SSDのフラッシュメモリー

最終更新日 2023年09月07日

SSDのフラッシュメモリーとは

基礎

SSDのフラッシュメモリーとは、SSDの記憶媒体です。フラッシュメモリーに様々な種類がありますが、SSDではNAND型フラッシュメモリーを使用します。1987年に東芝が開発しました。NAND型フラッシュメモリーは不揮発性メモリーであり、電力供給がなくてもデータを保持できます。NOR型フラッシュメモリーと比較するとデータ書き込み速度やデータ消去速度が速く、回路規模が小さく低コストで大容量化を実現できます。

用語

記憶装置とは、データを記憶する装置です。記憶媒体とは、データを記憶できる物です。記憶装置が記憶媒体に対しデータ読み書きを行います。SSDは記憶装置、フラッシュメモリーは記憶媒体です。

SSDの記憶媒体がフラッシュメモリーとは限らない

SSDの記憶媒体がフラッシュメモリーとは限りません。例えばDRAMを使用するSSDもあります。フラッシュメモリーを使用するSSDが普及しています(2023/07/07時点)。

ページ単位でデータ読み書き、イレースブロック単位でデータ消去

SSDのフラッシュメモリーではページ単位でデータ読み書きし、イレースブロック単位でデータ消去します。ページとは、イレースブロックを構成する単位です。イレースブロックとは、データを消去する操作でアドレス指定可能な最小単位です。複数のページで構成されています。

フラッシュメモリーの性能、信頼性は低い

フラッシュメモリーだけではHDDと同じくらいの性能、信頼性がありません。様々な機能がSSDの高い性能と高い信頼性を実現しています。

SSDでは複数のフラッシュメモリーに対し並列アクセスすることによってHDD以上の性能を出しています。1つのフラッシュメモリーのアクセス速度が同じの場合、並列アクセス数が多いほどSSDのアクセス速度が速いです。

フラッシュメモリーには書き換え可能回数があります。書き換え可能回数とは、データ記録回数の上限です。データを書き換えると劣化し、データの保持ができなくなるほど劣化すると寿命です。SSDではウェアレベリングを採用しています。ウェアレベリングとは、データ書き込みが論理ドライブ全体に不均等に分散されている場合でも、フラッシュメモリーの物理的な場所全体に書き換え回数を分散させる機能です。ウェアレベリングがあるのでSSDの寿命が長いです。

SSDではデータ読み書きできないイレースブロックが発生する場合があります。不良イレースブロックと呼びます。発生した場合、使用しないように管理します。データの信頼性の確保のために、データの誤り訂正もあります。データの誤り訂正とは、データの間違いを検出し正しく直す機能です。

出典
SSDの仕組を大解剖! | SSD完全攻略マニュアル | DOS/V POWER REPORT(2009年10月号)

SSDのフラッシュメモリーの容量

フラッシュメモリーの容量単価の低下でSSDが普及

SSDが登場する前からフラッシュメモリーが登場していましたが、フラッシュメモリーの容量単価が高かったのでSSDの普及が進みませんでした。2008年頃の前の数年間で1年間当たりに容量単価が半分、最大容量が2倍になるほど、容量単価の低下と大容量化が進み、2008年頃にSSDの普及が進む兆しが出てきました。

出典
SSD徹底解剖 1/2 | SSD徹底解剖 | DOS/V POWER REPORT(2009年3月号)

SSDのフラッシュメモリーのメモリーセル

SLC、MLC、TLC、QLC

フラッシュメモリーは多数のメモリーセルで構成されており、メモリーセルにデータを記憶します。1ビットのデータを記憶するメモリーセルはSLCです。2ビットはMLC、3ビットはTLC、4ビットはQLCです。

  少ない ← 電子量 → 多い
SLC 1 0
MLC 11 10 01 00
TLC 111 110 101 100 011 010 001 000
QLC 1
1
1
1
1
1
1
0
1
1
0
1
1
1
0
0
1
0
1
1
1
0
1
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
0
0
1
0
1
0
1
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0

あくまでもイメージですが、メモリーセルは非常に小さな容器であり、この容器に電子を入れたり出したりしてデータを記憶します。SLCでは電子量があると0、ないと1です。MLCでは電子量が最も多いと00、その次に多いと01、その次に多いと10、ないと11です。TLCもQLCも同じようにデータを記憶します。

出典
SSDの延命機能「ウエアレベリング」、セルの書き込み回数を平均化する | 日経クロステック(xTECH)(2023/05/22公開記事)

QLC SSD、TLC SSDのデメリットを気にする必要なし

大容量化しやすい、容量当たりの価格が安い、これらのメリットが強い順に並べると、QLC、TLC、MLC、SLCです。メモリーセルに注入する電荷量の要求精度が高い、データ書き込み速度が遅い、耐久性が低い、これらのデメリットが強い順に並べると、QLC、TLC、MLC、SLCです。

大容量かつ容量当たりの価格が安いQLC SSDやTLC SSDにデメリットがありますが、改善されているので気にする必要がありません。実用に問題がないのでQLC SSDやTLC SSDが主流なほどです(2023/07/18時点)。

SSDのフラッシュメモリーの寿命

フラッシュメモリー以外の部品にも寿命がある

SSDのフラッシュメモリーがデータ書き換えの劣化により寿命を迎えることは、膨大なデータ書き込み量が発生しない限りありません。それでもコントローラーや基板等、他の部品にも寿命があるのでSSDに寿命があります。これらの部品の寿命の予測は難しく、HDDと同じくらいの寿命は確保しているだろうと期待すれば、HDDと同じくらいの寿命があります。ちなみに企業で従業員が使用する大量のパソコンを管理してきた経験がありますが、少なくともSSDの寿命がHDDと同じくらいは確かです。SSDの方が寿命が短い傾向は見られません。


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