ACPIのプロセッサーパワーステート
最終更新日
2024年01月14日
ACPIのプロセッサーパワーステートとは
基礎
ACPIのプロセッサーパワーステートとは、ACPIが示すCPUの電力状態です。英語表記ではProcessor Power Stateです。C-Stateと呼ぶ場合があります。以降ではC-Stateと書く場合があります。C-Stateの種類
C-Stateの種類には、C0,C1,C2,C3があります。下記の表はそれぞれの電力状態です。C-State | 電力状態 |
---|---|
C0 | ・命令を実行している状態 ・C0への復帰時間がゼロ ・コヒーレンシーを保つ |
C1 | ・命令を実行しておらず省電力ではない状態 ・C0への復帰時間が最も短い ・コヒーレンシーを保つ |
C2 | ・C1よりも省電力状態 ・C0への復帰時間がC1より長い ・コヒーレンシーを保つ |
C3 | ・C2よりも省電力状態 ・C0への復帰時間がC2より長い ・コヒーレンシーを保たない |
コヒーレンシーとは、CPUが内蔵しているキャッシュメモリーが保存しているデータと、メインメモリーが保存しているデータ、両者がそろっていることです。
プロセッサーC-State、プロセッサーパッケージC-State
CPUのコアのC-Stateがあり、これをプロセッサーC-Stateと呼びます。CPUコアごとの電力状態を示します。CPUのパッケージのC-Stateがあり、プロセッサーパッケージC-Stateと呼びます。CPU全体の電力状態を示します。略してパッケージC-Stateと呼ぶ場合もあり、以降ではパッケージC-Stateと書く場合があります。プロセッサーC-StateとパッケージC-Stateに違いがあり、パッケージC-StateにはC1がありません。プロセッサーC-StateがC1以上になると、パッケージC-StateがC2以上になります。
プロセッサー固有C-State
ACPIのC-Stateにプロセッサー固有C-Stateを割り当てる
インテルのCPUやAMDのCPUでは、プロセッサーC-StateとパッケージC-Stateそれぞれにプロセッサー固有C-Stateを割り当てます。上記ではC-Stateの種類それぞれの電力状態を書きましたが、これはACPIが定義した電力状態です。プロセッサー固有C-Stateでは電力状態を具体的に定義しています。ACPIのC-Stateにプロセッサー固有C-Stateを割り当てて使用します。プロセッサー固有C-StateはC4以上
インテルのCPUやAMDのCPUでは、C0,C1,C2,C3に限らずC4以上もあります。ACPIではC0,C1,C2,C3までですが、プロセッサー固有C-StateでC4以上を定義し、ACPIのC-Stateに割り当てて使用します。プロセッサー固有C-Stateの方が種類が多いですが、ACPIのC-Stateの1種類にプロセッサー固有C-Stateの複数の種類を割り当てます。そのため、ACPIのC-Stateは4段階ですが、さらに段階数が増えます。プロセッサー固有C-Stateの種類が多い理由
CPUの消費電力を抑えるほど、C0への復帰時間が長くなります。これでは性能が落ちます。そこでプロセッサー固有C-Stateの種類を多くし、消費電力の抑えが小さく復帰時間が短い種類、消費電力の抑えが大きく復帰時間が長い種類等を用意し、それぞれの種類を状況に応じて使い分けます。例えばCPUに負荷がかからない時間が長ければ、最も消費電力を抑え最も復帰時間が長い種類に遷移し、消費電力を大きく抑えます。プロセッサー固有C-Stateの定義はメーカーやモデルによって異なる
プロセッサー固有C-Stateの定義は、CPUのメーカーによって異なります。同じCPUのメーカーでもモデルによって異なります。出典
・図解で納得!最新CPUはココがすごい(7ページ目) | 日経クロステック(xTECH)(2010/07/06公開記事)
・ASCII.jp:Windows 10の電力管理を支えるACPIを見る (2/2)(2019/09/15更新記事)
・ASCII.jp:Windows 10の電力管理を支えるACPIを見る (2/2)(2019/09/15更新記事)
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