モバイルバッテリーの選び方
最終更新日
2023年09月07日
モバイルバッテリーの選び方とは
基礎
モバイルバッテリーの選び方とは、多くのモバイルバッテリーの中から目的や基準や条件にかなうものを選択する方法です。エラビカタと読みます。確認が必要な仕様
モバイルバッテリーの選び方で確認が必要な主な仕様は、サイズ、容量、最大出力電力、コネクターの種類や数、以上です。モバイルバッテリーの用途
用途によって変わる選び方
モバイルバッテリーを選ぶ際、その用途を確認します。選び方が用途によって異なります。モバイルバッテリー の用途 |
モバイルバッテリー の選び方 |
---|---|
持って外へ出て使う | ・容量に限らずサイズや重量も考慮して選ぶ ・サイズや重量が小さいと良い |
停電等に備えて自宅等に備蓄する | ・サイズや重量を考慮せず容量重視で選ぶ ・容量が大きいと良い |
モバイルバッテリーの選び方、充電対象機器
充電対象機器によって変わる選び方
モバイルバッテリーを選ぶ際、充電対象機器の種類、台数、コネクターを確認します。モバイルバッテリーに必要な容量、最大出力電力、コネクターを決めるためです。充電対象機器の種類
充電対象機器の主な種類に、モバイルノートパソコンとスマートフォンがあります。充電対象機器 の種類 |
モバイルバッテリー の選び方 |
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モバイル ノートパソコン |
・大きな容量が必要 ・大きな最大出力電力が必要 |
スマートフォン | ・小さな容量でも良い ・小さな最大出力電力でも良い |
スマートフォンでも台数が多いと大きな容量が必要です。
充電対象機器の容量
モバイルバッテリーの容量を選ぶために、充電対象機器の仕様に記載のバッテリー容量を確認します。不明の場合、モバイルノートパソコンを1台充電するなら20,000mAh、スマートフォンを1台充電するなら5,000mAhを選択の目安にします。ただし、充電対象機器のバッテリー容量が製品によって異なるため、この選択の目安だと足りない場合があります。モバイルバッテリー、ワイヤレス充電
ケーブル不要
モバイルバッテリーがワイヤレス充電に対応だと便利です。ケーブルが不要になります。規格
モバイルバッテリーと充電対象機器が、同じ規格に対応だとワイヤレス充電できます。主な規格に、Qi2、MagSafeがあります(2024/10/07時点)。例えば、モバイルバッテリーを使いiPhoneをワイヤレス充電する場合、両者がMagSafe対応の必要があります。MagSafe対応モバイルバッテリーが磁石を搭載しています。MagSafe対応iPhoneの背面にMagSafe対応モバイルバッテリーを磁石で取り付けられます。磁石で固定するため確実に充電できます。モバイルバッテリーのサイズ
据え置きと言えるくらいサイズが大きい製品もある
モバイルバッテリーのサイズが製品によって異なります。サイズが大きくてもモバイルバッテリーなので、持って外へ出て使用しやすいですが、机の上等の場所に据えて固定するように使用するのに適する、据え置きとも言えるくらいサイズが大きいモバイルバッテリーもあります。自分にとって適するサイズのモバイルバッテリーを選びます。サイズが大きいほど容量が大きい
モバイルバッテリーのサイズが大きいほど、容量が大きい傾向があります。サイズの小ささ、容量の大きさ、どちらを重視するか使用目的を考慮して決めます。基本的に、持って外へ出て使用するなら容量が小さくてもサイズが小さい方が良いです。そうではなければ、サイズが大きくても容量が大きい方が良いです。停電の備えとしても重宝します。モバイルバッテリーの容量
容量以外も考慮して選ぶ
モバイルバッテリーの容量が大きいほど満充電回数が多いです。しかし、容量が大きいほどサイズと重量が大きく価格が高いです。必要に応じて容量以外も考慮して選びます。例えばサイズと重量の小ささを重視するなら、容量が小さくても妥協して選びます。モバイルバッテリーの容量 | ||
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大きい | 小さい | |
満充電回数 | 多い | 少ない |
サイズ | 大きい | 小さい |
重量 | 大きい | 小さい |
価格 | 高い | 安い |
大雑把な満充電回数の目安
モバイルバッテリーの満充電回数の目安を、大雑把に書きます。容量が5,000mAhあればスマートフォンを1回、20,000mAhあればモバイルノートパソコンを1回です。あくまでも大雑把な目安です。例えば、5,000mAhあってもスマートフォンによっては満充電できない場合があります。このような違いが出てくる理由は、スマートフォン等のバッテリーの容量がモデルによって異なるためです。満充電回数の目安
モバイルバッテリー の容量 |
満充電回数の目安 | |
---|---|---|
スマート フォン |
モバイル ノートパソコン |
|
3,000mAh | 1回 | 0回 |
5,000mAh | 1回 | 0回 |
10,000mAh | 2回 | 0回 |
15,000mAh | 3回 | 0回 |
20,000mAh | 4回 | 1回 |
25,000mAh | 5回 | 1回 |
