フラッシュメモリーの余剰ブロック
最終更新日
2023年09月18日
フラッシュメモリーの余剰ブロックとは
基礎
フラッシュメモリーの余剰ブロックとは、データを書き換え速度の低下を抑えるために使用するブロックです。ヨジョウ・ブロックと読みます。フラッシュメモリーではデータを書き換える場合、データを消去してから書き込む必要があります。データ読み書きはページ単位で可能であり、データ消去はブロック単位で可能です。そのため、ブロックのデータを一部でも書き換える場合、ブロックのデータを制御チップの作業用メモリーにコピーし、作業用メモリーにおいてデータを書き換え、作業用メモリーのデータを別のブロックにコピーします。元のブロックのデータは消去します。
ブロックのデータの消去に時間がかかるので、作業用メモリーのデータを余剰ブロックにコピーします。元のブロックは余剰ブロックとし、余剰ブロックになった元のブロックのデータの消去は後に行います。これでデータ書き換えにかかる時間が短くなり、データ書き換え速度の低下を抑えられます。
I | D | C | → | I | D | C | ||
E | B | E | B’ | |||||
A | F | A | F | |||||
G | H | G | H |
16個のブロックがあるとします。紫色のブロックは余剰ブロックではない通常ブロックです。識別するためにアルファベットを付けています。水色のブロックは余剰ブロックです。ブロックBのデータを書き換えるとします。ブロックB’が作業用メモリーのデータのコピー先です。ブロックBは余剰ブロックとします。
余剰ブロックを使わずに元のブロックのデータ消去を後に行う方法でもよさそうです。しかし、制御チップは元のブロックのデータを消去するまで、Windowsが元のブロックを利用できないようにします。余剰ブロックを使わなければ、元のブロックのデータを消去するまでWindowsが待つ必要があります。データ書き換えが終わるまでの時間が長くなり、データ書き換え速度が低下します。
出典
・なぜ消えるのか、劣化するのか(6ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
・なぜ消えるのか、劣化するのか(7ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2009/11/19公開記事)
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