64ビット版OSが動作するパソコンの条件

最終更新日 2023年09月07日

64ビット版 OS が動作するためにパソコンに必要なハードウェアとは

OS の Windows 等には、32ビット版と64ビット版があります。パソコンで64ビット版 OS が動作するためには、64ビット対応 CPU と、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードがパソコンに組み込まれている必要があります。

64ビット対応 CPU と、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードは、32ビットと互換性がありますので、32ビット版 OS も動作します。

32ビットと互換性がない64ビット対応 CPU と、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードもありますが、2015年1月1日時点では個人が使用する家庭向けの64ビット対応 CPU と、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードは、全製品が32ビットと互換性があります。

いずれ32ビット版 OS が使われなくなり、32ビットと互換性を保つ必要がなくなれば、32ビットと互換性がなくなっていくかもしれません。

・64ビット対応 CPU、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードが必要

どの CPU が64ビットに対応しているのか

インテル社の CPU

インテル社のデスクトップパソコン向け CPU では、マイクロアーキテクチャ NetBurst、開発コードネーム Prescott の Pentium 4、マイクロアーキテクチャ NetBurst、開発コードネーム Prescott-256 の Celeron D から、64ビット対応へ移行し始めました。この Pentium 4 と Celeron D の全製品が64ビット対応ではなく、32ビット対応の製品もあります。

CPU は同時期に複数のブランドで発売され、上位ブランド(高機能、高性能)と下位ブランド(低機能、低性能)に分かれますが、Pentium 4 が上位ブランド、Celeron D が下位ブランドです。

インテル社のモバイルパソコン向け CPU では、マイクロアーキテクチャ Core、開発コードネーム Merom の Core 2 Duo、Core 2 Solo、Celeron M、Celeron から、64ビット対応へ移行し始めました。

Core 2 Duo が上位ブランド、その下位ブランドが Core 2 Solo、Celeron M と Celeron は最下位ブランドです。

  マイクロ
アーキテクチャ
開発
コードネーム
ブランド
デスクトップ NetBurst Prescott Pentium 4(※1)
Prescott-256 Celeron D(※1)
モバイル Core Merom Core 2 Duo
Core 2 Solo
Celeron M
Celeron
(※1)一部32ビット対応の製品もあり

AMD 社の CPU

AMD 社のデスクトップパソコン向け CPU では、マイクロアーキテクチャ K8、開発コードネーム ClawHammer の Athlon 64、マイクロアーキテクチャ K8、開発コードネーム Palermo の Sempron から、64ビット対応へ移行し始めました。Athlon 64 が上位ブランド、Sempron が下位ブランドです。

AMD 社のモバイルパソコン向け CPU では、マイクロアーキテクチャ K8、開発コードネーム ClawHammer の Mobile Athlon 64、マイクロアーキテクチャ K8、開発コードネーム Keene の Sempron から、64ビット対応へ移行し始めました。Mobile Athlon 64 が上位ブランド、Sempron が下位ブランドです。

  マイクロ
アーキテクチャ
開発
コードネーム
ブランド
デスクトップ K8 ClawHammer Athlon 64
Palermo Sempron
モバイル K8 ClawHammer Mobile Athlon 64
Keene Sempron

64ビット対応へ移行後に発売された CPU は全ての製品が64ビットに対応しているのか

CPU は64ビット対応へ移行し始め、それ以降に発売された CPU は、ほぼ全ての製品が64ビットに対応していますが、全ての製品が64ビットに対応しているわけではありません。例えば、インテル社の Atom は、2008年より発売開始された CPU ですが、一部の製品は64ビットに対応していません。

64ビットに対応していない CPU は、もう発売される事はないと確定はしていないため、パソコンに64ビット版 OS をインストールするつもりなら、そのパソコンに搭載されている CPU は64ビットに対応しているのかどうか念のため確認しておくと良いです。

・64ビット対応へ移行後に発売された CPU でも一部の製品は64ビット非対応

どのマザーボードが64ビット対応 CPU に対応しているのか

CPU は、製品名がわかれば、インターネットで製品に関する情報を調べ64ビットに対応しているのかわかります。同様にマザーボードも製品名がわかれば、インターネットで64ビット対応 CPU に対応しているのか調べられます。

メーカー独自のマザーボードを搭載し、完成品として販売されたパソコンでは、マザーボードの製品名がわからない、または製品名がわかっても製品に関する情報がなく、64ビット対応 CPU に対応しているのか不明な場合があります。