満充電回数の目安は、一般的な目安です。製品によって異なります。
容量に余裕を持たせる
必要な容量があるモバイルバッテリーを選べば良いです。自然災害等に備えて余裕がある容量を選ぶのもありです。長時間の停電が発生し、通常よりも充電が必要になるときに役に立つかもしれません。例えば、通常はスマートフォンを満充電にできる回数が1回で十分でも、2回できるモバイルバッテリーを選んでおきます。モバイルバッテリーの選び方、急速充電
急速充電の主な規格
モバイルバッテリーの急速充電の主な規格には、USB BC、USB PD、Quick Charge等があります。必要な規格に対応する製品を選ぶ
急速充電の規格を利用するには、モバイルバッテリーと充電対象機器の両方が、その規格に対応の必要があります。対応規格が製品によって異なります。必要な規格に対応の製品を選びます。例えば、充電対象機器がUSB PD対応であり、USB PDを利用して急速充電するなら、USB PD対応製品を選びます。モバイルバッテリーの選び方、USB PD
PDO
PDOとはPower Data Objectsの略で、USB PDモバイルバッテリーが利用できる電圧値と電流値の組み合わせです。PDOを確認する必要がありません。最大出力電力を確認すれば良いです。最大出力電力
モバイルバッテリーの最大出力電力が、充電対象機器の要求電力以上の必要があります。充電対象機器に付属するUSB PD充電器の最大出力電力と同等以上を選ぶと簡単です。100Wや240Wとは限らない
USB PDの規格上の最大出力電力が、USB PD SPRは100W、USB PD EPRは240Wです。モバイルバッテリーがUSB PD対応でも100Wや240Wとは限らず、製品によって異なります。モバイルバッテリーは大きくても50W程度の製品が多いです。その程度あれば多くの充電対象機器を充電できるためです。USB Type-C搭載でもUSB PD対応とは限らない
USB PDに対応するにはUSB Type-Cが必要です。モバイルバッテリーにUSB Type-CがあってもUSB PD対応とは限りません。USB Type-Cケーブルの最大電力
USB PDを利用する電力伝送にUSB Type-Cケーブルを使います。伝送できる最大電力が製品によって異なります。60W対応製品、100W対応製品、240W製品があります。例えば、モバイルバッテリーの最大出力電力が75W、充電対象機器の要求電力が75Wの場合、100W対応製品や240W製品を使います。モバイルバッテリーの最大出力電力
要求電力以上が必要
モバイルバッテリーの最大出力電力が、充電対象機器の要求電力以上に対応の必要があります。要求電力未満だと充電できない場合があります。特にノートパソコンは要求電力が大きく、要求電力未満だと充電できない場合が多いです。例えば、スマートフォンの要求電力が18Wの場合、18W以上を選びます。要求電力の確認方法
充電対象機器の要求電力が製品によって異なります。製品の仕様に要求電力の記載がありますが、ない場合もあります。その場合、製品に付属するUSB充電器の最大出力電力以上を選びます。主な充電対象機器の要求電力の目安
下表は、主な充電対象機器の要求電力の目安です。充電対象機器 | 要求電力の目安 |
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ハイエンドノートパソコン | 80〜140W |
モバイルノートパソコン | 30〜60W |
タブレット | 20〜45W |
スマートフォン | 7.5〜30W |
スマートウォッチ | 4.5〜15W |
ワイヤレスイヤホン | 4.5〜15W |
デジタルカメラ | 18〜30W |
あくまでも目安のため、目安の範囲外の場合もあります。
付属USB充電器の最大出力電力を参考にする
モバイルバッテリーの最大出力電力を選ぶ場合、充電対象機器に付属するUSB充電器の最大出力電力を参考にすると簡単です。それ以上の最大出力電力に対応する製品を選べば良いためです。モバイルバッテリーの選び方、コネクター
コネクターの種類
モバイルバッテリーのコネクターの種類に、USB Type-C、USB Type-Aがあります(2025/08/09時点)。必要なコネクターがあるか確認して選びます。コネクターの数
モバイルバッテリーで複数の充電対象機器を同時に充電するなら、複数のコネクターが必要です。コネクターの数が必要分あるか確認して選びます。同時充電可能台数
同時に複数の機器を充電したい場合、同時充電可能台数を確認して選びます。持ち運びしやすいサイズも考慮すると多くても3台が目安です。多くの人にとって3台も同時に充電できれば十分と思われます。
全ての機器を最大出力で充電できるとは限りません。例えば、1台の充電は最大出力が60W、もう1台の充電は最大出力が18Wの場合があります。
全ての機器を最大出力で充電できるとは限りません。例えば、1台の充電は最大出力が60W、もう1台の充電は最大出力が18Wの場合があります。
モバイルバッテリーの選び方、保護機能
安全性重視なら必須の保護機能
下表は、モバイルバッテリーの安全性を重視するなら必須と言える保護機能です。保護機能 | 説明 |
---|---|
過充電保護機能 | ・満充電になると電力の入力を切る |
過放電保護機能 | ・放電終止電圧を下回ったら電力の出力を切る |
