetoothにとって基本的な通信方式です。EDR(Enhanced Data Rate)はBRよりも最大通信速度が向上した通信方式です。HS(High Speed)はEDRよりも最大通信速度が向上した通信方式です。LE(Low Energy)は消費電力が抑えられた通信方式です。Bluetooth 3.0まではBRの実装は必須であり、EDRとHSの実装は任意です。EDRが実装されているならBRも実装されており、HSが実装されているならBRとEDRも実装されています。最大通信速度は遅い方に合わせられますが、実装されている通信方式が異なっていても通信できますので、BR、EDR、HSの間には互換性があります。Bluetooth 3.0までは規格が異なっていてもBRで通信できますので互換性について気にする必要がありません。
Bluetooth 4.0から互換性なしの組み合わせあり
Bluetooth 4.0から登場したLEは実装が任意です。LEはBR、EDR、HSと互換性がありません。Bluetooth 3.0から引き続きBRの実装が必須であれば互換性について気にする必要がありませんが、Bluetooth 4.0からLEのみ実装が可能です。LEのみ実装であれば、BR、EDR、HSが実装されていません。そのため、Bluetooth 4.0から互換性について注意が必要です。LE未実装のBluetooth機器とLEのみ実装のBluetooth機器は互換性がありません。パソコンではLEのみ実装なし
LEは消費電力の低さが強く求められるBluetooth機器向けの通信方式です。このようなBluetooth機器にLEのみ実装が見られます。例えばボタン電池で動作するBluetooth機器をLEのみ実装にし、LEでBluetooth通信すれば稼働時間が大幅に延びます。パソコンでは電源コンセントからの電力供給で動作するデスクトップパソコンはもちろんですが、バッテリーで動作するノートパソコンやタブレットでも消費電力の低さが強く求められません。Bluetoothの消費電力はLEではなくてもパソコン全体の消費電力と比べたら微々たるものですので、Bluetoothで消費電力を抑えても効果が薄いです。パソコンはBR、EDR、HSが実装されているBluetooth機器と接続して使用されることが多いです。そのため、Bluetooth搭載パソコンにはBRが必ず実装されています。EDRとHSは実装されているとは限りません。
Bluetooth機器ではBluetooth 4.0以上に対応の場合、LEの実装が必須ではなく任意ですが、パソコンと接続して使用されるBluetooth機器にLEのみ実装製品が増えていきLEの必要性が高くなるため、Bluetooth搭載だがLE未実装のパソコンが出てくるとは考えにくいです。Bluetooth搭載パソコンがBluetooth 4.0以上に対応なら、BRに加えてLEも必ず実装と判断できます。
BR、LEどちらか一方が実装されていないBluetooth搭載パソコンが出てくるかもしれませんが、Bluetoothを利用するパソコンにとってBRもLEも重要性が高い通信方式ですので出てこないと思われます。
以下はBluetooth搭載パソコンにおける通信方式の実装パターンです。
規格 | 実装通信方式 |
---|---|
Bluetooth 1.1 | BR |
Bluetooth 2.0〜2.1 | BR |
BR、EDR | |
Bluetooth 3.0 | BR |
BR、EDR | |
BR、EDR、HS | |
Bluetooth 4.0〜4.1 | BR、LE |
BR、EDR、LE | |
BR、EDR、HS、LE |
Bluetooth 3.0以下パソコンとLEのみ実装Bluetooth機器は互換性がない
Bluetooth搭載パソコンと接続して使用するBluetooth機器には、LEのみ実装されている製品があります。Bluetooth搭載パソコンの対応規格がBluetooth 3.0以下だと、LEのみ実装Bluetooth機器とは互換性がありません。Bluetooth搭載パソコンの対応規格がBluetooth 4.0以上であれば、どのBluetooth機器とも互換性があります。互換性ありでもプロファイル不足だと使用不可
