DRAM
最終更新日
2024年02月24日
DRAMとは
基礎
DRAMとはDynamic Random Access Memoryの略で、リフレッシュが必要なRAMです。ディーラムと読みます。Dynamic RAM、動的RAMと呼ぶ場合もあります。RAM
RAMとは、データ読み込みとデータ書き込み、どちらも可能なメモリーです。リフレッシュ
リフレッシュとは、保存中のデータと同じデータを再度書き込みすることです。リフレッシュが不要なRAMをSRAMと呼びます。リフレッシュが必要な理由
DRAMではコンデンサーが電荷を蓄えてデータを保存する仕組みです。コンデンサーに蓄えた電荷が自然放電により短時間でなくなってしまうので、リフレッシュを行い再度データを書き込むことでコンデンサーが電荷を蓄え続けデータを保存し続けます。インテルが世界初のDRAM製品化したが後に撤退
世界で初めてDRAMの製品化したのはインテルです。インテルでは1985年までDRAMを開発していました。インテルではCPUも開発していましたが、CPUとDRAMどちらも開発コストが高くなり、両者にコストをかけられるほどの余裕がなく、1985年にDRAMの開発から撤退しました。DRAMのメリット、デメリット
DRAMのメリット
DRAMはリフレッシュを必要とするが簡易な仕組みにできるのでコストが低いメリットがあります。DRAMのデメリット
DRAMはリフレッシュを必要とするためアクセス速度が遅い、消費電力が高いデメリットがあります。電力の供給がなくなるとデータが消えることもデメリットと言えますが、電力の供給がなくなってもデータが消えないHDD等と併用すれば問題ないため、デメリットと言うほどではありません。
DRAMとメモリーセル
メモリーセルが1ビットを記憶
DRAMに多数のメモリーセルがあります。メモリーセルとは、メモリーを構成している最小の要素です。各メモリーセルが0か1の1ビットのデータを記憶します。各メモリーセルがトランジスターとコンデンサーで構成されており、コンデンサー内の電荷の有無で0か1を区別します。メモリーセルが2次元の行列のように配置
DRAMに多数のメモリーセルが2次元の行列のように配置されており、これをメモリーセルアレイと呼びます。DRAMの構造
基本的な構造
DRAMの構造を大まかに見ていきます。大まかなので省略している信号線等があります。RAS線 | アドレス線 | CAS線 | |
---|---|---|---|
↓ | ↓ | ↓ | ↓ |
行アドレスバッファー | 列アドレスバッファー | ||
↓ | ↓ | ||
行アドレスデコーダー | 列アドレスデコーダー | ||
↓ | ↓ | ||
メモリーセルアレイ | |||
センスアンプ | |||
↓↑ | |||
データ線 |
RAS線
RAS線とは、RASを入力するための信号線です。RASとはRow Address Strobeの略で、DRAMの特定のメモリーセルにアクセスする際、アクセスする行アドレスを指定するタイミングを示すために出力する信号です。CAS線
CAS線とは、CASを入力するための信号線です。CASとはColumn Address Strobeの略で、DRAMの特定のメモリーセルにアクセスする際、アクセスする列アドレスを指定するタイミングを示すために出力する信号です。アドレス線
アドレス線とは、アドレス信号を入力するための信号です。アドレス信号とは、行アドレスや列アドレスを示すために出力する信号です。行アドレスバッファー
行アドレスバッファーとは、行アドレスを一時的に保持するバッファーです。列アドレスバッファー
列アドレスバッファーとは、列アドレスを一時的に保持するバッファーです。行アドレスデコーダー
行アドレスデコーダーとは、実際のメモリーセルの行アドレスに変換するデコーダーです。列アドレスデコーダー
列アドレスデコーダーとは、実際のメモリーセルの列アドレスに変換するデコーダーです。メモリーセルアレイ
メモリーセルアレイとは、2次元の行列のように配置されたメモリーセルの集まりです。メモリーセルとは、メモリーを構成している最小の要素です。各メモリーセルに行アドレスと列アドレスを指定してアクセスします。センスアンプ
センスアンプとは、メモリーセルからの電圧を増幅する回路です。データ線
データ線とは、データ信号を出力するための信号線です。DRAMの読み出し
読み出しの流れ
メモリーセルからデータを読み出す流れを大まかに見ていきます。大まかなので一部の流れを省略しています。(1)RASを入力しRAS線を有効にし、同時に行アドレスを示すアドレス信号を入力する
(2)CASを入力しCAS線を有効にし、同時に列アドレスを示すアドレス信号を入力する
(3)アクセス対象のメモリーセルから読み出したデータをデータ線に出力する
アクセスするメモリーセルのアドレスが連続する場合でも、特定のメモリーセルにアクセスする度に(1)(2)(3)を繰り返します。
FPM DRAM
FPM DRAMでは行アドレスが同じメモリーセルの列をページとします。同じページのメモリーセルの場合、行アドレスが同じで列アドレスだけが変わります。アクセスするメモリーセルが同じページかつアドレスが連続する場合、次のメモリーセルにアクセスするときから(2)(3)を繰り返します。これにより読み出し効率が上がり性能が向上します。出典
・DRAM - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典(2010/04/19更新記事)
・メモリーはどのようにアクセスされるか(2) | 日経クロステック(xTECH)(2007/08/10公開記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり インテルから学ぶプロセスの歴史 (2/3)(2014/02/10更新記事)
・非同期アクセスで、メモリーはEDOまで発展した | 日経クロステック(xTECH)(2020/03/26公開記事)
・メモリーはどのようにアクセスされるか(2) | 日経クロステック(xTECH)(2007/08/10公開記事)
・ASCII.jp:半導体プロセスまるわかり インテルから学ぶプロセスの歴史 (2/3)(2014/02/10更新記事)
・非同期アクセスで、メモリーはEDOまで発展した | 日経クロステック(xTECH)(2020/03/26公開記事)
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