過電圧保護機能 | ・充電対象機器に誤って過大な電圧の電力を出力しそうになると出力を切る |
過電流保護機能 | ・充電対象機器に誤って過大な電流の電力を出力しそうになると出力を切る |
過温度保護機能 | ・充電中や放電中に温度が高すぎると電力の入力や出力を切る |
短絡保護機能 | ・短絡による突発的な電流を検出すると電力の入力や出力を切り回路を切り離す |
モバイルバッテリーの仕様で上記の保護機能に対応しているか確認します。仕様に対応の記載がなくても対応しているでしょうが、対応と記載があると確実で安心です。
モバイルバッテリーのPSEマーク
丸形PSEマークが付く
PSEマークには、丸形のPSEマークとひし形のPSEマークがあります。丸形のPSEマークは、ベンダーが検査し技術基準に適合すれば付けられます。ひし形のPSEマークは、国に登録した検査機関が検査して認証を発行したら付けられます。モバイルバッテリーには、丸形のPSEマークが付きます。PSEマークではなくベンダーを基準に選ぶ
PSEマークがないモバイルバッテリーは、2019年2月1日以降から販売禁止です。それでも販売しているところがあるかもしれませんが、モバイルバッテリーの全製品にPSEマークがあります。モバイルバッテリーにPSEマークが付いていますが、丸形のPSEマークです。そのため、安全性がベンダー次第です。ほとんどのベンダーが検査等をしっかり行っていますが、極一部のベンダーはそうではありません。そのため、PSEマークが付いれば、安全性が高いとは限りません。安全性を重視するなら、PSEマークではなく、ベンダーを基準に選ぶと良いです。メーカー
安全性
パソコンやスマートフォンと比べてモバイルバッテリーの開発や製造に必要な技術力が低く参入障壁が低いです。モバイルバッテリーの市場に様々なメーカーが参入しており、その中には利益重視でコストを削減し安全性が犠牲になった製品を開発し製造するメーカーが存在します。そのため、モバイルバッテリーに安全性が低い製品が多いです。モバイルバッテリーの火災の9割以上が通常使用で発生です。つまり、モバイルバッテリー自体に問題があり、分解や改造等の危険な使い方ではなくても火災が発生です。トラブルが発生すると最悪火災につながるので、安全性を重視し信用・信頼できるメーカーの製品を選ぶとよいです。それでも火災等のリスクをゼロにできません。燃えやすいものが近くにある場所でモバイルバッテリーの充電等を行わない、何かあってもすぐに対処できるように、できるだけ在宅中にモバイルバッテリーの充電等を行う、以上に気をつけるとよいです。
信用・信頼
モバイルバッテリーは安全性が重要です。製品に不具合がなくても衝撃等が原因で発火や爆発等のリスクがあります。このリスクを少しでも抑えるためにメーカーが開発し製造しています。そこで信用・信頼できるメーカーの製品を選ぶとよいです。この条件に当てはまる製品がいろいろありますが、個人的にはAnker(アンカー)の製品が最も該当します。他にも存在しますので、選ぶ前に評価や評判を調べてみるとよいです。
モバイルバッテリー、USB充電器
USB充電器が別売りの場合あり
モバイルバッテリーの充電にUSB充電器が必要ですが、付属せず別売りの場合があります。USB充電器が別売り、かつUSB充電器を持っていないなら、USB充電器も選びます。充電器の機能に対応する製品
モバイルバッテリーの中には、充電器の機能に対応する製品があります。別途でUSB充電器を用意したりUSB充電器を持ち出したりする必要がありません。充電対象機器と自身を同時充電
モバイルバッテリーの中には、充電対象機器を充電しながらモバイルバッテリー自身も同時に充電できる製品があります。出典
・【山田祥平のRe:config.sys】間違えたくないモバイルバッテリ選び - PC Watch(2019/12/14公開記事)
・用途から考えるモバイルバッテリーの選び方、安全機能の有無は必ず確認しよう | 日経クロステック(xTECH)(2024/10/07公開記事)
・用途から考えるモバイルバッテリーの選び方、安全機能の有無は必ず確認しよう(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2024/10/07公開記事)
・これだけは知っておきたい、USB充電器の基礎知識 - 充電器の正しい選び方:日経クロステック Active(2024/10/24公開記事)
・困ったときのモバイルバッテリー、容量・出力・端子で選ぶ | 日経クロステック(xTECH)(2024/11/21公開記事)
・困ったときのモバイルバッテリー、容量・出力・端子で選ぶ(2ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2024/11/21公開記事)
・用途から考えるモバイルバッテリーの選び方、安全機能の有無は必ず確認しよう | 日経クロステック(xTECH)(2024/10/07公開記事)
・用途から考えるモバイルバッテリーの選び方、安全機能の有無は必ず確認しよう(3ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2024/10/07公開記事)
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