通信方式の互換性に問題がなく通信できる組み合わせであっても、プロファイルが不足すると使用できません。プロファイルとはBluetoothの通信手順等が定義されたものです。プロファイルには多数の種類があり、Bluetooth機器がBluetooth通信で利用するプロファイルはBluetooth機器により異なります。例えばBluetooth搭載パソコンとBluetooth搭載マウスがあるとします。両者にはLEが実装されており、通信方式の互換性があり通信できる組み合わせとします。Bluetooth搭載マウスは自身がBluetooth通信で利用するプロファイルを持っていますが、それと同じプロファイルをBluetooth搭載パソコンが持っていなければ使用できません。
Bluetoothの最大通信速度
Bluetoothの最大通信速度は通信方式によって違います。
Bluetoothは、イヤホン、ヘッドフォン、スピーカーでの利用が多く、最大通信速度が1Mbpsでは十分な音質を実現できないため、EDRの必要性が高く普及しています。HSは最大通信速度が24Mbpsもありますが、この最大通信速度を出すと消費電力が無線LAN利用時と同じくらいになり、特にバッテリー動作する機器にとっては大きなデメリットとなり不要なのでEDRと比べると普及していません。パソコンがHSを実装しておらず必要な場合、HSを実装しているBluetoothアダプターを使用する方法があります。
通信方式 | 最大通信速度 |
---|---|
BR(Basic Rate) | 1Mbps |
EDR(Enhanced Data Rate) | 3Mbps |
HS(High Speed) | 24Mbps |
LE(Low Energy) | 1Mbps |
Bluetoothは、イヤホン、ヘッドフォン、スピーカーでの利用が多く、最大通信速度が1Mbpsでは十分な音質を実現できないため、EDRの必要性が高く普及しています。HSは最大通信速度が24Mbpsもありますが、この最大通信速度を出すと消費電力が無線LAN利用時と同じくらいになり、特にバッテリー動作する機器にとっては大きなデメリットとなり不要なのでEDRと比べると普及していません。パソコンがHSを実装しておらず必要な場合、HSを実装しているBluetoothアダプターを使用する方法があります。
BluetoothのClass
最大出力の上限、最大通信距離
Bluetoothは電波が到達する距離内で通信でき、距離外では通信できません。電波が届く距離、すなわち最大通信距離は対応するClass(クラス)によって決まります。出力が大きいほど電波を遠くまで飛ばせますが、Classごとに最大出力の上限が決まっています。最大出力とは出力できる最大電力です。ClassにはClass1、Class2、Class3があり、それぞれの最大出力の上限、最大通信距離は以下のとおりです。
Class | 最大出力の上限 | 最大通信距離 |
---|---|---|
Class1 | 100mW | 100m |
Class2 | 2.5mW | 10m |
Class3 | 1mW | 1m |
W(ワット)は電力の単位です。1Wは1,000mW(ミリワット)です。最大通信距離は最大出力の上限と同じ出力時の通信距離です。
最大出力の上限に対応とは限らない
Bluetooth機器は最大出力の上限と同じ出力に対応が必須ではありません。例えばClass1対応で出力が50mWまで対応でも問題ありません。そのため、同じClassに対応でもBluetooth機器により最大出力が異なる、すなわち最大通信距離が異なる場合があります。仕様の最大通信距離と実際の最大通信距離
Bluetooth機器の仕様では最大通信距離を最大出力の上限と同じ出力時の通信距離とする場合が多いです。実際の最大通信距離は仕様上よりも短い場合があります。Class2対応のBluetooth機器の多くは最大通信距離が10mに近いです。Class3対応のBluetooth機器の多くは最大通信距離が1mに近いです。Class1対応のBluetooth機器の多くは、最大通信距離が100mを大きく下回り50m程度が多いです。Bluetooth機器の仕様にメーカーによって実際に測定された最大通信距離が記載されている場合もありますが、実際の最大通信距離は通信環境により異なるので仕様通りとは限りません。異なるClass同士の最大通信距離
ここではBluetooth機器の出力が、対応Classの最大出力の上限と一致するとします。最大通信距離は最大出力の上限と同じ出力時の通信距離とします。Bluetooth機器同士で互いの対応Classが異なる場合、最大通信距離が短い方になります。例えば一方のBluetooth機器はClass1対応、もう一方のBluetooth機器はClass2対応であれば、最大通信距離がClass2の方の10mになります。消費電力
