ディスプレイのLUT(Look Up Table)
最終更新日
2024年09月08日
ディスプレイのLUT(Look Up Table)とは
基礎
ディスプレイのLUTとはLook Up Tableの略で、内部ガンマ補正を行う際に利用する表です。ラットと読みます。略さない方をルックアップテーブルと読みます。内部ガンマ補正では、パソコンからディスプレイに入力された色情報を計算し、ディスプレイにとって最適な色情報に変換しますが、その際に利用するのがLUTです。
内部ガンマ補正以外でも利用
LUTは内部ガンマ補正以外でも利用する表です。一般的に言えば、関数による数値変換、入力値に対する出力値等、対応関係にある数値を参照するために利用する表がLUTです。LUTにより負荷低減
例えば入力値から計算して出力値を出すとします。計算が複雑で処理の負荷が高いとします。あらかじめ計算した結果の出力値を格納したLUTを用意し、入力値から複雑な計算なしで出力値を出すようにすると負荷が低くなります。LUTと内部ガンマ補正
ガンマカーブの乱れを補正する
内部ガンマ補正とは、ガンマカーブの乱れを補正し、理想的なy=xのγ乗に近づけることです。多くの液晶ディスプレイのγが2.2です。実際のガンマカーブがy=xの2.2乗の通りではなく乱れがあります。画質に悪影響があるため、内部ガンマ補正します。ガンマカーブ
ガンマカーブとは、ディスプレイのガンマ値のグラフであり、弧を描くように曲がったグラフです。y=xのγ乗
ガンマカーブの式がy=xのγ乗です。xは色情報の入力、yは色情報の出力です。γはガンマ値と呼び、数値化したガンマ特性です。xとy、それぞれの最小値は0、最大値は1です。ガンマ特性
ガンマ特性とは、ディスプレイに入力された色情報を出力する際に見られるディスプレイ固有の発色特性です。内部ガンマ補正時にLUTを利用する
液晶ディスプレイに入力される色情報がRGB各色8ビットです。ディスプレイで階調を増やし、RGB各色10ビット等にします。階調を増やすほど、色の再現性が高くなります。LUTを参照し、RGB各色10ビット等の色情報から、液晶ディスプレイにとって最適なRGB各色8ビットの色情報を取り出します。液晶ディスプレイに入力された色情報のままでは液晶ディスプレイにとって最適ではありませんが、LUTにより最適な色情報になります。この処理により、ガンマカーブが理想的なy=xのγ乗に近づきます。
計算時の階調のビット数
内部ガンマ補正で計算する際に階調を増やします。LUTよりも大きいビット数に増やします。例えば、RGB各色10ビットのLUTを利用する場合、階調をRGB各色8ビットから14ビットに増やします。階調のビット数を大きくするほど、計算の精度が高くなり、階調の再現性も高くなります。階調の再現性を高めるために計算の精度が非常に重要です。特に暗い色の階調で重要です。計算の精度が低いと、特に暗い色の階調部分のガンマカーブが、理想的なy=xのγ乗から遠くなります。
LUTにより負荷低減
LUTを利用しなくても内部ガンマ補正できます。しかし、処理が増えて負荷が高まります。LUTを利用することによって負荷が低くなります。LUTのビット数
LUTのビット数が大きいほど高画質
LUTのビット数が大きいほど、色の再現性や階調の再現性が高くなります。計算時の階調のビット数も画質に影響しますが、ここでは計算ビット数がLUTのビット数と同じとします。例えばRGB各色8ビットLUTとRGB各色10ビットLUTで比較すると、視認できるくらい画質に違いがあります。グラデーションを表示すると、色の再現性や階調の再現性に違いがあるとわかります。表示色数からLUTのビット数がわかる
LUTのビット数が表示色数からわかる場合があります。例えば約1677万色(約10億6433万色中)と記載の場合、LUTのビット数がRGB各色10ビットです。RGB各色10ビットを色数にすると、1024階調の3乗=約10億6433万色となるためです。1024階調の3乗が約10億7374万色ですが、FRC利用の場合を例としているため約10億6433万色です。他にも例を挙げます。例えば約1677万色(約680億色中)と記載の場合、LUTのビット数がRGB各色12ビットです。
価格が高いほどLUTのビット数が大きい傾向
価格が安い液晶ディスプレイだとRGB各色8ビットのLUTの場合が多いです。価格が高い画質重視の液晶ディスプレイだと、RGB各色10ビットのLUT、RGB各色12ビットのLUT等が見られます。推奨LUTビット数
LUTのビット数が大きいほど推奨できますが、価格が高くなります。2009/02/18時点では、画質重視であれば最低でもRGB各色10ビットLUTを推奨します。RGB各色10ビットLUTなら比較的安価なモデルにも見られます。計算時の階調のビット数も重要ですが、RGB各色10ビットLUTでも計算ビット数が12ビット以上のモデルだと価格が高いです。価格が高くても画質重視なら、RGB各色12ビットLUTかつ計算ビット数が14ビットまたは16ビットを推奨します。出典
・LUT(ラット/look-up table)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書
・同じ色数でも画質が違うヒミツ――液晶ディスプレイの「最大表示色/LUT」に迫る:ITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第4回(2/2 ページ) - ITmedia PC USER(2009/02/18公開記事)
・“曲線美”が色再現性の決め手になる?――液晶ディスプレイの「ガンマ」を知ろう:ITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第7回(2/2 ページ) - ITmedia PC USER(2009/07/10公開記事)
・同じ色数でも画質が違うヒミツ――液晶ディスプレイの「最大表示色/LUT」に迫る:ITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第4回(2/2 ページ) - ITmedia PC USER(2009/02/18公開記事)
・“曲線美”が色再現性の決め手になる?――液晶ディスプレイの「ガンマ」を知ろう:ITmedia流液晶ディスプレイ講座II 第7回(2/2 ページ) - ITmedia PC USER(2009/07/10公開記事)
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