USBメモリーを放置するとデータが消える理由

最終更新日 2023年09月08日

USBメモリーを放置するとデータが消える理由とは

基礎

USBメモリーを放置するとデータが消える理由とは、浮遊ゲートから電子が漏れ出るためです。

データを書き込むとき、浮遊ゲートにトンネル酸化膜を通して電子を出し入れしますが、データを書き込んでいないときに電子が漏れ出てしまう場合があります。電子が少しずつ漏れ、データが消えるほど電子が漏れ出るまで時間がかかるので、USBメモリーを放置しても直ちにデータが消えることはありません。5年や10年という長期間が経過するとデータが消えます。

トンネル酸化膜は電子が通り抜けるほど、すなわちデータを書き込むほど劣化します。トンネル酸化膜が劣化するほど浮遊ゲートから電子が漏れ出やすくなります。USBメモリーに書き込みしたデータ量が多いほど劣化しているので、放置してデータが消えるまでの期間が短いです。

温度が高いほど浮遊ゲートから電子が漏れ出やすいこともあります。そのため、例えば真夏の直射日光が当たる屋外に駐車した自動車にUSBメモリーを放置すると、データが消えるまでの期間が短くなります。

USBメモリーを放置せずにパソコンに接続し使用していても、読み込むだけのデータは実質的にUSBメモリーを放置することと同じです。放置していなくても電子が少しずつ漏れ出し、データを読み込むときに電子を補充することがないためです。

データを書き込みした直後の電子量に戻すなら、またUSBメモリーにデータを書き込む必要があります。例えば、USBメモリーのデータをパソコンのストレージにコピーしてからUSBメモリーのデータを削除し、パソコンのストレージにコピーしたデータをUSBメモリーにコピーして戻すと、データ書き込み直後の電子量に戻ります。

出典
なぜ消えるのか、劣化するのか(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
【USBメモリー編】放置厳禁!データの“自然蒸発”に要注意(5ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2010/05/25公開記事)

用語

浮遊ゲートとは、1ビットまたは複数ビットのデータを格納する部分です。浮遊ゲートに蓄積した電子量を基に1ビットまたは複数ビットのデータを識別します。例えば浮遊ゲートに電子量がない場合は1、ある場合は0とし、1ビットのデータを識別します。

浮遊ゲートはトンネル酸化膜で囲まれた箱のようなものです。トンネル酸化膜とは、浮遊ゲートに電子を出し入れするときに電子が通り抜ける絶縁体です。トンネル効果により電子が通り抜けます。

トンネル効果とは、電子等が本来は通り抜けられないはずの壁を、ある確率で通り抜ける現象です。


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