Classの数字が小さいほど消費電力が大きいので、必要以上に数字が小さいClassであれば選ばない方がよいと見聞きします。実際の通信距離によって消費電力が決まるので間違いです。例えばClass1であっても通信距離が10m以内であれば、消費電力がClass2の場合と同じです。パソコン、周辺機器の対応Class
Bluetoothを標準搭載するパソコン、周辺機器ではClass2が普及しています。Class1は産業用Bluetooth機器向けなので、Class2と比べるとClass1が普及していません。Class3では最大通信距離が短すぎるので、Class2と比べるとClass3が普及していません。Class1対応が必要な場合、Class1に対応の外付けBluetoothアダプターを使用する方法があります。Bluetoothの機能
マルチポイント
マルチポイントとは複数のBluetooth機器と同じプロファイルで同時接続できる機能です。マルチコネクションと呼ぶ場合もあります。例えばプロファイルのHSPとHFPを利用し、スマートフォンとヘッドセットを接続するとします。マルチポイントを利用するとヘッドセットと2台のスマートフォンを同時に接続でき、どちらのスマートフォンに着信があっても1台のヘッドセットで待ち受けできます。別のプロファイルを利用して同時接続することはマルチポイントではありません。例えば1つのオーディオ機器と1つのスマートフォン、それぞれイヤホンと異なるプロファイルを利用し同時接続する場合はマルチポイントではありません。
同時に接続するBluetooth機器の組み合わせの自由度は高くありません。例えば同時接続可能な数に制限があり、主にオーディオ用のプロファイルA2DPを利用する同時可能な接続数は2、主に通話用のプロファイルHFPを利用する同時可能な接続数は2であるイヤホンであれば、2つのオーディオ機器から同時に音楽再生し、2つのスマートフォンから電話の待ち受けをする使い方ができます。
Bluetoothのブランド
Bluetooth Smart
Bluetooth SmartとはLEのみ対応の機器に付くブランドです。キーボード、マウス、ヘッドセット等の周辺機器に付きます。Bluetooth Smart Ready
Bluetooth Smart ReadyとはLEとクラシック両方対応の機器に付くブランドです。パソコン、タブレット、スマートフォン等に付きます。このブランドが付く条件は他にもあり、プロファイルをダウンロードし利用可能にする機能が実装されている等があります。Bluetoothとパソコン
パソコンにBluetoothが普及しており、ほとんどのパソコンが対応しています。
パソコンがBluetoothに対応していない場合、外付けBluetoothアダプターを接続し使用するとBluetoothを利用できます。
Bluetooth標準搭載パソコンにて標準搭載のBluetoothをオフ(無効)にできない場合、外付けBluetoothアダプターと競合し正常に動作しませんが、標準搭載のBluetoothをオフにできないパソコンはないと思われます。
パソコンがBluetoothに対応していない場合、外付けBluetoothアダプターを接続し使用するとBluetoothを利用できます。
Bluetooth標準搭載パソコンにて標準搭載のBluetoothをオフ(無効)にできない場合、外付けBluetoothアダプターと競合し正常に動作しませんが、標準搭載のBluetoothをオフにできないパソコンはないと思われます。
トラブル
誤接続
Bluetooth対応のヘッドホンやヘッドセット等を複数使用する場合、接続相手がわかりにくいので誤接続が発生しやすいです。BluetoothではMACアドレスを利用して接続相手を区別します。仮に接続相手がわかるようにするとしてもMACアドレスの通知になるので、接続相手がわかりやすいようにできません。使用しないBluetooth機器とのペアリングを解除しておくと誤接続を防止できます。一時的にBluetooth機器の使用を止める場合、Bluetooth機器の電源をオフにしておくと誤接続を防止できます。
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