マザーボードが64ビット対応 CPU に対応しているのか不明な場合、64ビット版 OS が動作するのかは実際にインストールして確かめてみないとわかりません。

パソコンに64ビット対応 CPU が搭載されていれば、基本的にマザーボードは64ビット対応 CPU に対応していますが、64ビット対応へ移行し始めた CPU が発売された頃は32ビット版 OS が主流でしたので、64ビット対応 CPU を搭載し、64ビット対応 CPU に対応していないマザーボードを搭載したパソコンも見られました。

このようなパソコンは、64ビット版 OS は動作しませんが32ビット版 OS は動作します。なぜなら、64ビット対応 CPU は、32ビットと互換性がありますので、32ビット対応 CPU としてマザーボードに搭載でき、32ビット版 OS が動作するからです。

そのため、64ビット対応 CPU が搭載されたパソコンでも、マザーボードが64ビット対応 CPU に対応しているとは限りません。

・64ビット対応 CPU を搭載できるマザーボードは、基本的に64ビット対応 CPU に対応している

64ビット対応 CPU、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードがあれば必ず64ビット版 OS が動作するのか

パソコンに64ビット対応 CPU、64ビット対応 CPU に対応したマザーボードが搭載されていれば、ハードウェアに関しては64ビット版 OS が動作する条件を満たしています。この条件を満たしていても、デバイスドライバ次第では64ビット版 OS が動作しません。

OS 上で動作するソフトウェアにも32ビット版と64ビット版があります。デバイスドライバはソフトウェアの一種であり、PC パーツや周辺機器を認識して制御します。単にドライバとも呼ばれます。

64ビット版 OS が動作するためには、パソコンに搭載されている PC パーツを認識して制御する必要があり、64ビット版デバイスドライバが必要となります。

  32ビット版 OS 64ビット版 OS
32ビット版
ドライバ
動作する 動作しない
64ビット版
ドライバ
動作しない 動作する

OS には標準デバイスドライバが入っており、多くの PC パーツや周辺機器は、標準デバイスドライバで制御できます。64ビット版 OS には、64ビット版の標準デバイスドライバが入っていますが、それでは制御できない場合、PC パーツや周辺機器のメーカーが提供する64ビット版デバイスドライバが必要です。

64ビット版の標準デバイスドライバで制御できたとしても、本来の機能を使う、または本来の性能を発揮するためには、PC パーツや周辺機器のメーカーが提供する64ビット版デバイスドライバが必要になる場合があります。

OS 標準デバイスドライバ 多くの PC パーツや周辺機器を制御できる
PC パーツ、周辺機器メーカー
提供デバイスドライバ
一部の PC パーツや周辺機器の制御に必要
(※)どの PC パーツや周辺機器が OS 標準デバイスドライバで制御できるのかできないのか、OS インストール前に判断するのは難しい

マザーボード用のデバイスドライバはマザーボードのメーカーが提供しており、マザーボード以外の拡張カード等の PC パーツ用のデバイスドライバは PC パーツのメーカーが提供していますが、64ビット版デバイスドライバが提供されていなければ、OS が PC パーツを認識して制御できず OS をインストールできない場合があります。

64ビット対応 CPU に対応したマザーボードであれば、そのマザーボード用の64ビット版デバイスドライバが提供されているでしょうが、マザーボードに接続している別の PC パーツとの組み合わせ方によっては、必要になってくる64ビット版デバイスドライバが提供されておらず、64ビット版 OS をインストールできない場合があります。

また、64ビット版デバイスドライバが提供されていても、インストールする64ビット版 OS の製品用のデバイスドライバが提供されていないため、OS が PC パーツを認識して制御できず、OS をインストールできない場合があります。これに関しては、32ビット版 OS でも同様であり、例えば Windows Vista をインストールしようとしたが、Windows Vista 上では動作しない Windows XP 用デバイスドライバしか提供されておらず、Windows Vista をインストールできない場合があります。

64ビット版 OS をインストールできたとしても、64ビット版デバイスドライバが提供されていない、または64ビット版 OS の製品向けのデバイスドライバが提供されておらず、必要なデバイスドライバがなければ、そのデバイスドライバが必要になってくる PC パーツを認識して制御できません。

・デバイスドライバの問題で64ビット版 OS をインストールできない場合あり


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